先週の金曜日、雨に降られて、風邪をひいた。熱はないし、食欲もあるが、味は、ほとんどわからない。こういうとき、大好きなコーヒーを受け付けなくなる。うちのショップのハーブティに、はちみつを入れてガブガブ飲みながら、新聞を読んだ。
1945年5月8日は、ドイツが、連合国軍に、無条件降伏した日なので、8日前後は、そのニュースが、国際面に出たね。「ドイツAkutuell」にもその関連のニュースをリンクしておいた。ドイツと日本は、同じように敗戦国となり、戦後復興して、経済大国となった似たような歴史を持つと言われるが、似て非なる部分のほうが多いと思う。
ナチスによる大量虐殺を実行したという事実に、ドイツは謝罪の道を選ぶしかなかった。ひきかえ、日本は、過去の植民地支配と侵略に「痛切な反省」と「心からのおわび」という美辞麗句に飾られた中途半端な態度に終始してきたから、中国を初めとする周辺諸国から、ドイツを引き合いにして、ドイツは真摯に反省しているののに、日本は、反省が足りないという主張に出られる。
ドイツに暮らしていたとき、アジア人同士で固まる傾向があって、私もタイや台湾の女の子と親しくしていたが、いざ戦争の話題になると、びしっと日本の侵略に対し激しい意見に合い、おろおろしたものだ。戦争に直接加担しなかった私たちの世代も、日本の外に出たら、きちんと日本が、歴史に向き合わなかったツケに対面することがある。
平和教育に携わる人たちは、ドイツをお手本にして、自国批判の立場にたち「平和論」を展開する人も多いが、ドイツは、反省一辺倒に終始してきたわけでない。ドイツは、NATOの枠内で、再軍備にふみきり積極的に、アメリカとの関係を築いた。ドイツの歴史の授業で、アデナウワーの果たした役割が、非常に大きかったことを教えられた。ドイツは、徴兵制度を敷き、ドイツ基本法も何度も改正している。そしてEUを発展させてきた。ヨーロッパでのドイツの地位を模索しながら、リーダーシップを取ってきた。要するにしたたかなのだ。
ヨーロッパの真ん中にあって、自国に、自国民以外の人が住むのが当たり前になっている状況に、人々が慣れ、受け入れているというのは、日本の比ではない。
なんと言っても地続きで隣国なのだ。日本が島国であるという地理的状況は、よくもわるくも日本人を鈍感にさせてきたように思う。