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父の誕生日に聞いた話?@

2003-06-24 00:00:00 | インポート
22日は、父の誕生日なので、お気に入りの駅前のイタリアンにご招待。もう75歳になる父は、めっきり食べる量も減り、歯が悪いから、硬いものは、ダメだし、けっこう好き嫌いも多い(^^;のでレストラン選びは困るのだが、 ウチで和食が多いから、外ではフレンチやイタリアンだと喜んでくれる。

父が、パンを食べながら、「パンって英語でブレッドとかいうんだよな」と突然言い出すので、はあ?「実は、初めてアメリカへ出張に行かされたときなあ」と珍しい昔話が始まっった。

父は、若い頃ミシン会社に勤めていたのだが、その会社は、ミシンを国内生産し、その販売は、海外戦略を試みて、シカゴにある通販の大手シアーズローバック社にコンタクトをつけようとしていた。その商談の立会いに父が行かされたのだが、それは今から40数年前、30そこそこの頃のことだそうだ。昭和ひとけたの父は、英語なんてまるでダメ。何事も経験だあとばかり、度胸で押し出されるように羽田を単身飛んだそうだ。

ウエキ島とかいう軍用基地とハワイに立ち寄って、サンフランシスコまで、16時間、時差を入れたら丸1日かかったそうだ。機内食は、食べたものの、空港内でレストランで、何かパンでもと思って注文しようにも、パンという英語が言えない。必死にミルクを注文したら、すっぱくて飲めないヨーグルトみたいなのが出てきて、もう飲まず食わずだったらしい。

好事魔多し。父の乗った日航機は、台風の影響で延着し、シカゴまでの乗り継ぎ便に間に合わなかったそうだ。日航職員に、ホテルに泊まるか、国内便の鈍行?で行くかと尋ねられて、飛行機に乗ることにしたという。
「へえ、そんなの疲れきってるんでしょ。ホテルでゆっくり寝たほうがいいのにー。」「そんな見も知らない土地で、ホテルで寝るより、目的地に少しでも向かったほうがよかったんや」

機内では、続く緊張と心細さで、熟睡などからはほど遠い状況だったらしい。夜中にデンバーやら各地を乗り継いで、飛行機から見る空がしらじらと明けて、ようやく朝に、シカゴに到着したという。

アメリカのシカゴには、歳の離れた父の兄が、移住していた。やっとの思いで、到着した空港で、感激の兄弟の再会があるはずだったのだが、本来の到着便どおりにつけなかったから、迎えはなかった。


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