VIVIEN住生活総研

住生活ジャーナリストVivienこと藤井繁子が、公私を交えて住まいや暮らしの情報をお届けします!

トリエンナーレ会場とチャリティ企画

2008年04月15日 | ミラノ・サローネ08
Canonが出展しているトリエンナーレ会場は明日からOpenの為、最後の追い込み設営中の各社。
庭では、家具のKartelle社が巨大チェアーを仕上げ中。
  
Vitra社はプレスレビューで内覧でき、過去のサローネ出展作品を一覧で展示。(Ron Aradから吉岡徳仁まで15人のデザイナー)
  
キッチンツールなどのguzzini社は「Multipli di cibo -FOODDESIGN MADE IN JAPAN-」の企画展示。
2月にフランクフルト、今回ミラノの後、11月日本でも巡回展をするようだ。
 柳宋理をグランドマスターに有名デザイナーの作品コレクション

会場の正面玄関前では、3棟の「PINK HOUSE」がデコレーションされて展示。話を聞けば、これはチャリティー企画で
協賛のebay社によるネットオークションにかけ、売上を癌研究機関に寄付するもの。
 
主催はインテリア雑誌「CASA facile」

チェリティー企画をもう一つ。Duomo駅の百貨店Rinascenteで、バッグメーカーのCOCCINELLE社がチェリティーBagを製作販売。
Vivien研究員も気に入って購入! 売上はハイチの子供達の為に使われるという事。
 Bag買って+αの嬉しさ!
欧米では見本市やフェアなど人が集まる機会にチャリティーはお決まりであるが、宗教がこのような伝統を作るのだろうか・・・

さてお買い物もしてメッキリお疲れの私達は、ハッピーアワーでオードブル食べ放題のBarに。
 こちらのオードブルはイマイチでした。



Canon が初サローネ at Triennale

2008年04月15日 | ミラノ・サローネ08
【NEOREAL】と題した展示を、市内のトリエンナーレ会場で行ったのはミラノ・サローネ初出展のCanon
明日のグランドオープンを前に他の出展者は設営が続くトリエンナーレ会場で、先駆けて行われたプレスレビューに伺った。
 会場設計はデザイナーの森ひかる。
今回のメイン、07年3月から始まった文化財の保護活動〔綴(つづり)プロジェクト〕の第一弾として完成した、国宝「松林図屏風」長谷川等伯筆など屏風・襖絵3点を展示。
 
カメラ「EOS」により撮影し大型プリンター「imagePROGRAF」で特性和紙に出力、金箔を施した襖や屏風。
このようにプリンターの性能が限りなく本物を表現できるというプレゼンテーションなのだが、これだけでは終わらない!

次の展示シーンには「SOMARTA」ブランドのファッションデザイナー廣川玉枝が創りあげた妖艶な空間があった。 
  
鮮明な写真の壁パネルや、レースの表情をリアルに再現した壁紙がプリンターの技術力を語る。サローネ向けに椅子も創作。

また更に奥のスペースに、建築家の石上純也が創作した紙製「paper chair」と同じデザインの鉄製の椅子が整然と並んでいる。
真っ白な空間に、同じドローイング模様が椅子にプリンター印刷されていて紙と鉄の見分けがつかない! 
  
会場でキャノンの総合デザインセンター酒井正明所長(左)と桐山登士樹プロデューサーにお話を伺った。

「キャノンのカメラはプロに評価され広がった。プリンターもまず高感度な世界のクリエイター達にプリント技術を評価してもらうのが狙い」(酒井氏)

「トリエンナーレ会場は登竜門的に絶好の場所である」と、レクサスのサローネ初出展も手掛けた桐山プロデューサーは、レクサスの過去の展示会場にも触れながらミラノにおける場の重要性を語ってくれた。


M電機の楽しい仲間達とランチ!

2008年04月15日 | ミラノ・サローネ08
2年前と同じく、M電機のデザイン関係者達とミラノでお会いした!
今日のランチは、その御一行様と一緒にGaribaldi通りで雰囲気の良いイタリアン・レストランへ。
アイキューブ広野社長も! 
昨夜、ママのおうちスパゲティーを御馳走になったので、私はホウレン草のラビオリをチョイス。皆さんはボロネーゼ。
イタリアンは中華同様、ハズレは少ないので嬉しい。ユーロ高で安くは無いけど・・・

次に向かうトリエンナーレ会場まで、お天気の午後をお散歩がてら歩くことにした。 ミラノ名物でもある路面電車、
写真を撮ってたら反対側からも電車が来て「セニョーラ!危ないよ」とイタリア人が引っ張ってくれた・・・
 犬台付き自転車?ゴキゲン!

ミラノ中心のSempione公園を横断し、芝生でラブラブなカップル達を尻目に我々は、公園内スタンドのエスプレッソで一服。 
 
ナント素晴らしいお天気・・・明日から始まる怒涛の見本市を前に優雅な午後であった。

松下電工 in Milan, FUORI SALONE

2008年04月15日 | ミラノ・サローネ08
一昨年初めて「I Saloni」本会場のキッチン見本市「Eurocucina」に日本企業として唯一、出展チャレンジした松下電工。
今年は、キッチン単体でなくバス・洗面、照明など総合的なソリューション力をアピールする目的で、
展示スタイルに制約のある見本市本会場ではなく、ミラノ中心市街Garibaldi通りのショールーム[IL PICCOLO]を借り「FUORI SALONE(場外サローネ)」へ参加。
 
一昨年のサローネ出展以来の再会、松下電工:宣伝担当の上田氏と会場前にて。

広くはないスペースを不規則な幾何学的空間に仕切り、LED照明「EVERLEDS」を使って透明感のある奥行きを演出。
会場の空間デザインは人気デザイナーのパトリシア・ウルキオラ女史とマルティノ・ベルギンツ氏が担当。
メインに置かれたのはウルキオラがカバーリングをデザインしたマッサージチェア「Urban」。

今回は、バス・洗面・トイレと共同デザイン開発をしてきたデザイナー深澤直人氏とウルキオラ女史のコラボレート。
その組み合わせについて深澤氏に尋ねてみた「ボクには分かんない、でもこういうのは良くある事だし・・・」なんて話してたら
 パトリシアがやって来た!

 
という事で、皆さん揃って日本のプレス向けプレ発表会が始まった。
今回新作、深澤デザインのプロトタイプキッチン前で、左からパトリシア・ウルキオラ・深澤直人・マルティノ・ベルギンツ・益子松下電工デザイン部部長。
今回のキッチンを「様々なテクノロジーを入れ込む箱」と表現する深澤氏。
この企画担当のデザイン部:岡井さんに
コラボ・デザイナーの人選について伺うと、「深澤さんと対極のイメージでウルキオラさんを起用しました」という事だった。

そのウルキオラ・デザインのマッサージチェア「Urban」。ご自身もマッサージ体験中!
  
春夏秋冬イメージで4タイプ。緑が春で、黒が秋だったかな・・・コントローラーのカバーがマウスみたいでカワイイ。
 
照明も松下電工の「Home Archi」商品を使って演出。「アラウーノ」の自動開閉に驚く外国人。
   

〝Panasonic〟ブランドに対する期待は地元の記者にもあり、私が本会場のプレスルームで知り合った伊・照明雑誌の記者も
「場所はどこだい?行って見るよ」と関心を持っていた。(住宅設備事業を手がけている事は知らなかったが)

またウルキオラ人気もあってか、地元メディアもたくさんプレスレビューには集まったようだ。
今回の展示では来場者にトータルな住設備の提案、という所までは伝わらないものの
訪れたヨーロッパ人達は、テクノロジーとデザインの融合的な‘A Japanese way of living’を見たのではないだろうか。

基本的には商品を輸出する訳では無いから、ミラノへ挑戦する姿勢を日本へ発信しブランド力Upにつなげる狙いであろう。
LEXUSほど投資できないにしても、このように色んな取組みを続ける事は大切だと思う。

Milan Salone: 市内の展示も着々と

2008年04月15日 | ミラノ・サローネ08
ミラノ中心街は(明日からがメイン)、[FOURI SALONE]‘サローネ外の意味’のイベントやショールーム展示が600以上も実施される!
「Milan Design Week、犬も歩けば‘INTERNI’の旗(左下)に当たる」くらいミラノ全体がショーケースと化するのだ。
雑誌ブランドが協賛 
LEXUSを出て次の会場へ向かう途中にも、独キッチンの「Siematic」ショールームに遭遇(デザインW.の展示では無かったが)。
コの字型キッチンの一辺にキャビネットが乗ったスタイル。シャンデリア照明風のものは換気扇。

ミラノらしいオープンカフェの街並を進み、次に出会ったのは家具「MOROSO」。
‘The Little Wild Garden of Love’が展示テーマのようだ。

暗がりの中にR.アラッドなどMOROSOデザイナーズチェアの黒がたたずむ・・・室内に雨を降らせている。まだ施工中で失礼しました!

こちらは既にOpen中の換気扇「elica」。右は新作、照明「Artemide」とのコラボ商品。素敵なお姉さんが片言英語で案内してくれた。

日本では消防法に阻まれ採用できない形式が多いが、デザイン性の高い換気扇が並ぶ。 右は日本でもOKそう?


そぞろ歩きながらインテリア・デザイン展を見れる・・・それが日常であるイタリア人の感性が高いのは当然か。


Milano Salone: LEXUS by nendo 佐藤オオキ

2008年04月15日 | ミラノ・サローネ08
ミラノの朝、9階のお部屋から眺めるご近所の景色。 先月の上海ほどではないが高層マンションも多い。
さて、サローネ取材開始! 今日15日は16日からの正式Open前のプレスレビューなどが多い日。日本企業3社のレビューに回る。
  Turati通りに面したペルメネンテ美術館
最初にトヨタ自動車のLEXUSの展示会場、ペルマネンテ美術館へ地下鉄で向かう。
レクサスは2005年から今年で4回目のミラノ・デザイン・ウィークへの出展参加。昨年、私は見ていないがあまり評判が良くなかった。
会場の具合もあったのか、今年は一昨年と同じペルマネンテ美術館に場所を戻して
ヨーロッパでも評価の高いnendoの佐藤オオキをコラボレーションアーティストに迎えた。
 
私も今回足を運んだのは上海で佐藤氏がレクサスを担当すると聞き、nendoだから見にきたという感じ。
nendo佐藤氏は米Newsweek誌で06・07年「世界が・・・100人/社」に選出され、作品集がドイツの出版社から出る活躍ぶり。

【L-finesse 先鋭-精妙の美】は今まで一環したLEXUSの展示テーマ。
今年の展示タイトルは、-elastic diamond- 佐藤氏が、ダイアモンドの結晶からインスパイアされたという
 「diamond chair」W520×D520×H580
「軟らかいけど強い」がコンセプトのインスタレーションは、「diamond bubble」と名付けられた球体のオブジェがブルーの光と共に動く幻想的な空間になっていた。上部が花のように開閉し呼吸するよう・・・

共に展示された椅子「diamond chair」は、3次元CADデータからナイロンの形状をレーザーで硬化しているらしい。その工程も映像で流され、見学者の関心を引いた。
 
プロダクトだけでないデザインの背景や技術、そこにストーリーがあって二度三度と感心させられる。

レクサス、車自体は更に奥のスペースで展示。
そこには高い天井から伸びた柱状のオブジェがレクサス「LF-Xh」を取り囲んでいる。
 「LF-Xh」‘07年東京モーターショ―発表のコンセプトモデル。ちなみに、車は造形モデルで動かない。
薄暗い照明に心臓の鼓動のような音響とオブジェが上下する動きで、人間の体の中に居るような不思議な感覚に。 

漆黒のLEXUSがひっそりと佇む姿は静粛な躍動感。LEXUSが持つ二律双生コンセプトに通じるものを感じることができ
LEXUS×佐藤オオキ、世界に通じる素晴らしい展示になっていた。