VIVIEN住生活総研

住生活ジャーナリストVivienこと藤井繁子が、公私を交えて住まいや暮らしの情報をお届けします!

上海見聞録:これが建材街

2008年03月01日 | 上海2008
今回は上海の建築を見るのと共に、日本のメーカーが多く進出している住宅設備関連の現状も知りたかったので
建材設備関連の会社が集まっている、その名も【建材街(宜山路)】へ繰り出した。

その中心にショールームを構え、中国でハイエンド・ユーザー向けの高級ブランドとして確立しているTOTO
(衛生陶器の中国ハイエンドマーケット約500万個/総5000万個の約30%はTOTOのようだ)

現地法人の川村市場開発部部長を訪ねて、お話を伺った。昨年夏に改修したという展示。こちらの新商品は約300万円也!海外向けの製品で上海ではマンションの高層階などに出ているようだ。
 
高級マーケットの競合にはKOHLER(米)などがあるが、このブランドポジションを獲得できた理由の一つに川村部長は「CMも中国で制作するなど現地のニーズに則した戦略が良かっのでは」と。

ここのショールームは上海の販売会社が経営するもので、施主がここで直購入できる。
TOTOの中国売上高はおよそ25億元、ディーラー売りと小売りが半々。米国での売上をしのぐ規模に成長している。
こちらの販売会社社長(左)。かなり儲かっている御様子で・・・思わずピース。
 
土曜日だったこともあり大盛況のショールーム。人気の現場を確認できた。

INAXも追随すべくショールーム展開、先述のダイキン工業も雑誌に大型宣伝を展開していたし、松下電工も中国最大のデベと提携など、国内需要減少に日本企業の中国・アジアマーケットへの期待は高まるばかりだ。

さて建材街のモールを覗いて中小の設備建材店も見学していたら、気になる店舗に出くわした。
Boloni」やフランスのガラスメーカーsaint-gobain系の「La Maison」というインテリア設計・施工・販売会社だ。
    
通りに面した大きなショールーム店舗を構えている「Boloni」に入ってみた。
住宅のスケルトン売りが主流の中国で、内装を請負うのは小さな工務店・内装業者のようだが
なにやら、ここは富裕層向けにイタリア人設計デザイナーを前面に出したトータル・インテリア・ソリューションの会社。
若くてカワイイ中国人女性の販売員が、丁寧に広いショールームをグルット案内してくれた。
 ミラノ・サローネ級のインテリア展示
イタリア人デザイナーを使った高級版は@5000元/㎡(ドイツ人だと@1500元/㎡、中級は@300元/㎡から)。

このような、内装インストールを設計から施工・管理、家具販売までトータルに提案しながら
㎡単価で費用を明示できるのが中国式の内装業のようである。
日本のリフォームよりは費用が単純、依頼先も高級層から低価格層と明らかに別れていてユーザーには分かりやすい。
今後、日本のストック住宅市場には参考になる業態に思えた。


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