VIVIEN住生活総研

住生活ジャーナリストVivienこと藤井繁子が、公私を交えて住まいや暮らしの情報をお届けします!

住友林業、決算説明会

2008年05月09日 | 住宅業界
住友林業による2008年3月期の決算、業績説明会に参加。
 司会進行は広報の佐野さん 

住友林業の場合、近年は売上の事業構成が[木材・建材事業]が[住宅関連事業]より大きいのだが
08年度においては、[木材・建材事業]の落ち込み(売上前期比▲9.5%)が[住宅関連事業](同▲0.0%)より大きく
住宅需要低迷の影響をより大きく受けた結果、連結ベースで
売上8614億円(同▲5.5%)・経常利益122億円(▲37%)と減収減益に一転し厳しい決算となった。

矢野龍社長(左)から事業方針等の解説、市川経営企画部長から決算概要の説明。
 
木造在来戸建を中心とした注文住宅の受注棟数9301棟(前期比▲4.6%)、金額2954億円(同▲4.1%)は
棟数規模や工法は違うのだが、先述の三井ホームとよく似たマイナストレンド。 

ただ1棟単価が、在来工法の住友林業(3180万円)と2×4工法の三井ホーム(3580万円)では違うのと
分譲戸建の割合が少ない住友林業は、そこでの増収の規模が少なく、木材・建材事業のマイナスを埋める事ができなかった。

今後、企画型住宅のマイフォレスト・セレクトワン(@坪単価46万円~)など低価格商品も拡充したので
平均単価は下がる可能性もあるが、コスト改善を購買・流通など各所で行い生産性を上げて対応するという事。

矢野社長の来期市場予測は「着工戸数110万戸、持家33万戸」と双方、+約6%前後の回復とされたが
自社の来期戸建注文住宅の受注計画を、+1.4%と市場より渋くよまれていたのが腑に落ちない・・・
というより、やはり全体の市場予測は小さく出せないんだなぁと・・・業界関係者は皆、希望的観測な数字を出す訳です。

そんな100万戸割れが見え隠れする新築市場からストック市場へ各社転換する中で、
同じ住友と言えば、リフォーム市場で高成長した新築そっくりさん(住友不動産)が際立ってしまい
住友林業の子会社である住友林業ホームテックの売上266億円(前年+3%)は、新築そっくりさん事業の売上予測810億円(+8%前後)に見劣りする。
ちなみに、新築そっくりさんの08年3月期予測棟数は7100棟・・・・スゴイ事になっている。

住友林業のその他重点プロジェクトとしては、海外事業も期待するところであるが
シアトル、韓国は順調とのことだが、上海の戸建開発は凍結したようである。
不動産事業においては今後、静岡で開発した高齢者向けの住宅や施設を今後、強みにしてゆくとの事であった。

「住宅売上が年1万棟をベースに設計されていた収支モデルを、9000棟レベルでしっかり利益が出せる体質へ転換すると」
矢野社長の経営設計と堅めの来期受注予測はつながっていた。



 


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