VIVIEN住生活総研

住生活ジャーナリストVivienこと藤井繁子が、公私を交えて住まいや暮らしの情報をお届けします!

松下電工 in Milan, FUORI SALONE

2008年04月15日 | ミラノ・サローネ08
一昨年初めて「I Saloni」本会場のキッチン見本市「Eurocucina」に日本企業として唯一、出展チャレンジした松下電工。
今年は、キッチン単体でなくバス・洗面、照明など総合的なソリューション力をアピールする目的で、
展示スタイルに制約のある見本市本会場ではなく、ミラノ中心市街Garibaldi通りのショールーム[IL PICCOLO]を借り「FUORI SALONE(場外サローネ)」へ参加。
 
一昨年のサローネ出展以来の再会、松下電工:宣伝担当の上田氏と会場前にて。

広くはないスペースを不規則な幾何学的空間に仕切り、LED照明「EVERLEDS」を使って透明感のある奥行きを演出。
会場の空間デザインは人気デザイナーのパトリシア・ウルキオラ女史とマルティノ・ベルギンツ氏が担当。
メインに置かれたのはウルキオラがカバーリングをデザインしたマッサージチェア「Urban」。

今回は、バス・洗面・トイレと共同デザイン開発をしてきたデザイナー深澤直人氏とウルキオラ女史のコラボレート。
その組み合わせについて深澤氏に尋ねてみた「ボクには分かんない、でもこういうのは良くある事だし・・・」なんて話してたら
 パトリシアがやって来た!

 
という事で、皆さん揃って日本のプレス向けプレ発表会が始まった。
今回新作、深澤デザインのプロトタイプキッチン前で、左からパトリシア・ウルキオラ・深澤直人・マルティノ・ベルギンツ・益子松下電工デザイン部部長。
今回のキッチンを「様々なテクノロジーを入れ込む箱」と表現する深澤氏。
この企画担当のデザイン部:岡井さんに
コラボ・デザイナーの人選について伺うと、「深澤さんと対極のイメージでウルキオラさんを起用しました」という事だった。

そのウルキオラ・デザインのマッサージチェア「Urban」。ご自身もマッサージ体験中!
  
春夏秋冬イメージで4タイプ。緑が春で、黒が秋だったかな・・・コントローラーのカバーがマウスみたいでカワイイ。
 
照明も松下電工の「Home Archi」商品を使って演出。「アラウーノ」の自動開閉に驚く外国人。
   

〝Panasonic〟ブランドに対する期待は地元の記者にもあり、私が本会場のプレスルームで知り合った伊・照明雑誌の記者も
「場所はどこだい?行って見るよ」と関心を持っていた。(住宅設備事業を手がけている事は知らなかったが)

またウルキオラ人気もあってか、地元メディアもたくさんプレスレビューには集まったようだ。
今回の展示では来場者にトータルな住設備の提案、という所までは伝わらないものの
訪れたヨーロッパ人達は、テクノロジーとデザインの融合的な‘A Japanese way of living’を見たのではないだろうか。

基本的には商品を輸出する訳では無いから、ミラノへ挑戦する姿勢を日本へ発信しブランド力Upにつなげる狙いであろう。
LEXUSほど投資できないにしても、このように色んな取組みを続ける事は大切だと思う。

Milan Salone: 市内の展示も着々と

2008年04月15日 | ミラノ・サローネ08
ミラノ中心街は(明日からがメイン)、[FOURI SALONE]‘サローネ外の意味’のイベントやショールーム展示が600以上も実施される!
「Milan Design Week、犬も歩けば‘INTERNI’の旗(左下)に当たる」くらいミラノ全体がショーケースと化するのだ。
雑誌ブランドが協賛 
LEXUSを出て次の会場へ向かう途中にも、独キッチンの「Siematic」ショールームに遭遇(デザインW.の展示では無かったが)。
コの字型キッチンの一辺にキャビネットが乗ったスタイル。シャンデリア照明風のものは換気扇。

ミラノらしいオープンカフェの街並を進み、次に出会ったのは家具「MOROSO」。
‘The Little Wild Garden of Love’が展示テーマのようだ。

暗がりの中にR.アラッドなどMOROSOデザイナーズチェアの黒がたたずむ・・・室内に雨を降らせている。まだ施工中で失礼しました!

こちらは既にOpen中の換気扇「elica」。右は新作、照明「Artemide」とのコラボ商品。素敵なお姉さんが片言英語で案内してくれた。

日本では消防法に阻まれ採用できない形式が多いが、デザイン性の高い換気扇が並ぶ。 右は日本でもOKそう?


そぞろ歩きながらインテリア・デザイン展を見れる・・・それが日常であるイタリア人の感性が高いのは当然か。


Milano Salone: LEXUS by nendo 佐藤オオキ

2008年04月15日 | ミラノ・サローネ08
ミラノの朝、9階のお部屋から眺めるご近所の景色。 先月の上海ほどではないが高層マンションも多い。
さて、サローネ取材開始! 今日15日は16日からの正式Open前のプレスレビューなどが多い日。日本企業3社のレビューに回る。
  Turati通りに面したペルメネンテ美術館
最初にトヨタ自動車のLEXUSの展示会場、ペルマネンテ美術館へ地下鉄で向かう。
レクサスは2005年から今年で4回目のミラノ・デザイン・ウィークへの出展参加。昨年、私は見ていないがあまり評判が良くなかった。
会場の具合もあったのか、今年は一昨年と同じペルマネンテ美術館に場所を戻して
ヨーロッパでも評価の高いnendoの佐藤オオキをコラボレーションアーティストに迎えた。
 
私も今回足を運んだのは上海で佐藤氏がレクサスを担当すると聞き、nendoだから見にきたという感じ。
nendo佐藤氏は米Newsweek誌で06・07年「世界が・・・100人/社」に選出され、作品集がドイツの出版社から出る活躍ぶり。

【L-finesse 先鋭-精妙の美】は今まで一環したLEXUSの展示テーマ。
今年の展示タイトルは、-elastic diamond- 佐藤氏が、ダイアモンドの結晶からインスパイアされたという
 「diamond chair」W520×D520×H580
「軟らかいけど強い」がコンセプトのインスタレーションは、「diamond bubble」と名付けられた球体のオブジェがブルーの光と共に動く幻想的な空間になっていた。上部が花のように開閉し呼吸するよう・・・

共に展示された椅子「diamond chair」は、3次元CADデータからナイロンの形状をレーザーで硬化しているらしい。その工程も映像で流され、見学者の関心を引いた。
 
プロダクトだけでないデザインの背景や技術、そこにストーリーがあって二度三度と感心させられる。

レクサス、車自体は更に奥のスペースで展示。
そこには高い天井から伸びた柱状のオブジェがレクサス「LF-Xh」を取り囲んでいる。
 「LF-Xh」‘07年東京モーターショ―発表のコンセプトモデル。ちなみに、車は造形モデルで動かない。
薄暗い照明に心臓の鼓動のような音響とオブジェが上下する動きで、人間の体の中に居るような不思議な感覚に。 

漆黒のLEXUSがひっそりと佇む姿は静粛な躍動感。LEXUSが持つ二律双生コンセプトに通じるものを感じることができ
LEXUS×佐藤オオキ、世界に通じる素晴らしい展示になっていた。

Milan Salone: ミラノ知人宅に到着!

2008年04月14日 | ミラノ・サローネ08
今年はEurocucina(キッチン見本市)も併催の年、ミラノ・サローネに5泊6日の短期取材(欧州の場合、現地丸3日程度)を決行した!
経営不振のアリタリア航空、Milanoマルペンサ空港への直行便で約12時間。シベリア上空・・・雪山の中に河が見える。
松下電工、御一行様と遭遇!

食事は期待していなかったが日本食を選択したら思いの外美味しかった!(たらこトッピングご飯) 
偶然、1席空きのお隣にはITALCOM社のロンバルディ社長。40年間イタリア家具の日本輸入を手がけておられる。こんな出会いが旅の楽しさ!
社長は、イタリアン・フードを選択

さて今回のミラノ滞在は、知人のイタリア人家庭にホームステイさせて頂いた。
築35年の9階建てマンション、以前は1つだった住戸を子供の独立後、2住戸に大リフォームし私は2DK来客用のほうに泊まらせて頂く。
賃貸運用もできる形
お隣にある御両親の家で、夕食を用意して下さった。9時頃だったので軽くという事だったが・・・ 猫の五右衛門くん
 
前菜のスパゲティはアンチョビ味から始まり・・・パパ同様に私もガッツリ頂く! ちなみに御両親は英語が話せます。

プロシュートにはしっかりレモンを絞って頂く。 ミンチと野菜のオーブン焼きにはインゲン豆も入って美味しかった!
Buono!Buono

天気は曇り時々雨の到着日であったが、こうして快適なMilanoStayが始まった。

TOYO KITCHEN 新商品

2008年04月10日 | 住宅業界
TOYO KITCHENの新商品発表会へ、青山から表参道へショールームを黒田秀雄氏と雨の中ハシゴすることになった。
「今回のデザインは宙に浮いている感じを表現」と清本氏が出迎えて紹介してくれた新商品「CORE(コア)」。
 左から渡辺社長・黒田氏・清水氏
印象的なのは、ワークトップと同素材でチタン仕上げの大型水栓金具(経61㎜太い!かなりの存在感)だ。
 
ドアカラーはブラックにキラキラとプラズマ反射する素材、確かに宇宙な感じ。足を細くするデザインで浮遊感を出している。

‘キッチンに住む’がコンセプトで、一体のダイニング・キッチンをリビングとつなげて40㎡ほどの空間を想定。
ダイニングカウンターの向こうに、梅田正徳デザインの“Ran”(ラン)チェアーを置きアクセントに。
オープンシェルフには、食器だけでなく趣味のコレクションを飾るリビングキッチン提案。

シャンパンに和菓子を用意されるところが憎い! HIGASHIYAのロングスティック最中。
黒田さんと、頂きマス!

このシャンデリアはプラスティック素材!?(12万円) キッチンにも思い切って使える。
東洋キッチンは、デザイン性の高い住空間全体を提案するためにの家具製品も充実。
  
社長は来週Milanoへは、さらに面白いものを発掘すべく見本市にも顔を出される。
「最近はプレゼンテーションンばっかで、売らないモノを見せる場になってしまった」と嘆かれていたが、
さて社長のお眼鏡に適うものは見つかりますでしょうか!現地で偶然にでもお会いできることを楽しみに、私もMilanoへ向かう。

AOYAMA M's Tower オープン

2008年04月10日 | 住宅業界
東京メトロ銀座線「外苑前」徒歩2分のにオープンした複合施設「AOYAMA M's Tower」。
その中に入った『アーキテクトカフェ』と『東急スティ青山』を見学した。

『アーキテクトカフェ』はTowerの1・2階の商業施設「パサージュ青山」(スーパーのエクセピーコックなど)の2階にある。
既に1号店が汐留にある、レストランと住関連ショールームの複合ビジネスモデル。

この企画運営にあたるインストアメディア社の西野取締役(左、先月は上海で御一緒、順調にOpen!祝)。
  
15社の協賛企業を代表してリリカラの山田社長が乾杯の御挨拶。
青山店ではイタリアキッチンの「SALVARANI」やイタリアタイルの「MARAZZI」、レンジフード「ARIAFINA」とItalianな雰囲気。

イタリア老舗キッチン「SALVARANI」と水栓「GESSI」を日本で販売するINTERITALIA JAPANのグラッツィアーノ社長と
インストールされた冷蔵庫、オーブン、食洗器など「AEG-Electrolux」は、Electrolux Japanのアーラー社長。
 
MRCホームプロダクツは今回、浄水器「クリンスイ」を展示(汐留では炭酸泉の足湯)。当然、レストランの水も業務用クリンスイで。

富士工業、innoinnoブランドのペンダントスタイルファンの前で、キッチン研究家の黒田秀雄氏も。今回は照明付きテーブル「two」も展示。
 
住関連として面白いのはライオン「ルックきれいのミストシリーズ」が汐留に続いて参加。
スタイリッシュになっていく住空間に合った清掃製品を提案するための、ブランド価値向上を狙ったプロモーション。

世界最大のタイルメーカー伊「MARAZZI」を販売するマラッツィ・ジャパンの玉岡さんと、立体的で布のような陰影を出すタイル製品の前で。
ほか住関連製品メーカーに加え、デザイナーズハウス社は建築家マッチングサービスを提供する。
エレクトロラックスでは、キッチンを使った料理教室などイベントを開催していくとのことで気軽に参加してキッチンを使えそうだ。
 

丁度来週からミラノ・サローネに出発する私は、現地に入る前からItalian Design & Foodを満喫した。


松下、オール電化の取組み

2008年04月07日 | 住宅業界
松下電工の飯間執行役員(右、オール電化営業推進本部長)と松下電器産業の藤原ビジネスユニット長(松下ホームアプライアンス社)が
二人並んで松下グループの[オール電化]取組みについて記者発表。7月に発売される給湯器エコキュートとIHクッキングヒーターのお披露目。
 
「〝eco ideas〟一歩先のエコ」を標榜し、省エネNO1である商品を倍増するなどリサイクルや生産性向上とグループで環境に取組む一環がオール電化商品の充実。
 
増加する家庭電力消費量の中で、給湯は約1/3を占める。その課題解決として推進するエコキュートの販売台数は100万台を突破した。
オール電化でどれくらい自宅の電気・ガス代が節約できるのかがシュミレーションできるホームページもOpen。

そのベースにはオール電化住宅が07年度見通しで、新築27万戸+既築32万戸=59万戸と順調に普及している市場がある。
 
新築着工が減少する今後、既築いわゆるオール電化リフォームに注力する戦略で、2010年には07年の2倍が販売目標ということ。

7月に発売される新商品のエコキュートは、「パワフル高圧」でシャワーの勢いが弱まらないのが売り。
既エコキュートユーザー評価では、35%がシャワーの勢いに不満という数字。
 
シャワーをしている時に、台所でお湯を使うと湯量が落ちるという現象。それを貯湯タンクの高耐圧化で改善した。

結果、3階にもバス・シャワー設置を実現したと、会場ではシャワーの勢い比較がプレゼンテーション。 従来品とは水の飛び具合に差が出る
 
高圧になった上に年間消費電力は従来品と比較し、約100kWh/年減る設計。環境配慮の省エネ進化をアピール。

IHクッキングヒーターの新商品は、昨年発売した‘鍋ふりができる(高温、火火力センサー)’モデルに
‘予熱おまかせ機能’‘光る天面ナビ’など簡単操作を追加した新スクエア・デザイン。
 
予熱の大切さを卵料理で実演披露。辻調の先生がカニ玉をふんわりと仕上げる、しっかり予熱がポイント!
 
オール電化製品は、まだまだ開発の余地も有る未成熟領域であり日進月歩の進化が楽しみな領域。
日本が世界に誇る省エネ製品としての戦略も期待したい。

日本人も07年ノーベル平和賞を受賞?

2008年04月04日 | 社会・文化
省エネのカンファレンスで御一緒して以来、親しくして頂いている西出(社)日本化学工業会専務理事(写真左)。
 今日はその仲間が26人集まった。
化学関連、経産省・JETRO関連、ベンチャー、大学の先生・・・と色んな顔ぶれの中に

何と、2007年のノーベル平和賞を受賞されていた方が!? 日本人で受賞者居たっけ、と皆考えた。
写真左の山辺正顕さん(産業技術総合研究所)は、
ゴアさんと一緒に受賞したIPPC(気候変動に関する政府間パネル)パチャウリ議長から〝22人の仲間との受賞〟と
名前を挙げられた中のお一人なのだ!代替フロンの御研究、パチャウリ議長からの証明書を持って。
  
写真中は、日本女子大の多屋淑子先生は宇宙飛行士の土井さんも着た宇宙服を研究開発(防汚機能が高い)。
写真右は青森ご出身でキープラネット代表理事の川野真理子さん「今度は青森でねぶた祭りの時に開催しましょう」と
多種多様な方々の集まりで、お食事会は盛り上がった。

この会は、桜が咲く頃に開催されるので「お花見の会」という事になっているが
レストランでのお食事なので、私は始まる前に四ツ谷駅傍の土手の桜並木を眺めてきた。
  
場所取りの青いシートが敷かれ、仕事帰りの花見客を待つばかり・・・ 右、駅前ロータリーの枝垂れ桜も満開だった。

INAX、2008年新商品&リフォームフェア

2008年04月02日 | 住宅業界
INAXが4年ぶりに自社ショールーム以外の会場(東京国際フォーラム)で新商品発表会を開催した。
発表会のテーマ「結ぶ」を会場デザインなどで表現、エンドユーザーも含め1万人が集客目標。
 川本社長からは
新商品のポイント、「質の追求」を防汚技術・抗菌技術・静粛性の技術と共に質の高い空間提案の紹介があった。

新商品の目玉であるキッチン『クランピアッセLuxe(リュクス)』について羽芝部長からプレゼンテーション。
[C型プラン]で、作業負荷30%カットのキッチン作業性とリビングの居住性を両立するプランという事。
想定スペースは、リビング+キッチン=20畳以上。リクルートの調査では注文住宅の平均値がLDK合計で20畳前後なので
別途ダイニングを取れる余裕のある戸建層となると、ターゲットが絞られるプランである。
 
カップルによる寸劇で特徴を紹介!二人でも使いやすい事、カウンターごしの距離感950㎜が居心地の良さとアピール。
 「収納も多いね、シンシア!」プレスの前ではやり難そう・・・

こちらはI型対面のプラン。こちらが販売的には中心のプランになりそうだ。
‘リビングゲートカウンター’と名付けた部分とキッチン本体・対面側を別々にセレクトできる507通り! 
                     右:このミニチュアでカラーコーディネートを好きに組み立ててみる
 
こちらにもキッチン面材のカラーがズラリ、右は手元が見えないタイプのカウンターキャビネットの『ist』。
 

次はトイレのコーナー。6月の新商品『REGIO』、『SATIS』より上級の高級トイレ。予定価格54万円。黒陶器でゴージャスに。静音性がUp。
  
こちらは『筆の美』シリーズ。トイレ56.8万円。京都・清水焼の流れをくむ絵付師による伝統美。
 

お馴染み『エコカラット』のコーナーでは霧吹きで湿気の吸収を実演。『くるりんポイ』CM出演の「ご安心ください INAXの森田です」と。
 

リフォーム強化戦略で、マンション・リフォームのコーナーも設けた会場。さて一般ユーザーの方は何にどんな反応を見せたのだろうか。