☆十勝・池田の炭焼き小屋前☆
6月8日、当日お茶会の舞台は、僅かに小雨降る里山で幕が上がりました。新緑に包まれウグイスの声、時々カラスも仲間を追いかけながら向こうの空へ飛び去っていく…十勝に住みながらも、忘れていた6月の豊かな自然を私は思い出していました。やがて、赤い車を先頭に、くねくねと曲がる細道を上がりながら、炭焼きの里へ30余名のお客様が集まって来ました。晴れて良し!降っても良し!の気の張りを感じる近藤先生と家常さんが、お客様をお出迎えしていました。
里山は、草木の香と合わさり、焙烙で茶葉を炒る芳ばしい香。しゅんしゅんと薬缶の湯をたぎらせている赤くおきた炭の香に満たされていきました。四方豊かに葉を繁らせたニレの大樹の下、近藤先生のお手前が始まりました。茶碗にお茶を注ぐごと、鴬が「ホーホケキョ」と鳴く…この自然に同化した豊かなひと時、脇を締め、お茶に感謝して”氣‘を自分の芯で受けとめ戴く。口から喉へと、ゆっくり芳しく甘みのある自然茶が落ち込んでいきました。お茶席には近藤先生の魂の友ジャズシンガーの黒岩静枝さんがおみえでした。
お茶会が終わり、お客様が席を離れた後、近藤先生は一人席に座っていました。後ろには溜め池があり、時折小さな水の輪が出来ては消え、風を受けては波だっていました。ニレの大樹は急に明るくなり、”氣‘を解放しているようでした。先生もまた樹下で〝氣‘を解きほぐし、緑の景色に溶けて見えました。
夜は導かれるままに、黒岩さんのライブへ参加しました。この日は、日中は近藤先生により静の魂が、夜は黒岩さんの熱い動の魂で心が揺さぶられた一日で幕が下りました。
通り過ぎた様々な景色の中に、炭焼きの里の計良和政さんと文子さんの笑顔、そして、里山の帰り道に見かけた野辺のアヤメの一群が目に浮かびます。
(第58号 季刊誌・みちしるべ 9月25日発刊より)
昨年のお茶会の様子を友人の紀子さんが取材してくださいました。紀子さんは、我が愛する宮澤賢治さんの事務局をなさっています。kenji新聞やほか事務などを受け持ってくださり、みんなのお姉さん的、お母さん!?的存在でもあります。
おつき合いもお父様のときからですので、本当にわたくしを見守り続けてくださる大切な方です。
今回は、わたくしの我がままで、季刊誌の原稿依頼を快諾してくださったのでした。
流石です。美しい表現その文章は細やかな、情景がそのまま切り取られているようです。
カメラを抱え、メモを離さず、朝早くから夜遅くまでおつき合い下さいました。再び感動が蘇えり泣きだしたい衝動にかられます。
この場をお借りして、再び感謝をお伝えさせてください。
冬の炭焼きの里は、どのような姿でわたくしたちを迎えてくれるのでしょうか。
立春・2月11日11時~15時・今年、初ターシャお茶会(池田炭焼きの里開催)
『炭と魔女たちの茶会』にさきがけて・・・・・合掌