わたしが学んだ「食べること、料理の事」
■
わたくしが、「食べること、料理をすること」がとても大切なことであり、
人として豊かに生きる事である。
と学んだのは学生時代居候をした叔母からでした。
そしてもう一人、30代の子育て中に出逢った方がおります。
十勝で郷土料理を伝え続けていた、味の銀行の早川美津子さんです。
叔母は仕出し屋の娘。早川美津子さんは士幌の開拓農家の娘さんでした。
2人から、共通して学んだことは、大切な家族のための食事でした。
■
手をかけ、心をかけるのが、料理の基本。
山菜料理・穀物・野菜などをふんだんに使うこと、
特に季節感にあふれた食卓を、
いつも心がけていたことは共通していました。
今は、2人とも天国から私を見守ってくれています。
もちろん、母や祖母からの大切な味は、愛情表現そのものでした。
まるで、結論を先に申し上げているようですが、
きっと大切なことは、すべて、すぐそこに。
=身の回りに、ある。と言い切れると思います。
農業王国十勝に生まれた私たちは、
まず、恵まれた環境に感謝をしなくてはいけませんよね。
いまでは、南で作られていた野菜たちも身近なものになっています。
たとえば、ゴーヤやソラマメなどは本州のものでした。
わたくしのうちの庭でも、山椒や茗荷が育っています。
お料理を自分のものにするには、唯々作ってみる事、
そして自分が一番喜ぶものに仕上げて、
家族や友人に食べて頂くことです。
感謝して、残さず、美味しく頂くことです。
このようにまず、身近なところから、
「食」のことを大切に考えてみて下さいますか?
たくさん作りすぎた場合は? 再利用を考えたり、お裾分けしたり、
決して捨てないことが大切だと思います。
■
今年の5月に、
青森酸ヶ湯温泉で佐藤初女さんの集いに参加させて頂きました。
93歳の初女さんから「おにぎり」の実演をしていただき、
講演を拝聴してまいりました。
今もお元気に、舞台で包丁さばきを見せてくれるほどでしたが、
今でもいただいて美味しかったものは、
自分で何度も試作して、納得のできるものに仕上げていくそうで、
食に対する関心は、ますます年々盛り上がっているそうで、
今年の4月にも、新しい料理本が出来たばかりでした。
その中には、若い奥さんにごちそうになった、
覚えたての味の一品が掲載されていました。
なんて、素敵でやわらかい発想なのでしょうか?
初女さんは作り方を聞いて何度も繰り返し作って、
ようやく自信をもって皆さんにお出しできるようになったそうです。
■
わたくしは、お茶の美味しさや淹れ方をお伝えしていますが、
最近特に変わったことは、自分に向かうということです。
料理であれば、精進料理に通じるのかもしれませんが、
数年前に自然茶にも出会いました。
畑で育っていない山間の自然茶です。
ミネラルたっぷりの苦渋味のあるお茶ですが、
本来あるべき姿の味わいが特に強調されるような力強いお茶です。
栄西禅師が『喫茶養生記』の中で、
茶は、養生の仙薬、延命の妙薬と書いていますが、
「自然茶」はまさに薬草のようなお茶なのです。
■
食では道元禅師が典座教訓の中で、
「五法、五味、五色でもてなす」という基本の考え方が、
日本料理の根幹になっているといってもいいと思います。
「五法」は調理法のことで、生、煮る、焼く、揚げる、蒸す。
「五味」は甘味、塩味、酸味、辛味、苦味の意こと。
さらに道元禅師は「淡味」を加え六味としたそうです。
「淡味」は薄味の事ではなく、
素材そのものの味を生かす味付けの事なのです。
そして、「五色」は料理の色のこと、
白、黒、赤、黄、青(緑)をあらわします。
米、海藻、大豆、根菜、葉菜のほかに、
お膳の色、清潔さや食欲安心感と言って意味も込められています。
そして、もう一つ大事なことが、一つのお膳の中に、
同一の食材を二度使わないことのようです。
このように丁寧に作られたお膳を前に、
いただくこと自体もまた大切な心構えが必要なのではと思うのです。
作り手への感謝、自らの健康への感謝し、また願い、
いまあることのすべてをいただくその中には、
この時この場を大切に思うことなのではと思っております。
わたくし自身も、今あることが大切な出会いであり、
いまが未来へ繋がるすべてであると思っています。
これからもご一緒に学び合っていきましょう。
■
本日は、ありがとうございました。
合掌
ある夏の研修で茶戸庵弁当、お手製和菓子、お茶、茶器、持参の上、
食とお茶の淹れ方のお話をさせていただきました。
短い時間でしたが、皆様にお伝えする為、原稿を書かせて頂きました。
とても、懐かしく・・・熱心にメモを取りながら耳を傾けてくださった
皆さんの事思いだしていました。
帰り道、増水した川を渡る親子の鹿に会うことができました
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わたくしが、「食べること、料理をすること」がとても大切なことであり、
人として豊かに生きる事である。
と学んだのは学生時代居候をした叔母からでした。
そしてもう一人、30代の子育て中に出逢った方がおります。
十勝で郷土料理を伝え続けていた、味の銀行の早川美津子さんです。
叔母は仕出し屋の娘。早川美津子さんは士幌の開拓農家の娘さんでした。
2人から、共通して学んだことは、大切な家族のための食事でした。
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手をかけ、心をかけるのが、料理の基本。
山菜料理・穀物・野菜などをふんだんに使うこと、
特に季節感にあふれた食卓を、
いつも心がけていたことは共通していました。
今は、2人とも天国から私を見守ってくれています。
もちろん、母や祖母からの大切な味は、愛情表現そのものでした。
まるで、結論を先に申し上げているようですが、
きっと大切なことは、すべて、すぐそこに。
=身の回りに、ある。と言い切れると思います。
農業王国十勝に生まれた私たちは、
まず、恵まれた環境に感謝をしなくてはいけませんよね。
いまでは、南で作られていた野菜たちも身近なものになっています。
たとえば、ゴーヤやソラマメなどは本州のものでした。
わたくしのうちの庭でも、山椒や茗荷が育っています。
お料理を自分のものにするには、唯々作ってみる事、
そして自分が一番喜ぶものに仕上げて、
家族や友人に食べて頂くことです。
感謝して、残さず、美味しく頂くことです。
このようにまず、身近なところから、
「食」のことを大切に考えてみて下さいますか?
たくさん作りすぎた場合は? 再利用を考えたり、お裾分けしたり、
決して捨てないことが大切だと思います。
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今年の5月に、
青森酸ヶ湯温泉で佐藤初女さんの集いに参加させて頂きました。
93歳の初女さんから「おにぎり」の実演をしていただき、
講演を拝聴してまいりました。
今もお元気に、舞台で包丁さばきを見せてくれるほどでしたが、
今でもいただいて美味しかったものは、
自分で何度も試作して、納得のできるものに仕上げていくそうで、
食に対する関心は、ますます年々盛り上がっているそうで、
今年の4月にも、新しい料理本が出来たばかりでした。
その中には、若い奥さんにごちそうになった、
覚えたての味の一品が掲載されていました。
なんて、素敵でやわらかい発想なのでしょうか?
初女さんは作り方を聞いて何度も繰り返し作って、
ようやく自信をもって皆さんにお出しできるようになったそうです。
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わたくしは、お茶の美味しさや淹れ方をお伝えしていますが、
最近特に変わったことは、自分に向かうということです。
料理であれば、精進料理に通じるのかもしれませんが、
数年前に自然茶にも出会いました。
畑で育っていない山間の自然茶です。
ミネラルたっぷりの苦渋味のあるお茶ですが、
本来あるべき姿の味わいが特に強調されるような力強いお茶です。
栄西禅師が『喫茶養生記』の中で、
茶は、養生の仙薬、延命の妙薬と書いていますが、
「自然茶」はまさに薬草のようなお茶なのです。
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食では道元禅師が典座教訓の中で、
「五法、五味、五色でもてなす」という基本の考え方が、
日本料理の根幹になっているといってもいいと思います。
「五法」は調理法のことで、生、煮る、焼く、揚げる、蒸す。
「五味」は甘味、塩味、酸味、辛味、苦味の意こと。
さらに道元禅師は「淡味」を加え六味としたそうです。
「淡味」は薄味の事ではなく、
素材そのものの味を生かす味付けの事なのです。
そして、「五色」は料理の色のこと、
白、黒、赤、黄、青(緑)をあらわします。
米、海藻、大豆、根菜、葉菜のほかに、
お膳の色、清潔さや食欲安心感と言って意味も込められています。
そして、もう一つ大事なことが、一つのお膳の中に、
同一の食材を二度使わないことのようです。
このように丁寧に作られたお膳を前に、
いただくこと自体もまた大切な心構えが必要なのではと思うのです。
作り手への感謝、自らの健康への感謝し、また願い、
いまあることのすべてをいただくその中には、
この時この場を大切に思うことなのではと思っております。
わたくし自身も、今あることが大切な出会いであり、
いまが未来へ繋がるすべてであると思っています。
これからもご一緒に学び合っていきましょう。
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本日は、ありがとうございました。
合掌
ある夏の研修で茶戸庵弁当、お手製和菓子、お茶、茶器、持参の上、
食とお茶の淹れ方のお話をさせていただきました。
短い時間でしたが、皆様にお伝えする為、原稿を書かせて頂きました。
とても、懐かしく・・・熱心にメモを取りながら耳を傾けてくださった
皆さんの事思いだしていました。
帰り道、増水した川を渡る親子の鹿に会うことができました
そして、優しい眼差しをもって
ご指導くださったおばさまの
愛情を次の方に繋いでくださいね。
いつも、あなたのそばにいます。
学びのご縁を忘れずに大きな懐をもち
これからも精進してまいりたいと存じます。
合掌