"Joshua Spares Rahab" Gustave Dore
エリコの町の娼婦であったラハブの機転によりユダヤは戦いに勝った。ヨシュアの斥候が町の様子を探りに来たとき、匿ってこれを助けた。その後エリコの住民は 悉く ヨシュアの兵に虐殺されたが、彼女とその家族は、災禍を免れて 生き延びる ことができた。この顛末は、旧約聖書 ヨシュア記 第2章 に記されている。
ユダヤの伝説にも ラハブ(Rahab)の名がみられる。紅海に棲む、悪魔で、怪物である。
『 ヨシュア記 』 第1章 では、モーセ亡き後 ヱホバは、ヌンの子の ヨシュア に、「荒野および 此レバノンより大河ユフラテ河に至りて ヘテ人の全地を 包ね日の沒る方の 大海に及ぶ」 まで、その足の下に踏まれる土地は、すべて与えるとかたった。
娼婦ラハブは この話を信じていたと、旧約聖書には 記されてはいる。しかし、カネに転んで 「寝物語に聞かされた」 ヨシュアの 間諜の 法螺話を信じた、とするほうが リアリティがある。
007ではジェームス・ボンドが斥候で、ボンドガールがラハブで でもあろうか。日本などの稲作文明では、治水と統一的な共同作業の必要性から、規範の一体性が不可欠であり、抜け駆けや 裏切りは 御法度である。ところが、獲物を捕まえるか 殺すか が第一目的の 狩猟の文化では、目的達成のためには、なんでも合法化・神の思し召しと されてしまうのだろうか。
※ 『ヨシュア記』 の、wikipedia による記述は、こちら あります。