モー吉の悠悠パース留学絵日記

この日記では、パースでの留学生活での出来事を中心に、心象風景を交えて、写真とエッセイにより、絵日記風に綴っています。

2016年を振り返って- 卒業作品展示

2017-01-04 15:03:30 | 今日を旅する
2016年を振り返って
 Graduate Exhibition

 卒業作品製作は、一年を通しての作品集づくりのプロセスをまとめたビジュアルダイアリー、PHOTOBOOK、Videoの三点を提出することが義務とされていました。

 その最後をかざるのが卒業展示です。
 展示は11月22日から26日にかけて、学校の一番大きなGalleryで行われました。
 展示のために我々は、それぞれ5点のイメージを選択する必要がありました。5点は3年間に撮影したイメージから選び、テーマは一つである必要はありません。
 5作品を決めてから、印刷、Framingをしますが、今回は学校の技術者がプリントをしてくれ、Framingは業者にたのみました。カタログのデザインは、若いオージーグループが担当しました。作品のインストール、会場づくりは全員で楽しく行いました。






 オープニングデーの22日の夕方からは、セレモニーがあり、スポンサーの招待客、友人、家族、写真家などが沢山きて、会場は一杯になりました。
 クラスメートの若いオージガールたちは、ドレスアップし、華やかな服装で、恋人や友人達と楽しんでいました。

 Head Teacherのあいさつの後、生徒を代表してオージーガールのLさんが、お礼のあいさつをしました。
 彼女はクラス一番の人気者で、彼女がいるとクラスの雰囲気が明るくなります。21歳の若さですが、頭の良い、しっかりもので、このクラス展示会の書記を務め、いつもMeetingの記録を要領よくまとめ、みなに提供してくれていました。
 この日のあいさつもユーモアを交えた素晴らしいものでした。







 私の5作品は、これまでに取り集めた作品の中から、
 1  これまで展示会にだしていないもの 
 2  Cyanotype Photoのもの 
 3  Photobookのもの 
といった基準をもとに五点をえらんだものです。
 
 私はこの展示のためのキャプションとして、つぎのようなArtist Statementを添えることにしました。
Artist Statement

This exhibition is a compilation of the study on photography 
I undertook 3 years.
Each work shows a style that I am pursuing.

この展示は、3年間に培ってきた写真の勉強の集大成です。
一つ一つの作品は、私が探し求めているスタイルを示しています。

“Passing Maiko” shows the movement of time, not a single moment.
It is a main theme on my photography.

"過ぎ行く舞妓"は、一つの瞬間ではなく、時間の動きを表しています。
それは、私の写真についての主眼であるテーマです。

“Mirror Street” and “Rainy Street” show the existence in the street 
by light and shadow. 
Both works are selected from my photo book “ After Dream Before”. 

"鏡のようなストリート""雨のストリート"は、光と影によって、ストリートの存在たちを映し出しています。二つの作品とも、私のフォトブック"夢のあとさき"からのイメージです。

“Illusionary Maiko” and “Harmony” show nostalgic mood created 
by cyanotype.
Both works are selected from a series work by cyanotype 
“Remaining Longing”.

"幻想の舞妓"と、"和"は、青写真によって、ノスタルジックな情緒を醸し出しでいます。
二つの作品とも、青写真によるシリーズ作品"残された憧憬"からのイメージです。

It is only because of warmhearted value by my classmates and
 great support by my lectures that I could create these works.

これらの作品を創り上げることができたのは、先生たちの大きな助け、助言と、学友たちがあたたかく見守ってくれたことにつきます。

And now, I think on photography.
“Photograph is a fossil marked by light and time.”*
Each of these works shows a page of their history, 
and also the scenery in my mind’s eyes.

そして、今、写真について、こう考えています。
"写真は、光と時間によって記された化石である。"*と。
これらの作品の各々は、彼ら自身の歴史の一コマ、一コマであり、また、私の心の眼が捉えた風景でもあります。

In addition, photograph is created by photographer’s emotion.
That is exactly why image never separates people.
Photograph is just Universal Language.

付け加えて言えば、
写真は、写真家の感情、情緒によって創造されます。
それが、まさに、イメージが、決して人々を分け隔てないところの理由です。
写真は、まさに万人共通の言語なのです。

Since I arrived in Perth, four years had passed.
Even so, I didn’t know the city very well, but now I am sure I could 
come to know it through my photographs.

私は、パースに来て以来、四年になりました。
それでもなお、私はこの街をよくは理解していませんでしたが、今は、私の写真を通して、この街を分かり得たと、確信しています。

Now,  I greatly appreciate all of you and the Kamisama of photography.

今、私は、あなた方すべてと、写真の神様に深く感謝しております。   

Tatsuro
   *森山大道







 展示会に出品された作品群について、ギャラリーのオーナーからギャラリーの永久コレクションとして、三点を買いたいとの申し入れがありました。
 私の作品" Passing Maiko"も、幸運にもその中に選ばれることになりました。後日、200ドルが支払われるとのことですが、お金よりも、私の作品が、ギャラリーのコレクションとして飾られることの方が、大変嬉しかったので、私は自分のPhoto Bookを、オーナーにプレゼントしたところ、それも大変気に入ってくれ、それも、ギャラリーの蔵書として、展示してくれることとなりました。









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