日々是好日

撮った写真や思っていることなどを気の向くままに書いています。

新玉川温泉

2024-10-24 07:00:00 | 温泉・宿

秋田県仙北市には玉川温泉と新玉川温泉があります。

両方の宿の距離は約2km離れていますが、ともに同じ源泉が引かれています。

かつてはこの温泉の泉質が塩酸を主成分とした強酸性なので、ここで療養すれば病気(癌)やケガに効果があると評判になり、全国から大勢の病気の人が押し寄せてきたこともありました。

実はこの2つの温泉の経営者は一緒なのです。

それぞれの温泉に特徴を持たせていて、玉川温泉は湯治が主流の施設で、新玉川温泉はで『温泉山岳リゾート』をコンセプトにした施設になっています。

今回、初めてこの温泉に行くに当たって、どちらの施設がいいのか迷ったのですが、「新玉川温泉」の方を選んでみました。

 


 新玉川温泉に行くまでのこと

田沢湖駅前から玉川温泉行きの路線バスで約1時間、途中はほとんど乗降客もなく、新玉川温泉の玄関前に到着しました。

バスは満員状態でしたが、結局全員が新玉川温泉と玉川温泉が目的地だったようです。

 

山の中なのに、思っていたよりも大きくて立派な施設にちょっとビックリです。

温泉山岳リゾートと銘打っていますから、このようにおしゃれになっているのでしょう。

このバスの乗客はほとんどが「新玉川温泉」で降りました。

 

 チェックイン時のこと

バス1台分のお客が一気に押し寄せたのでチェックインも混み合うのかなとも思いましたが、受付のスタッフの人数も多く、要領も良くて、さすがにこのような状態に慣れているといった感じでした。

フロントでは温泉の入り方や岩盤浴についての丁寧な説明がありました。

温泉は強酸性なため、入り方に注意がいるようなのです。

それを書き記したものは部屋にも浴室にも貼ってありました。

 

[広々としたロビー]

 

[ロビーから見た中庭]

ロビーは広々としていて、売店もありました。

 

 今回の宿、写真はこれだけしかありません。

お風呂や食事など、あまりにも人が多くとても写真を撮れるような状態ではありませんでした。

それほど人気のある宿なのです。

 

 室内岩盤浴のこと

この宿には室内の岩盤浴があって、それも楽しみにしていました。

ところが9月まで無料だったのですが、10月からは有料(800円)になっていました。

利用時にはタオルと作務衣も借りなければなりません、それは両方で700円でした。

それでもせっかくだからと、時間を決めて予約しました。

1回の利用時間は50分間です。

予約時間ちょうどに岩盤浴へ、とてもきれいな施設なのですが、誰もいなくてちょっと拍子抜けしました。

きっと有料になったので利用する人が減ったのかもしれません。

ここは温泉が素晴らしく、それで満足するからわざわざ料金を払ってまで岩盤浴をしなくとも・・・といった感じなのでしょうか。

それに本格的に岩盤浴をするならば玉川温泉の方を利用したほうがいいと思うのかもしれません。

この岩盤浴は熱い温度と低い温度の場所が選べるようになっていました。

一番低い温度の場所を選んだのですが、ジワジワと熱くなってくる間、つい眠ってしまいそうになるほど気持ち良いものでした。

 

 部屋のこと

大きな施設なので、A館からD館まで分かれていました。

今回泊ったのがC館の和室でした。

部屋まではエレベーターを乗り継いで、最初はちょっとわかりにくかったけれど、すぐに慣れました。

部屋は広々した和室に次の間があって、既に布団が置いてあり、自分で敷くようになっていました。

アメニティ類も十分に揃っていて全く不自由はありませんでした。

 

 温泉のこと

思った通り、『最高の温泉』でした。

この宿はやっぱり温泉がポイントで、人気があるのが分かります。

浴室は広く、雰囲気は東北地方の湯治場そのもの。

写真は公式ホームページよりお借りしました。

実際にはもっと暗いイメージです。

全部で14種類のさまざまな湯船がありました。

源泉100%、源泉50%、あつ湯、ぬる湯、気泡湯、箱蒸し風呂、座り湯、露天風呂、等々・・・

飲泉もできましたが、すご~く薄めないととても飲めたものじゃありませんでした。(38倍に薄めるのだとか)

温泉は 98°と高温でpH1.2の強酸性、日本一の強酸性泉のようです。

更に硫黄臭と微量のラジウム放射線が含まれています。

入った瞬間からピリピリとした感覚でした。

温泉の入り方は浴槽によって5分とか10分とかレクチャーを受けましたが、やっぱりそれ以上は無理。

想像以上に刺激的で、それでもピリピリが慣れてくると気持ちよくなってしまい、クセになってしまうのです。

各湯船には短い時間しか入っていないのですが、体が芯から温まったのが感じられ、湯上がりの肌はスベスベになっていました。

 

 食事のこと

夕食、朝食ともにバイキング方式でした。

夕食は開始時間が15分ごとに細かく区切られていたのですが、広い食事会場なのにずっと満席状態。

決められた時間に行っても席が空いてなく、待たされたりしました。

人数が多いせいか、料理に群がったり、大声で話していたり、ウロウロしたりで落ち着いて食べることができません。

このような大型の宿ではしょうがないのかもしれません。

料理はきりたんぽ、いぶりがっこなどの郷土料理以外はそれほど特別なものはなくて、ありきたりの感がしました。

オープンキッチンのメイン料理は日によって違うようなので、当たり外れがあるのでしょう。

泊った日はキノコの天ぷらでしたが、次の日はステーキとなっていました。

場所の広さなどもありますが、料理の並べ方にももう少し工夫があれば、大勢の人が群がらなくともすむようになるかもしれません。

 

 その他のこと

新玉川温泉と玉川温泉間の送迎バス「湯めぐり便」があるので、どちらかの宿に泊れば送迎バスで行き来して両方の大浴場が利用できるようになっています。

 

 昔からの湯治宿を現代風にしたような感じで、思っていたよりも大型な施設でした。

日本一の強酸性の温泉は、想像以上に刺激的だったのですが、とっても良い温泉で、”クセになってしまうような”、”また来たくなってしまう”ような温泉でした。

温泉さえ堪能できれば、他のことはあまり気にしないというような人にはオススメの宿だと思います。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

老神温泉「亀鶴旅館」

2024-10-14 07:00:00 | 温泉・宿

念願の「亀鶴旅館」に行ってきました。

この宿はとっても評判が良くて、以前から気になっていて、いつか絶対に行ってみようと思っていた宿でした。

群馬県の老神温泉にある、亀鶴旅館----「きかくりょかん」と読みます。

 

看板を見て、ここが旅館だと分かるのですが、玄関は普通の民家のような感じでした。

この宿のチェックイン時間はちょっと遅くて、17時からになっています。

ところが、予約サイトを通さずに宿に直接予約すると少し早く、16時半にチェックイン出来るのです。

30分の差がどのように違うのかは分かりませんが・・・

 

玄関を入ると、館内はところどころリノベーションされているようで、外観の古さとは全く違った様子でした。

全体が落ち着いた色になっていて、調度品もアンティークなもので揃えてありとってもオシャレ、そして磨き上げられた床など、清潔感がいっぱいでした。

すぐに可愛い奥様が出迎えてくれ、館内の案内をしてくれました。

1階のロビーではコーヒーやお茶がいつでも飲めるようになっているし、談話室のような場所には無料で使えるマッサージチェアも置いてありました。

お風呂は2ヶ所、いつでも貸し切りで入れるようになっていて、入浴時の注意事項などの説明もありました。

 

[階段途中にある調度品]

 

部屋はすべて2階にあり、階段の途中から左右に分かれるようになっています。

この日のお客では一番乗りだったらしく、「どこでも好きな部屋を選んで下さい」と言われたので、右側の階段の方を選びました。

この宿は部屋にはトイレがありません。

2階に1ヶ所だけ、共同トイレがあるのですが、そこが右側だったからです。

部屋はシンプルで、テーブル、小さな冷蔵庫、扇風機、和箪笥があるだけで、布団は既に敷かれていました。

 

さて、荷物を置いて、すぐにお風呂です。

先ほど説明があったとおり、貸し切り風呂が2つもあります。

1回50分まで利用できて、空いていれば入れるという仕組みになっていました。

客室数は4部屋だけなので、いつでも空いているといった感じでした。

 

[小さい方のお風呂]

石造りで湯船は1つだけ、少し熱めのお湯でした。

 

[大きな方のお風呂]

湯船は2つ、”熱湯”と”ぬる湯”に分かれていました。

 

この宿の温泉は老神温泉では最高の泉質と言われている『老神7号泉』が掛け流しになっています。

成分表にはアルカリ性単純硫黄泉、PHは8.5と書いてありました。

泉温が58℃もある源泉をそのまま入れているので、少し熱めですが、水を入れてしまうと薄まってしまうとのことで、湯船ごとに温度を変えているようです。

脱衣所にはバスマットが数枚置いてあり、いつでも新しいものを使えるようになっていました。

こういった配慮は嬉しいですね。

 

温泉に入り、肌もスベスベになり、マッサージチェアにゆっくりと座った後は夕食の時間です。

夕食は1階の食堂でいただきます。

食堂はおしゃれで落ち着いた雰囲気になっていて、ヒーリングミュージックが静かに流れていました。

お客同士が顔を合わせないように配置されたテーブル、部屋の隅にはお茶、コーヒーなど自由に飲めるように置いてありました。

 

高級旅館の料理ではなくて、奥様の手作り料理です。

地元の野菜などをふんだんに使ってくれていて、郷土料理などもあり嬉しい限りです。

特にお米が美味しくて、思わず銘柄を聞いてしまいました。(地元のお米のようです)

ドリンクメニューもかなりお安くなっていて、自家製の梅酒ソーダ割りがおすすめです!!

朝食も同様に、小鉢がたくさん並び、ボリュームたっぷりで、朝から食べ過ぎてしまうほどでした。

 

「亀鶴旅館」のまとめ

この宿のコンセプトが”良質な温泉に浸かって美味しいものを食べ、静かにのんびり過ごす”ということでした。

その通り、とっても静かな大人の宿でした。

料金はリーズナブルでも、一流旅館に引けを取らない接客、最高の温泉など、間違いなくここは『お値段以上』の宿だと思います。

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

那須へ②---「休暇村那須」

2024-09-18 07:00:00 | 温泉・宿

「休暇村那須」を選んだのは、「特別おもてなし」プランがあったからでした。

『シン・モテナス』と題したそのプランのことは宿からのメールマガジンで知りました。

今まで宿を選ぶのは小さな宿からばかりだったけれど、今回はこの特別プランに期待して、この大きな宿を予約してみたのでした。

 

「休暇村那須」は『八幡のつつじ群生地』から少し上った所にありました。

駐車場も広く、大きな宿でしたが、建物はちょっと古さが感じられるような・・・

少し早めに着いたのですが、もう部屋は準備できているからと、対応してくれました。

そしてフロント脇のカフェでは数種類のウエルカムドリンクとドーナツが待っていました。

これも『シン・モテナス』プランの一つでした。

この宿の部屋数は全部で56室もあって、南館と東館に分かれています。

予約時に南館か東館を決めるようになってました。

初めてで勝手が分からなかったので、どの部屋でもいいと思い、安い方の東館を予約したのでした。

通された部屋は東館の一番奥、広い部屋でアメニティなどはすべて揃っていて何の不自由もありませんでした。

ただ、東館から大浴場に行くのにすごく遠かったのです。

エレベーターを乗り継ぎ、迷路のようになっている館内を歩きました。

大きくて広い宿ってこんなものですね。

後で聞いたら、リピーターは南館の方を選ぶとのことでした。

 

さて、お風呂です。

この日、ホテルは満館のようでしたが、お風呂は貸し切り状態で、誰もいませんでした。

大浴場では温度の違う大きな浴槽が2ヶ所、露天風呂が1ヶ所、洗い場も10ヶ所ほどあり、個々に仕切りがあって、使い勝手のよいものでした。

窓が大きくて、那須の山々を眺めながら温めのお湯にゆっくりと浸かりました。

 

露天風呂は少し高めの温度で、41°~43°に設定してありました。

この温泉は『大丸温泉』の3つある源泉のうちの1つ、「相の湯」を使用しているとのことです。

嬉しいことに、大浴場から出たところには湯上がりのアイスも置いてありました。

 

食事は夕・朝食ともビュッフェ形式でした。

実は、食事がビュッフェ形式の宿はツアーの時に何回か利用したことがあったのですが、どこの宿も同じ内容、無難な料理ばかりでつまらなくて、あまり好きではなかったのです。

ところが、この宿は違いました。

ありきたりの料理でなく、和と洋の創作料理、ご当地料理など、とにかく盛り付けもおしゃれで、品数が多いのです。

もちろん地元の素材も多く使われていました。

そして、時間を指定し、人数を制限しているので、混雑もなくてゆっくりと食事することができるように、気遣いがされていました。

あと、デザートは部屋に持ち帰ってもいいようにもなっていました。

このビュッフェならば十分満足です。

夕食後には夜食として『焼き芋』のサービスもありました。

 

あらゆる場所で”おもてなし『シン・モテナス』プランが効いているようで、チェックアウト時にはお土産に「リンドウ湖のミルクバームクーヘン」までいただきました。

(これは関東圏民限定プランに付いていたもの)

今回、この宿に泊まってみて、今までの休暇村に対して持っていたイメージが変わりました。

子ども連れや、家族旅行などにはオススメの宿かも!!

 

チェックアウト後は山を下り、定番の「鹿の湯」で日帰り入浴して、那須旅行は終わりました。

 

入り口からして既に雰囲気たっぷりです。

 

玄関から渡り廊下が続き、左側が浴室棟。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

湯宿温泉「大滝屋旅館」

2024-08-21 07:00:00 | 温泉・宿

湯宿温泉は群馬県みなかみ町にあり、『みなかみ18湯』の中の一つで、数軒の宿と共同浴場があるだけの鄙びた温泉です。

泊った宿は「大滝屋旅館」

この宿は、”つげ義春”の漫画『ゲンセンカン主人』のモデルとなっている旅館として知られています。

でも、現在の大滝屋旅館は”つげ義春”が宿泊した時とは違って、全館がリニューアルされているので、その頃の面影は全くないようです。

この宿は普通の旅館とちょっと違っています。

それは、接骨院が併設されているのです。

『泊ったすべての人に、少しでも体の調子を良くして帰ってもらいたい』というのが宿のコンセプトになっています。

だから温泉に入り、接骨院で体を揉みほぐし、一汁三菜で控えめな食事、これをウリにしています。

 


宿は10程前にリフォームしたそうなのですが、すべての場所がとてもきれいになっていました。

部屋はお風呂の隣にある小さな部屋を予約したのですが、ビックリしたのがトイレと洗面所でした。

部屋の割に広いし、とてもきれいだったのです。

今まで泊ったどの宿もきれいな洗面所、トイレが当たり前でしたが、ここはそれ以上だったのです。

今回の予約はマッサージ付きのプランでしたので、宿に着いてすぐに30分間マッサージを受けました。

ご主人が施術してくれました。

体が軽くなったら次はお風呂です。

お風呂は2ヶ所あり、広い方には男性用の”のれん”、小さい方には女性用の”のれん”がかかっていたのですが、空いていればどちらに入っても良いことになっていました。

入り口の戸が開いている時は誰も入っていないので、自由にお風呂に入れます。

ここでも廊下などがとってもきれいなのに驚きでした。

 

大きい方のお風呂「大滝の湯」。

この宿には2つの源泉が引かれていて、左の浴槽は大滝源泉(炭酸水素塩泉)で自家源泉、この宿独自の温泉です。

右の小さな三角形の浴槽が窪湯源泉(硫酸塩泉)で、湯宿温泉のすべての宿に引かれている源泉だということでした。

もちろん源泉かけ流し、大滝源泉は適温で長く入っていられたのですが、小さい方の窪湯源泉は熱くて我慢しながら入りました。

「お風呂掃除後に高温の源泉をそのまま浴槽に流し入れ、お客様が入る頃にはちょうど良い温度になるようにしています。」と、奥様。

日本に数ある温泉の中で『三大美人泉質』といわれているのが ①炭酸水素塩泉 ②硫酸塩泉 ③硫黄泉 です。

何と、この宿にはその内の2つがあるのです。

左の浴槽の炭酸水素塩泉は美肌効果(クレンジング効果)があるとされていて、肌に水分が浸透しやすく、ツルツルになるのが特徴。

右の浴槽の硫酸塩泉は、肌を蘇生し、皮膚に皮膜がつくられ、しっとりとした肌になるのが特徴。

だから、先に左の浴槽に浸かり、次は右に入ると肌がクレンジングされ、化粧水をつけたような効果が期待できるというものなのです。

効果があったかどうかは分かりませんが、3回も入ってしまいました。

温泉の感触としては表現が難しいのですがちょっと固めのお湯、それでいて湯上がりの肌はしっとりといった感じでした。

 

小さい方のお風呂「「薬師の湯」。

湯宿温泉の「窪湯源泉」、こちらは硫酸塩泉です。

やはり温度は少し熱めでした。

 

次に食事のことです。

食事は夕食、朝食とも2階の広間に用意されていました。

大広間でもそれぞれのお客さんが見えないように配慮され、衝立が置かれていました。

夕食は上州麦豚の陶板焼きをメインに鯉の洗いのおさしみ、煮物、最後のお蕎麦、デザートまですべて手作り料理でした。

奥様が一品一品の料理の説明もしてくれました。(写真は撮り忘れてしまいました(_ _))

宿のコンセプト通りの一汁三菜の控えめな食事でしたが、どれもとても美味しく、年寄りにはちょうど良い量だと思います。

豪華な料理を期待されている人にはちょっと物足りないかもしれません。

でも、予約時にはこのプランを提示されていますから・・・

 

 今回、温泉に入りたくて急に思い立ってこの宿を決めたのですが正解でした。

マッサージまでついているのにリーズナブルなこと、気持ちの良い温泉、控えめで美味しい食事など、すべて満足しました。

交通の便も悪くないし、宿の方針に共感する人であればオススメかもしれません。

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

大人の休日倶楽部パスで温泉巡り③---雲母温泉「高台の宿 寿荘」

2024-07-14 07:00:00 | 温泉・宿

今回の休日倶楽部パスは5日間使えます。

前日の羽根沢温泉から一旦自宅に戻ったのですが、残り2日間あります。

その2日間で雲母温泉に行くことにしました。

雲母温泉(きらおんせん)は新潟県北部、関川村にある”えちごせきかわ温泉郷”の5ヶ所ある温泉のうちの一つです。

”えちごせきかわ温泉郷”は飯豊山地を源流として日本海に流れる荒川沿いにある温泉です。

雲母温泉には以前は数軒の宿があったようですが、現在は2軒だけしか営業していません。

その内の1軒、「寿荘」に宿泊しました。

 

新潟から羽越本線で坂町まで行き、坂町から米沢までは本来ならば『米坂線』があるのですが、2年前の豪雨で被災してからはずっと運休していて代行バスが走っています。

運休区間は坂町から今泉まで、その先の米沢までは通常運転をしています。

代行バスを越後下関駅で降り、宿の送迎を断って、旧越後米沢街道を歩きました。

街道沿いには国の重要文化財の『渡邉邸』があるので、そこを見学するためでした。

渡辺邸は江戸時代の豪農の館として、3000坪もある広大な屋敷です。

他には誰も見学客がいなかったので、ゆっくりと屋敷全体を見て回れました。

そして、その大きさに圧倒されつつ、釘隠しの飾りものなど、さまざまな細かな手法に感心したりしながら、日本伝統の木造建築の素晴らしさを十分に堪能させてもらいました。

屋敷の中にある土蔵群や庭園なども見学しました。

[渡邉邸入り口]

 

[渡邉邸庭園]

 

渡邉邸から「寿荘」までは徒歩15分ほどです。

その間、米坂線の線路沿いを歩いたのですが、2年間放置されたままの線路が草ぼうぼうになっているのを見て、気の毒になってしまいました。

このまま廃線になってしまうのでしょうか?

 

寿荘は「高台の宿 寿荘」という名の通り、国道113号線から山側の高台にありました。

玄関に入った瞬間からアットホームな感じの宿で、スタッフがとても気さくに対応してくれました。

総部屋数は6室、すべて違った趣向の和室のようで、案内されたのは2階「さくらの間」、ベッドの部屋でした。

とても広く、洗面台は付いていましたが、トイレは外で共同でした。

この宿は部屋数の割には広く、廊下などには昔の調度品が置いてあったり、ちょっとしたスペースには必ず花が飾ってありました。

これは女将さんの趣味のようでした。

全体にすっきりとしていて、隅々まで掃除が行き届いている、といった感がありました。

[寿荘・館内]

 

宿に入るといつも真っ先に温泉です。

お風呂は2ヶ所、それほど大きくはなかったのですが、窓が大きくて明るい浴室でした。

湯船からはもったいないほどお湯が溢れていました。

源泉掛け流し、少しぬるめで無色透明のお湯、源泉温度が高いため加水しているようでした。

泉質はナトリウム-塩化物・硫酸塩泉(低張性 弱アルカリ性 高温泉)となっていたので、特別取り上げるほどのこともないお湯だと思ったのですが、とんでもなかったのです。

入った途端、肌にまとわりつくようなお湯のように感じられました。

優しいお湯、という表現がピッタリのお湯だったのです。

どの成分が効いているのか分かりませんが、いつまでもそのまま入っていたいようなお湯でした。

お風呂から上がってからもずっと、肌がスベスベになっているのが分かりました。

 

風呂上がりは食事です。

魚介類と山菜が中心のメニューでした。

 

魚は料理長が、岩船港まで買い付けに行くらしく、とっても新鮮なものでした。

この宿の名物は「鯛のカブト煮」だそうで、ちょっと甘く煮付けてあって、おいしく頂きました。

山菜はタラの芽を保存したものなど、すべて手作りされたものでした。

食べきれないほどの量に味付けも年配者向けに優しくしてあり、大満足でした。

 

帰りはご主人が駅まで送ってくれました。

大きくてかしこまった宿よりも、アットホームな宿が好きな人にはオススメです。

 

 5日間のJR東日本の電車乗り放題もこれで終わりです。

次の予定は10月です。

気の早い話ですが、今からどこの温泉にしようかと考え中です。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする