小さな公園ではすでに「ミツマタ(三椏)」の花が咲いていた。
ちょっと早いような気もする。
ミツマタの木は必ず同じ場所から3本の枝が伸びる、常に3本セット。
これが名前の由来。
漢字では「三又」か「三叉」と書くものだとずっと思っていた。
でも、これらの漢字も使うが「三椏」の方が一般的となっているらしい。
「椏」という文字の意味は木の枝が分かれるところで、この文字は訓読みでは「きのまた」と読む。
ミツマタは秋になると葉が落ち、春になり新しい葉が出る前に枝先に花だけが開花する。
花は小さなものが集まって蜂の巣に似たような形で、半球形になっていく。
この小さな花には花弁はなく、花弁のように見えるのは筒状の萼の先端が4つに裂けて反り返ったもの。
この木の樹皮は強い繊維質なので、良質の紙の原料として、紙幣などにも使われているのは有名な話。
また、枝の表皮を剥いで乾燥・漂白加工したものは、生け花やアレンジメントなどによく使われている。
ずっと昔、生け花の花材としてこの木を使った時に、どの枝も3つに分かれているのが不思議だったことを思い出した。
小さな公園の近くには赤色の「アカバナミツマタ(赤花三叉)」の大きな木もあるが、まだ咲いていなかった。
もうじき咲くと思うと、春が近づいてきているようで、嬉しくなってくる。
[去年の3月中旬に咲いていたアカバナミツマタ]
学名:Edgeworthia chrysantha
英名: Oriental paperbush
科名・属名:ジンチョウゲ科 ミツマタ属
原産地 :中国・ヒマラヤ