田んぼのような湿地に「ガマ」だけが見えた。
フランクフルトのような花穂がみごとだった。
目の前にこのような光景が見えたら誰でも一瞬、立ち止まるんじゃないかな?
本当にフランクフルトそっくりで思わずにっこりとしてしまう。
ずっと花が咲いた後にこの穂ができるんだと思っていた。
それで、何日か観察してみた。
最初は上部だけ茶色い花?が固まっていた。
下部はまだ緑っぽい、でも上下の区別ははっきりしていた。
上部の花は開き、下部も茶色になってきた。
上部はほとんど枯れて、下部がしっかりと穂になってきた。
まさかこの穂がすべて花だったとは・・・
フランクフルトの棒の先のように、穂の上部にあるものが雄花。
うまく出来ているもので、ガマは自家受粉を避けるために、雄花が先に開花し、雌花は雄花が散ってから開花する。
そして、ガマは風媒花なので、雄花の花粉は少しでも遠くへ飛ぶように上部に配置されている。
雄花が終わって、棒状の軸だけになったら下部に雌花の穂ができる。
これが「ガマの穂」と言われているもの。
茶色になっている部分はすべて雌花、触ってみると出来たての穂は結構しっかりとしていて硬かった。
それがだんだんと柔らかくなりふわふわになってくる。
秋になって果実が熟すと穂から綿のように飛び散るのが「蒲の穂綿」。
秋まではもう少しなのに、1本だけ穂綿になっていた。
学名:Typha latifolia
英名:Broadleaf cattail, Bulrush
別名:ミズクサ(御簾草)、キツネノロウソク(狐の蝋燭)
科名・属名:ガマ科 ガマ属
原産地 :インド
因幡の白兎
この神話には「蒲の穂綿」が出てくるんですよね。
あらすじをサクッと・・・
ある日、因幡の国のうさぎはサメにウソをついて向こう岸に渡ろうとしました。
でも、だまされたことに気づいたサメは怒ってウサギの皮を全部はがしてしまいました。
痛くてウサギは泣いていました。
そこへ大国主命という神様が現れ、「真水で体を洗い『蒲の穂綿』の上で転がるように」と言いました。
そうしたらウサギの毛皮が復活しました。