大きな公園では冬になると毎年、松の木に「雪吊り」をしています。
でも、この辺りでは雪を見ることはほとんどありません。
だから、この「雪吊り」は飾りのようなもので、公園の中にある和風庭園の景観を楽しむために行われているのだと思います。
以前にも取り上げたこともありますが、「雪吊り」について再掲します。
雪吊りには基本的に3つの様式があって、それぞれに、北部式、南部式、兼六園式という名前が付いているようです。
雪吊りしてある松の木の脇に、それぞれの方式の説明書きがありました。
画像と共にその説明書きの内容も書き移してみました。
① 北部式
帆柱の先端(ボンデン)に、ワラボッチを被せて装飾がされている。
丸竹(かんざし)を笠の骨組みのように樹幹から放射状に取り付け、その外端にまわしぶちとして割竹を取り付け、割竹に吊縄を結びつける。
装飾的要素が大きい。
② 南部式
帆柱の先端(ボンデン)に、吊縄の上端を編んだ「馬簾(ばれん)」と呼ばれる装飾がされる。
丸竹(かんざし)を笠の骨組みのように樹幹から放射状に取り付け、その外端にまわしぶちとして棕櫚縄をまわし、そこに吊縄を結びつける。
装飾的要素が大きい。
③ 兼六園式(りんご吊り)
帆柱の先端(ボンデン)は荒縄を巻き付け、飾りいぼ結びを左右と先端の3箇所に施す。
縄の先端は直接木の枝に結びつける。
装飾的な要素も含むが、北部式・何部式に比べ、より実用的である。
北部式と南部式の違いは下部に竹を回すか、棕櫚縄を回すかの違いだけで、あとはほとんど同じのようです。
兼六園式は、北陸地方は雪が多いため、枝を守るために実用的になっているのかもしれません。
どうしてこのような違いがあるかについて調べてみました。
北部式と南部式があるのは、かつて東京都建設局に北部公園緑地事務所と南部公園緑地事務所があって、それぞれが兼六園方式を模倣して独自に作りだしたということでした。