明礬温泉にある「御宿ゑびす屋」はお風呂自慢の宿です。
広い敷地に3階建ての日帰り温泉施設「湯屋えびす」と2階建ての宿泊施設「御宿ゑびす屋」があり、それぞれ行き来出来るようになっています。
坂道を上手に利用していて、上の玄関から入ると日帰り施設、下の玄関から入ると宿泊施設なのです。
宿泊する「ゑびす屋」は和風の落ち着いた玄関で、全体的に和の雰囲気でした。
[玄関]
[フロント横の飾り]
総部屋数は8室、本館と別館があって、通されたのは本館の2階でした。
部屋はドアを開けたらすぐに洗面とトイレです。
その先の仕切りのドアを開けてビックリ(゚ω゚)
ロフト付きの和洋室ということだったのですが、とってもモダンな、今まで見たこともないような部屋の造りでした。
玄関から続く和の雰囲気はどこへ行ったの? この部屋の和室はどこにあるの? といった感じの部屋だったのです。
広い小上がりがあって、そこに布団が敷いてあり、更にその上にロフトがありました。
ロフトもすごく高い位置にあって、上るのに苦労するほどでした。
窓際には腰高のソファ代わりの広いスペースがあって、その下の扉を開けると収納庫になっていました。
畳や座卓があるのが和室だと思っていましたが、そうではないようです。
その他には壁掛けテレビがあるだけのシンプルな部屋でした。
昔ながらの宿を数年前にリニューアルしたのだそうです。
部屋の窓からは別府湾と別府大橋が見えました。
早速、宿自慢の温泉です。
隣にある温泉棟には一旦外に出て、履き物を履き替えて行きます。
3階建ての温泉棟は1階と2階がお風呂、3階はカフェとか休憩スペースになっていました。
温泉棟は日帰りの「えびすの湯」のお客と一緒になりますが、この時は一般の日帰り客は誰もいなく、拍子抜けした気分でした。
宿泊客もまだ誰もいなく、広いお風呂を独占できたのです。
お風呂は奇数日と偶数日で入浴できる階が変わります。(奇数日は1階露天が女性、2階内湯が男性。偶数日はその逆)
泊った日は奇数日だったので1階のお風呂でした。
1階のお風呂の方がメインのようで、内風呂、露天風呂、一人用のお風呂、蒸し風呂などがありました。
明礬温泉といえば、白濁していて独特の硫黄臭がする硫黄泉だと思っていましたが、「湯屋えびす」にはもう一つ無色透明な弱アルカリ単純泉もありました。
半露天のような内風呂。
内風呂から続く広い露天風呂と奥には箱蒸し風呂がありました。
露天風呂の脇には1人用のお風呂が3ヶ所。
ここは高台にあるので、別府湾や別府大橋が見える景色を楽しみながらゆっくりと入りました。
内湯から露天風呂に続く階段の途中にある建物の中には八角型の檜の浴槽があって、無色透明の単純泉のジャグジーになっていました。
翌日は偶数日なので2階のお風呂に入りました。
内風呂と半露天風呂が数ヶ所あり、ここも硫黄泉と単純泉の2種類の泉質のお風呂、ゲルマニウム石を使用しているお風呂もありました。
2階の内湯も湯船は大きいし、とっても良かったのですが、やっぱり1階の開放的な露天風呂にはかないません。
さて、夕食です。
食事は宿泊棟の1階にあるおしゃれな食事処でいただきました。
このあたりの名物料理は温泉の蒸気を利用した蒸し料理です。
蒸気が出ている調理場所を「地獄釜」、そこで蒸してつくる料理を「地獄蒸し」と呼ぶのだそうです。
食事処から見える庭には「地獄釜」が見え、モクモクと白い湯気が上がっていました。
[地獄釜]
[地獄蒸し]
夕食は蒸し料理のワンプレート、鶏のスープ、デザートでした。
”地獄蒸し”は大きな蒸し桶の中にたくさんの種類の野菜、鶏肉や魚、ちまきなど、全部で30品目ほどがきれいに盛り付けられて入っていて、これらを3種類のつけダレで食べました。
思った以上にボリュームがあって、食べきれないほどでした。
でも、美味しいのですが、正直なところ飽きてしまいました。
それに、小さなちまきが1個あるだけで、ご飯がありません。
よくある会席料理とは全く違って、郷土料理を前面に押し出した夕食でした。
朝食も、郷土料理のだんご汁とおにぎりをメインにしてありました。
だんご汁の味付けがとっても良くて、美味しくいただきました。
この宿はお風呂自慢の宿だと謳っていましたが、その通りだと思いました。
特に1階の露天風呂は気に入りました。
スタッフも丁寧で親切、とても居心地のいい宿で、別府の郷土料理を食べてみたい人にはお勧めの宿だと思います。