世界には美しい村というのがたくさんあり、フランスを中心に日本も含めて6ヶ国が「最も美しい村」協会に参加している。
そのうちのスペインで最も美しい村の一つにサンティジャーナ・デル・マルがある。
サンティジャーナ・デル・マルはスペイン北部サンタンデール州の州都サンタンデールから西へ30kmほど内陸に入ったところにある。
スペイン語でマル(mar)は海、でもここには海はないのが不思議。
中世の雰囲気が残り、ゆっくり歩いても半日ですべて回れるような小さな村だが、ヨーロッパでは有名な観光地として知られているようで、パラドールも2軒ある。
美しい村と言うよりもかわいい村と言った方がぴったりするようなところだと思う。
村の中心にはサンタ・フリアナ修道院があり、その回りを石畳でできた迷路のような道が囲んでいる。
[サンタ・フリアナ修道院]
ここだけが中世のまま取り残されているような雰囲気で、石造りの家の入り口には紋章が付いていたり、通り沿いの家のバルコニーはすべてが花で飾られていた。
そのうちの一軒の家にエアープラントがたくさんあったので、話を聞いてみた。
数年前に南米から誰かが持ってきたエアープラントが増えて、それを村の人たちで分け合った。
それで今ではほとんどの家に大きくなったエアープラントがあると言っていた。
ここまで大きくなるには数年かかるらしい。
少し分けてくれると言ったが、持ち帰れないからと断った。
[エアープラントがたくさんぶら下がっている家]
観光地なので、土産物屋やレストランも多くあるのだが、それらが全く派手な様子がなく、全体が落ち着いた街並みとなっていた。
[昼食をとったレストラン]
[街の様子]
[泊まったホテル]
かわいいホテルで、中の調度品なども歴史あるものが多かった。
街並みを歩いているだけで満足していたが、その中に「拷問博物館」というものがあった。
個人の家のような感じだったが、入り口には中世の騎士の甲冑を着た人形が立っていたので、面白そうに思い入ってみた。
拷問の道具がたくさん展示してあって、中には目をそむけたくなるようなものまであった。
良く考えてみたらこの村にはふさわしくないような気がした。
でも、館主と話してみたらすごく陽気な人だったので、中世をイメージしているこの村に遊び感覚で造ったのかもしれないと思った。
また、この村の郊外には有名なアルタミラ洞窟があり、今は博物館となっている。
そこまでの交通機関はないと言われたが、せっかくここまで来たのだからと、歩いて行くことにした。
30~40分ほどの道を歩きやっと立派な博物館に着いた。
現在、洞窟と壁画はレプリカとなって博物館の中に実在の洞窟のように造ってあった。
保存するためにはしょうがないのかも。
[アルタミラ博物館へ行く途中の道から撮った風景]
[アルタミラ博物館]
次の日にはサンティジャーナ・デル・マルから更に西へ20kmほどの場所にあるコミージャスという街に行ってみた。
ここもスペインの美しい村の一つで、ここへはバスが出ていた。
コミージャスにはアントニオ・ガウディ作のEl Capricioエルカプリチョ(気まぐれの家)がある。
正にガウディの建物といった感じで一見の価値がある。
今はミニ博物館のようになっていて、中を見学もできる。
[エル・カプリチョ]