ウォーキングコースにある造園会社の入り口、庭石で囲まれたスペースには中央にサルスベリが配され、その周りはグランドカバーとして「ヒメイワダレソウ(姫岩垂草)」が植えられていた。
ちょうど花の時期なので、小さなピンクの花が咲いていた。
「ヒメイワダレソウ」は上に伸びず、這うようにして横に広がるし、花も楽しめるので近年はグランドカバー用として販売されているようだ。
でも、「ヒメイワダレソウ」は植えてはいけない植物になっている。
それは生育力・繁殖力が強いため少しでも土があるとどんどん増えつづけてしまい、他の植物を枯らせたりして生態系に影響を与えてしまう、という理由かららしい。
それで現在では「生態系被害防止外来種リスト」に載っている。
これって、同じクマツヅラ科のランタナと似ている。
ランタナもこのリストに載っていたはず。
花の大きさは違うけれど、形はそっくりだし・・・
でも、「生態系被害防止外来種リスト」に載っていても、販売されているのだから駆除する気があるのだかどうだか。
学名:Lippia canescsns
英名:Lippia Carpet grass
別名:リッピア、リピア
科名・属名:クマツヅラ科 イワダレソウ属
原産地:ミクロネシア、ペルー
「ヒメイワダレソウ」の別名はリッピア、でも最近では『クラピア』という名前でイワダレソウの品種改良品が出回っている。
これはタネを作らないように改良されているので、増えすぎて困ったり、意図しない場所にタネが飛んだりするのを防ぐということで、芝生に替わる新しいグランドカバープランツとして導入しているところが多くなっている。
クラピアはまた、しっかりと根が伸びるので土壌の流出を防いだり、砂漠を緑化する目的などにも利用されている有能な植物にもなっているようだ。
クラピアを生みだした人が除草剤の研究者の『倉持仁志さん』、それで名前の倉持から「クラ」の文字を取り、リッピアと合わせて『クラピア』にしたらしい。
もちろんクラピアは「植えてはいけないリスト」には入っていない。
同じような花なのに片方は規制されている植物、もう一方は有能でどんどん推奨されている植物、いったいこの差は何?
倉持さんは10年以上もかけて改良品を生み出したらしいけれど、どんな魔法をかけたのでしょうね。
[クラピア]
花がそっくりなので、「ヒメイワダレソウ」と「クラピア」の区別は難しい。
見分け方として、開花時期はヒメイワダレソウの方が一足早く、花数はクラピアの方が多い。
また、ヒメイワダレソウのランナー(茎)は赤っぽく、クラピアに比べると細いなどの違いがある。