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自分の自分による自分のためのブログ。
だったけど、もはや自分の備忘録としての映画やドラマの感想しかないです。

ミュンヘン

2006年03月18日 23時00分34秒 | Weblog
なんだかんだでかなり観るの遅くなっちゃいました。
ミュンヘン。
スピルバーグです。

暗いお話ですね。
オリバー・ツイストは暗い中にも
オリバーにとっての楽しさや明るさなどもありましたが、
この作品はほぼないといっていいでしょう。
主人公にとって家族が唯一の拠り所となっているわけですが、
家族はあまり出てきませんしね。
ミュンヘン虐殺に関わった11人を次々と暗殺していってます。
主人公も人を殺していますが、
自身には劇中で第一子が誕生しています。
自分の身辺で新たな生命の誕生と、
人の人生を奪っていくことを同時に経験するとは、
一体どういう気持ちがするのでしょう?
謎です。

主人公は家族と離れて任務を遂行するわけですが、
いくら民族の血をかけた戦いとはいえ、
共に戦う仲間がいるとはいえ、
長い間、命を危険にさらしながら戦っていれば、
精神的にも肉体的にも辛いはずです。
事実、ラストの主人公はもう精神ズタボロでした。
その様子をしっかり表現できているあの役者さんもすごいです。

主人公が途中で家族に電話をかけ、
子供の声を聞いて涙するシーンがあります。
辛い任務の中で張り詰めていたものが、
子供の声を聞いたことにより、一気にゆるんだのでしょうか。
子供のいない僕にはわかりません。

ラスト、妻とのセックスの中で
ミュンヘン事件でテロリストたちに殺される選手たちの姿が、
銃撃戦で倒れていくテロリストたちの姿が、
フラッシュバックとして画面に映し出されます。
主人公は現場にいなかったため、
直接的な関係はないと思われます。
でもなぜセックスの途中にあのシーンを入れたのでしょうか。
観ていて不思議に思いました。

世界史の知識のないおバカな僕には、
○○人がどうとか、××人は△△人をどう思うとか、
人種や宗教のことは、正直よくわかりません。
主人公は最後、復讐のために人を殺しても、
平和が訪れることはないと悟っています。
人の死は人の死をもっては償えないということを
スピルバーグはこの映画を通して言いたかったのでしょうか。
それとも自分がユダヤ系で、この映画を通して、
歴史的な事件のあり様を今の世代に伝えたかったのでしょうか。
僕はそのどちらもあったと思います。
社会的な映画ですね。

何か問いかけばかりな感想ですね。

早くナルニアと県庁を観に行かなくては。