【個人的な評価】
2021年日本公開映画で面白かった順位:62/91
ストーリー:★★★☆☆
キャラクター:★★★★☆
映像:★★★☆☆
音楽:★★★☆☆
映画館で観るべき:★★★☆☆
【以下の要素が気になれば観てもいいかも】
ヒューマンドラマ
在宅医療
【あらすじ】
東京の救命救急センターで働いていた
医師・白石咲和子(吉永小百合)は、
ある事件の責任をとって退職し、実家の金沢に帰郷する。
そこで、久々に再会した父(田中泯)と暮らしながら、
「まほろば診療所」で在宅医として再出発をする。
「まほろば」の院長である仙川徹(西田敏行)は、
いつも陽気な人柄で患者たちから慕われており、
訪問看護師の星野麻世(広瀬すず)は、
亡くなった姉の子を育てながら、
自分を救ってくれた仙川の下で働いている。
2人は、近隣に住むたった5名の患者を中心に、
患者の生き方を尊重する治療を行っており、
これまで「命を救う」現場で戦ってきた咲和子は考え方の違いに困惑する。
そこへ、東京から咲和子を追いかけてきた
医大卒業生の野呂聖二(松坂桃李)も加わり、
「まほろば」のメンバーに。
野呂は医師になるか悩んでおり、
そして麻世もまた、
あるトラウマに苦しんでいた。
様々な事情から在宅医療を選択し、
治療が困難な患者たちと出会っていく中で、
咲和子は「まほろば」の一員として、
その人らしい生き方を、
患者やその家族と共に考えるようになっていく。
野呂や麻世も「まほろば」を通じて、
自分の夢や希望を見つけ、
歩みはじめた。
生きる力を照らし出す「まほろば」で
自分の居場所を見つけた咲和子。
そのとき、父が病に倒れる。
父はどうすることもできない痛みに苦しみ、
あることを咲和子に頼もうとしていた―。
【感想】
想像以上に面白くて、
涙なしには観れない映画だった。。。
東京で救急医として、
患者の病気やケガを「治す」ことが
当たり前の状況で生きてきた咲和子からすると、
なるべく「いつもと変わらない生活」を選び、
患者との向き合いが決して治療だけに限定されない、
むしろ「治療よりも優先すべきことがある」在宅医の環境は、
180度異なるもの。
それを目の当たりにしたとき、
医者の役目って治療だけじゃないのかもしれないなって感じたし、
もし自分が治療が困難な病にかかったらどうするかなーって思った。
1分1秒でも長く生きたいがために、
お金と手間をかけて最先端医療で少ない可能性に賭けるか、
別にあきらめるわけじゃないけれど、
必要最低限の処置で自然に身を任せるか。
まあ、時間とお金が吐いて捨てるほどあるなら
前者の選択肢もありかなとは思うけど、
残された家族のことも考えると、なかなか、ね。
この映画では、
様々な患者を描いているけれど、
患者本人だけでなく、
彼らを取り巻く家族にも焦点が当てられているのがよかった。
患者本人だけだと、
実際に病気になった人にしか共感が得られなさそうだけど、
家族であればより多くの人に共感が生まれるだろうから。
30代後半ともなれば、
少なくとも祖父母世代のお別れには
立ち会っている人もいると思うので、
僕もいろいろ思い出した。
自分の経験とは関係ないけれど、
個人的には泉谷しげるとその妻のエピソードが一番、、、きたわ。。。
ストーリー自体は特に目新しさがあるわけではないのだけれど、
やっぱりキャストの演技力に圧倒されるのがこの映画のウリだろうな。
吉永小百合に西田敏行、田中泯っていう大ベテラン勢。
特に、吉永小百合の年齢を感じさせない凛とした雰囲気は
スクリーン越しでもすごいと思った。
若手も松坂桃李の演技はよかったなー。
ちょっと笑えるポジションなのが、
この暗く悲しい雰囲気にいいスパイスを与えていたから。
戦隊ヒーロー出身で、
ここまで幅広い役を演じて、
しかも露出が多いのって彼ぐらいじゃなかろうか。
ラストの終わり方もね、
解釈が分かれそうなんだけど、
どちらにとっても納得できる形なのは、
いい演出だったよ。
ただ、年齢設定がちょっと気になりまして。。。(笑)
吉永小百合と田中泯って
同じ1945年3月生まれだから同い年なんだよね。
でも、作中では親子の役。
そうなると、吉永小百合が50代ぐらいの位置づけなのかなって。
そうなると石田ゆり子とのバランスが、、、っていう(笑)