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自分の自分による自分のためのブログ。
だったけど、もはや自分の備忘録としての映画やドラマの感想しかないです。

女性の自立と尊厳を確立する?『5月の花嫁学校』

2021年05月29日 21時17分15秒 | 映画


【個人的な評価】
2021年日本公開映画で面白かった順位:72/97
   ストーリー:★★★☆☆
  キャラクター:★★★☆☆
      映像:★★★☆☆
      音楽:★★★☆☆
映画館で観るべき:★★☆☆☆

【以下の要素が気になれば観てもいいかも】
ヒューマンドラマ
コメディ
フェミニズム

【あらすじ】
1967年、フランスのアルザス地方。
小さな村にあるヴァン・デル・ベック家政学校に、
18人の少女たちが入学した。
校長はピンクのスーツを粋に着こなすポーレット(ジュリエット・ビノシュ)。
経営者は夫のロベール(フランソワ・ベルレアン)だ。

ある日、莫大な隠れ借金を遺してロベールが急死した。
ポーレットは破産寸前の学校を救うために、
取引先の銀行に駆け込むも、
そこで待ち構えていたのは、
第2次世界大戦で彼女と死に別れたはずの恋人、
アンドレ(エドゥアール・ベール)だった。
30年振りの再会に興奮を隠せない彼は、
ポーレットを破産危機から救出し、
心の奥に閉まっていた情熱に火をつけたのだった。

折しもパリを始めフランス全土では、
社会変革を求める五月革命が勃発していた。
抗議運動が広がっていくのを目の当たりにしたポーレットたちは、
これまでの自分たちの考えに疑問を抱き始め、
ある行動に出ることを決意する。

【感想】
抑圧された女性たちが、
その存在意義を自ら再認識し、
自由を手にしようとするフェミニズムな映画。
だけど、ものすごく惜しい感じがした。
テーマも設定も面白いのに、
流れがあんまりよくないかなという印象。

時代的なものもあり、
ここでの女性観はものすごく古臭い。
“花嫁学校”(今でもあるのかな)と言うぐらいなので、
女性は夫に付き添い、
夫を立て、
気品よく家事全般をこなす
良妻賢母が理想とされているのだ。
彼女らは料理から裁縫、
紅茶の淹れ方まで事細かく指導を受ける。

とはいえ、ゆーてもまだ10代のうら若き少女たち。
本当に立派な花嫁になりたくて入る子はあまりおらず、
外出時にはタバコも吸うし、
ヤッたヤらないの話に花も咲かせるし、
もはや男子とあまり変わらない(笑)

そんな彼女たちの
キャイキャイした生活を微笑ましく眺めつつ、
未亡人となった校長が、
かつての恋人と逢引きを重ねるのも面白い。

もういい歳ではあるけれど、
花嫁学校の生徒たち以上に元気で、
盛りのついた獣のように求め合う姿は、
良妻賢母を掲げる校長とは思えぬ乱れっぷり。

それが、とある生徒に起きた悲劇を境に、
校長の考えが一変。
「結婚なんかで縛られてたまるか!
 女ももっと自由であるべきだ!」
と唐突な方向転換。

ラスト10分、
それまでの流れとはまったく違う形で、
パリに向かいながら、
女性の存在意義について、
ミュージカル調で熱く激しく主張し出すのだ。
ここは、『天空の結婚式』と同じような展開(笑)

最後まで観ると、
花嫁学校という舞台はあってないようなものにも思えるし、
女性の自由と尊厳を訴える主張も唐突すぎて、
ちょっとびっくりだし、
だいぶ印象変わる。

テーマも設定もよかっただけに、
いきなりぶつ切りされたような展開は好みが分かれそうかなー。
ジルベルト(ヨランド・モロー)のその後も宙ぶらりんなのも気になる。
まあ、コメディと捉えれば楽しめるかも?

あと、ジュリエット・ビノシュは黒木瞳に見える(笑)

映画『5月の花嫁学校』公式サイト

フランス初登場1位の大ヒット!! ジュリエット・ビノシュ主演最新作!!本年度セザール賞受賞!! 5月28日(金)よりヒューマントラストシネマ...

映画『5月の花嫁学校』公式サイト

 

葛飾北斎の生き様を描いた『HOKUSAI』

2021年05月29日 17時01分26秒 | 映画


【個人的な評価】
2021年日本公開映画で面白かった順位:85/96
   ストーリー:★★☆☆☆
  キャラクター:★★★☆☆
      映像:★★★☆☆
      音楽:★★★☆☆
映画館で観るべき:★☆☆☆☆

【以下の要素が気になれば観てもいいかも】
ヒューマンドラマ
伝記映画
葛飾北斎
江戸時代
浮世絵

【あらすじ】
腕はいいが、
食うことすらままならない生活を送っていた葛飾北斎(柳楽優弥)は、
ある日、人気浮世絵版元(プロデューサー)の蔦屋重三郎(阿部寛)に目を付けられる。

しかし、絵を描くことの本質を捉えられていない北斎は、
なかなか重三郎から認められない。
さらには、喜多川歌麿(玉木宏)や東洲斎写楽(浦上晟周)など、
ライバルたちにも完璧に打ちのめされ、
先を越されてしまう。

“俺はなぜ絵を描いているんだ?何を描きたいんだ?”
もがき苦しみ、
生死の境まで行き着き、
大自然の中で気づいた本当の自分らしさ。
北斎は重三郎の後押しによって、
遂に唯一無二の独創性を手にするのであった。

ある日、北斎は戯作者・柳亭種彦(永山瑛太)と運命的な出会いを果たす。
武士でありながらご禁制の戯作を生み出し続ける種彦に共鳴し、
2人はよきパートナーとなっていく。

70歳を迎えたある日、
北斎は脳卒中で倒れ、
命は助かったものの肝心の右手に痺れが残る。
それでも、北斎は立ち止まらず、
旅に出て冨嶽三十六景を描き上げるのだった。

そんな北斎のもとに、
種彦が幕府に処分されたという訃報が入る。
信念を貫き散った友のため、
怒りに打ち震える北斎だったが、
「こんな日だから、絵を描く」と筆をとり、
その後も生涯、
ひたすら絵を描き続ける。

描き続けた人生の先に、
北斎が見つけた本当に大切なものとは…?

【感想】
んん。。。
なんか、淡々としすぎてて、
全然入ってこなかった(笑)

葛飾北斎といえば、
『富嶽三十六景』で有名な江戸時代の浮世絵師。

以下、ウィキペディア情報だけど、
アメリカの雑誌である『ライフ』が1999年に行った企画
「この1000年で最も重要な功績を残した世界の人物100人」で、
日本人として唯一86位にランクインした人物だ。

厳密にいえば違うのだろうけど、
一般の感覚からすると、
いわゆるアスペそのもので、
絵に対してはずば抜けた興味と集中を示すものの、
それ以外には無頓着。

その証拠に家は汚く、
衣類もみすぼらしい。
茶すら自分では淹れず、
人に対してもそっけない態度で、
人に会っても一礼すらしたことはないそうだ。

画工料は通常の倍だったそうだが、
お金はそこらへんに放っておいたため、
米屋などが請求に来たら勝手に取っていくほどで、
そのため貧しかったらしい(笑)

そんな人物ではあるものの、
映画でわかったのは、
とりあえず「三度の飯よりも絵が好き」ということだけ。
他の要素は、
観ればまあそうだろうなと思うものの、
大して触れられていないので、
キャラクターとして印象に残るかというと、
そうではないかなー。

まあ、基本絵ばっか描いていたっぽいから、
史実に忠実な映画にすると、
ほぼ話として成立しないのかもしれない。
やはり、物語の魅力的な人物は、
いかに他人と関わるかということかな(笑)

教訓になりそうだなと思ったのは、
彼が大成した理由のひとつに、
戦うフィールドを変えたってことが挙げられる。
人物画ではライバルに勝てず、
風景画を描いたことで今の地位を築いたから。

様々な絵師が存在した当時の時代背景は、
今考えると恐ろしい。
浮世絵は当時の娯楽そのもの。
それが「政に悪影響だ」と幕府から弾圧されるというのは、
楽しみを奪われるようなものだ。

そんな表現の自由もあったもんじゃない中、
「ただ描きたい」という理由だけで、
欲望の赴くまま筆を走らせた彼の強い想いは、
むしろ尊敬と感謝の念しかない。
彼が描き続けたからこそ、
その後の画家に大きな影響を与えたし、
そこから今の娯楽につながった部分もあるだろうから。

総じて、人物としては偉大だし、
絵もすごかったけど、
映画としてはやや物足りない印象かなー。
全部で四章立てで、
二章と三章で一気に40年も時が流れるから
唐突すぎるのも気になる。
これ、『テスラ エジソンが恐れた天才』みたいに、
ナレーション入れるか、
誰かの回想みたいな形で進めた方が
もっとわかりやすかったかも。

でも、こういう文化人の伝記映画って、
邦画ではあまり観ないから、
今後もっと増えて欲しいと思う。
黒澤明とか手塚治虫とか、
観たいよ。

映画『HOKUSAI』公式サイト 気持ちを込めて公開中

九十年の生涯で描いた作品三万点以上。孤高の絵師”葛飾北斎”の生き様が、今初めて描かれるー。出演:柳楽優弥 & 田中泯 & 阿部寛 & 永山瑛...

 

夢のようなラブロマンス『ノッティングヒルの恋人』

2021年05月29日 16時58分14秒 | 映画


【個人的な評価】
「午前十時の映画祭11」で面白かった順位:3/5
   ストーリー:★★★★★
  キャラクター:★★★★★
      映像:★★★☆☆
      音楽:★★★★★
映画館で観るべき:★★★★☆

【以下の要素が気になれば観てもいいかも】
ラブストーリー
大女優との恋愛

【あらすじ】
ロンドン西部の街、ノッティングヒル。
バツイチのウィリアム(ヒュー・グラント)は、
そこで旅行書の専門店を営んでいた。

ある日、ハリウッドのスター女優アナ・スコット(ジュリア・ロバーツ)が突然店を訪れる。
驚くウィリアムを後にしてアナは店を出るが、
すぐその後、ウィリアムと街角で衝突、
服をドリンクで汚してしまう。

ウィリアムはアナをアパートに連れ帰って服を乾かすが、
アナは不器用なウィリアムの人柄に誠実さを感じ、
徐々に2人の距離が縮まっていく。

しかし、片や書店の主人、片や世間を賑わす大物女優。
住む世界が違いすぎる2人の運命とは。

【感想】
「午前十時の映画祭11」にて。
1999年のアメリカ映画。

いやー、これマジでいいラブストーリーだよね。
冴えない本屋の店主と大女優の恋愛という、
まるで妄想のような設定。

昨年、アマプラで鑑賞したんだけど、
やっぱり映画館で観ると全然違う。
集中して観れる分、
より没入できるから、
感動もなおさら強い。

開始後5分でいきなりアナからキスするという
少女漫画もびっくりな展開で、
夢のような日々が続いていくのがロマンチック。

ウィリアムが雑誌の編集者と偽って、
しどろもどろするシーンや、
彼の妹の誕生日パーティーにドタ参して、
まわりが面食らうシーン、
ウィリアムの同居人のスパイク(リス・エヴァンス)のキャラクターなど、
笑いの要素が多いのも好きだなー。

あと、アナとの関係が公になって関係が悪化し、
距離ができてしまったとき、
ウィリアムがノッティングヒルの通りを渡りながら、
四季が移ろいでいく演出も素敵だなって思う。

そういう2人の培ってきた関係性があるからこそ、
ラスト20分のスリリングな展開と、
最後の記者会見のシーンは感動しすぎて
涙なしには観れなかった。・゜・(ノД`)・゜・。

しかし、アナは出会ったばかりの
ウィリアムの何にそこまで惹かれたんだろう。
一目惚れって感じでもなさそうだったけど、
自分を女優ではなく、
ひとりの女性として見てくれそうだと感じたからかなー。

それにしても、今の僕は当時のジュリア・ロバーツよりも歳を取り、
むしろあと2年でヒュー・グラントと同い年になってしまうのだけど、、、
あと2年で彼のようになれるのかと言われたら、
アブソリュートリーノーだね(泣)
あのタレ目はズルい。。。

午前十時の映画祭11 デジタルで甦る永遠の名作

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