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自分の自分による自分のためのブログ。
だったけど、もはや自分の備忘録としての映画やドラマの感想しかないです。

妻の介護と子育てに追われるひとつの家族と、彼らを支えるひとりの親友の絆が感動的な『Our Friend/アワー・フレンド』

2021年10月27日 22時34分36秒 | 映画


【個人的な評価】
2021年日本公開映画で面白かった順位:84/225
   ストーリー:★★★★☆
  キャラクター:★★★★☆
      映像:★★★☆☆
      音楽:★★★☆☆
映画館で観るべき:★★★☆☆

【要素】
ヒューマンドラマ
ラブストーリー
がん
闘病

【元になった出来事や原作・過去作など】
・エッセー(実話)
 マシュー・ティーグ"The Friend: Love Is Not a Big Enough Word"(2015)

【あらすじ】
仕事に打ち込むジャーナリストのマット(ケイシー・アフレック)と
妻で舞台女優のニコル(ダコタ・ジョンソン)は、
2人の幼い娘を育てながら毎日を懸命に生きていた。
だが、ニコルが末期がんの宣告を受けた日から、
一家の生活は一変してしまう。

妻の介護と子育てによる負担にマットが押しつぶされそうになる中、
かつて人生に絶望したときに2人から心を救われた親友デインがやって来る。

2年にも及ぶ闘病生活。
3人の想いと苦悩が交錯していく中、
彼らが見つけた希望とは──。

【感想】
泣いた。
もうタイトルと予告で感動系だとわかってはいたけど、
やっぱりこういうのは泣いちゃうわ。

幸せだった家族生活が、
妻のがん宣告から一変する様子を描いているんだけど、
話の進み方としては時系列が行ったり来たり。
現在の辛い状況を映したかと思えば、
まだ元気だった過去のエピソードに戻ることも。
ただ、いつの出来事なのか、
丁寧にテロップで表示してくれるから、
話としてはわかりやすかった。

妻や恋人が病気になってしまう話は映画ではよくある、
実によくありすぎる話。
なので、そこだけ切り取れば、
単なる感動映画で終わり。
しかしながら、この映画が他と違うのは、
デインの存在。
彼、もともとはニコルの舞台仲間。
そこからマットとも知り合って、
夫婦共通の親友となっていった。
もちろん、ニコルの娘たちとも気心の知れた仲。

このデインをどう見るかっていうのが、
この映画の面白いところかなって。
ニコルががんを宣告された後、
大変だったのはマット。
ジャーナリストの仕事をしながら、
妻の介護と子育てを担うことになったからもういっぱいいっぱい。

そこで、デインが一家のサポートに入るんだ。
ニコルたちの家に居候しながらね。
ニコルの介護もしながら、
子供たちの面倒も見ると。
彼、住んでるのニューオリンズなのに、
わざわざフェアホープまで来るんだよ。
700kmは離れてるんじゃかろうか。
東京から広島に行くようなもんだ(もっとかも?)。

それも、2~3週間のつもりだったのが、
最終的には2年ぐらいいたのかな。
デインにも恋人はいたけれど、
彼のしていることに理解ができずに別れてしまった。
そりゃそうだよね、
家族でも親族でもないのに。
もちろん、親友であればできる限りのことはしてあげたい。
ただ、2年も相手の家に居候してでもすることだろうか。
お互いの両親にも頼ることはできるだろうに。
傍から見れば、
ひとつの家族にひとりのおじさんが入り込んでいる、
ちょっと不思議な関係。

でも、デインはマットとニコルに恩があった。
夢に向かってがんばっていたとき、
なかなかうまく行かず、
死に場所を探し求めていた。
そんなとき、「なんかあったら連絡しろよ」
と言ってくれたのがマットたちだった。
孤独から救ってくれた親友の言葉。
その恩が、デインの中にはいつまでも残っていたんだろうなあ。
だから、例えまわりから白い目で見られようとも、
彼らの力になりたかった。

もちろん、そういう事情もわかる。
ただ、僕はニコルとワンチャン期待していたんじゃないかって思うんだよなー。
昔、ニコルが既婚者だと知らずにデートに誘ったっていう経緯もあるし。
まあ、実際にワンチャンなくとも、
好意があった人の側にはいたかったんだと思う。
そういう意味では、
デインはマットよりもニコルの方に深く情を入れていたかもしれない。
なので、ちょっとした三角関係なんじゃないのかなっていう目でずっと追っていたけど(笑)

この映画は、夫婦の絆はもちろんのこと、
それ以上にデインの立ち位置がとても興味深い。
人によっていろいろ感じ方がありそう。
ぜひ友情と愛情の狭間をその目で観て欲しい(笑)

映画『Our Friend/アワー・フレンド』公式サイト/10月15日(金)公開

映画『Our Friend/アワー・フレンド』公式サイト/10月15日(金)公開

 

SNSやAIが発達した世界の友情の在り方に笑って泣いた『ロン 僕のポンコツ・ボット』

2021年10月27日 00時51分46秒 | 映画


【個人的な評価】
2021年日本公開映画で面白かった順位:27/224
   ストーリー:★★★★★
  キャラクター:★★★★★
      映像:★★★★★
      音楽:★★★★☆
映画館で観るべき:★★★★★

【要素】
CGアニメーション
ヒューマンドラマ
ロボットと少年
SNS
AI

【元になった出来事や原作・過去作など】
なし

【あらすじ】
新式ロボット型デバイス<Bボット>。
それは、スマホよりハイテクなデジタル機能に加えて、
持ち主にピッタリな友達まで見つけてくれる夢のようなデバイス!

そんな<Bボット>で誰もが仲間と繋がる世界で、
友達のいない少年バーニーの元に届いたのは、
オンライン接続もできないポンコツボットのロンだった。

出会うはずのなかった1人と1体が‟本当の「友情」“を探す
ハートウォーミング・アドベンチャーが今、始まる!

【感想】
これよかったー。
いい映画だった。
テンポもいいし、
次から次へと事件が起こるから飽きずに観れる。
しかも、笑って泣いた。。。

少年とロボットの交流っていう設定はオーソドックスなんだけど、
とても現代に通じる内容なのよ。
いや、これはSNS全盛期の今の時代だからこそ
観て然るべきかなとも思う。

Bボットって、
言ってしまえば超進化したスマホ×ロボットみたいなデバイス。
今のiPhoneに備わっているような機能を持ちながら、
持ち主の嗜好を学習し、
それに合う友達を見つけてくれる。
映画では勝手に友達見つけて、
勝手にフレンドになってるから、
ちょっとそこまでは、、、って僕は思ったけど(笑)

そういう機能面だけ見れば、
今のSNSとそんな変わらない。
まあ、自然な音声認識が可能で、
勝手に持ち主の後を付いてきてくれるっていうところは、
ちょっとした近未来かな。
世界観としてはすごく身近に感じられる。

そこで、主人公のバーニーの元にやってきたのが、
ひょんなことから配送トラックから落ちて不具合が生じたBボットのロン。
通常のBボットに備わっている機能は起動せず、
逆に安全装置も外れているというちょっと危ない不良品。

でも、"普通じゃない"からこそ、
そこにドラマが生まれる。
正常なやり取りができないからこそ、
持ち主の言う通りには動かない。
安全装置が外れているから、
いじめっ子をやっつけることができる。
それでも、"友達を作る"という目的は果たそうとする。
言われたことだけを忠実に守るプログラムより、
よっぽど人間らしい。
そこがロンの最大の魅力。

アニメーションだからそう見えるってのももちろんあるけど、
バーニーとロンの交流は、
もはや人間の友達同士のやり取りにしか見えない。
『ターミネーター2』でも、
「父親代わりの男は大勢いたが、その役を果たせるのはこのマシンだけ」
っていう印象的なセリフがある。
本来は人間がやるべきことなのに、
ロボットの方が適任だっていうのが、
皮肉ながらも心に響く。

で、さっき、
今の時代だからこそ観るべきって言ったのは、
このBボットがスマホの延長のような側面もあるから。
ゲームで1位になることにこだわったり、
いかに「いいね!」をもらえるかばかり気にしたりして、
本気で友達のことを見ていないっていうシーンも描いてて。
ここがまさに現代のSNS社会と同じだなって。
そういう話自体はいろんな映画やドラマ、
ニュースでも目にするけど、
まさかこんなところでも描かれるなんて思わなかった。
うまく時事性を持たせた形かな。

その後いろいろあって、
ロンの不良品ゆえの人間らしさが世界を変えていくことになる。
なるんだけど、このBボットを開発した会社も、
まわりの大人たちも、
ずっとロンを「危険物だ」と処分しようとしてた。
でも、そんなロンだけが、
本当の意味で友達を作るという役目を果たしたんだよね。

結局、ドラマを生んだり、
世界を変えたりする存在っていうのは、
こういう"規格外"だったり、
"異質なもの"だったりするのかなって。
"正しいこと"をしている以上に、
正しいことがあるっていうメッセージも感じられた。
そういう存在って、
なかなか理解されないけどね。
人間や組織って、
前例がないとなかなか動けないから。

いやー、予想以上にいい映画だった。
でも気になったのが、
あれだけ頑丈なBボットなのに、
トラックから落ちただけで不具合発生するなんて、、、(笑)

ロン 僕のポンコツ・ボット

大ヒット上映中!友達が欲しい少年バーニー。友達を作れない<Bボット>ロン。一人と一体の“本当の「友情」”を探すハートウォーミング・アドベンチ...

20th Century Studios JP