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運命に翻弄された究極の美少年の知られざる真実に迫った『世界で一番美しい少年』

2021年12月30日 00時53分34秒 | 映画

【個人的な評価】
2021年日本公開映画で面白かった順位:62/280
   ストーリー:★★★★★
  キャラクター:★★★★★
      映像:★★★☆☆
      音楽:★★★☆☆
映画館で観るべき:★★★★☆

【要素】
ドキュメンタリー
美少年

【元になった出来事や原作・過去作など】
・人物(俳優、ミュージシャン)
 ビョルン・アンドレセン(1955~)

【あらすじ】
"世界で一番美しい少年"と称賛され、
一大センセーションを巻き起こした少年がいた。
巨匠ルキノ・ヴィスコンティに見出されて、
映画『ベニスに死す』(1971)に出演、
美少年タジオ役の崇高な美しさで
世界を陶酔させたビョルン・アンドレセン。

来日時には詰めかけたファンたちの熱狂で迎えられたが、
その瞳には憂いと恐れ、
生い立ちの秘密が隠されていた。

そして約50年後。
伝説のアイコンは、
『ミッドサマー』(2019)の老人ダン役となって私たちの前に現れ、
話題となる。

彼の人生に何があったのか。
『ベニスに死す』に隠された真実。
"世界で一番美しい少年"が見た天国と地獄。
50年の時を経て、
今、すべてが明かされる――。

【感想】
全人類がジャガイモに見えてしまうほどの美少年 of 美少年。
『ベニスに死す』(1971)を観たことある人ならわかるだろう、
あのビョルン・アンドレセンの美しさが。
僕の中では彼と、
若い頃のアラン・ドロン、
幼い頃のエドワード・ファーロングが、
世界三大美男子だと思ってる(笑)

◆その美しさはまさに特級並み

冒頭、『ベニスに死す』のオーディションシーンが映し出される。
ルキノ・ヴィスコンティ監督は、
とにかく美しい男の子を探してヨーロッパ中をまわっていた。

オーディションに来ている子は
みんな美少年ばかり。
雪のような白い肌に、
金色に輝くブロンドヘア。
日本人が束になっても敵わないようなかわいさ(笑)
そこに現れたビョルン・アンドレセン。
これが圧倒的な顔面戦闘力。
ああ、美しい男の子ってこういうことを言うのかと、
スクリーン越しにも見惚れちゃうほど。
もはや、セクシャルもエロティックも性別も、
すべてを超越してた。

ちなみに、『ベニスの商人』では監督を含めて、
スタッフのほとんどがゲイだったようで、
「ビョルンを見るのは禁止」という決まりもあったらしい。

彼の美しさはいろんな人にインスピレーションを与え、
『ベルサイユのばら』のオスカルも実は彼がモデル。

◆本人の意志とは関係なく事が進んでいく

『ベニスの商人』がヒットしてから、
彼の運命は大きく変わる。
世界中にその名を轟かせ、
日本にも来日。
空港で黄色い声援を浴びながら、
番組やCMに引っぱりだこ。

こう言ってはなんだけど、
意味不明なCMソングを歌わせられ(しかも日本語で!)、
レコードまで発売。
「この美しい顔に何させとんじゃ!」と思ったけど(笑)

ただ、ビョルン本人はまったく状況を理解しておらず、
言われたことを言われたままこなすのみ。
まわりからの人気と
自分の中での実感値がまったくリンクしないので、
不安しかなかったそうだ。

ヴィスコンティ監督には
パリのゲイ・コミュニティに連れて行かれたり、
日本に来てからは連日のハードスケジュールをこなすために
薬物を飲まされたりと、
かなり大人に操られていた。

◆知られざるプライベート

幸い仕事には恵まれたものの、
父親は現在に至るまで誰かわからず、
母親も自殺、
祖母に育てられてきた。
彼の美しいながらもどこか影のある雰囲気というのは、
そういう環境も関係しているのかも、、、?
さらに、自身も第二子である長男を失っており、
酒に溺れた経緯もあると話していた。

今は恋人と暮らしているものの、
家事に疎いのかちょっとだらしない生活が目立つ(笑)

◆そんなわけで

「世界一の美少年」として一世を風靡したビョルン・アンドレセン。
誰もが羨む美貌とキャリアを持っていたけど、
すべてはまわりの大人たちが騒いでいただけで、
本人の意志はそこにはなかった。
彼の生き様と苦悩を知れる
いいドキュメンタリー映画なのでオススメ。





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