【個人的な評価】
「午前十時の映画祭11」で面白かった順位:9/15
ストーリー:★★★★☆
キャラクター:★★★★★
映像:★★★★☆
音楽:★★★☆☆
映画館で観るべき:★★★★☆
【以下の要素が気になれば観てもいいかも】
アクション
時代劇
黒澤明
三船敏郎
【あらすじ】
百姓の太平(千秋実)と又七(藤原釜足)は、
褒賞目当てに戦に参加するが、
敵の捕虜になってしまう。
夜、暴動に紛れて脱走した2人は、
逃げ延びた谷で薪の中に隠された大量の金の延べ棒を発見する。
そこに現れたのは敗国・秋月家の侍大将、真壁六郎太(三船敏郎)。
金の延べ棒は秋月家再興のための軍用金だったのだ。
太平と又七は、
六郎太、そして世継ぎの雪姫(上原美佐)と共に、
敵国内を横断する同盟国への逃避行に加わるが―。
【感想】
「午前十時の映画祭11」にて。
1958年の日本映画。
黒澤明×三船敏郎のコンビによる11作目の作品。
『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』
に影響を与えた映画でもあるそう。
C-3POとR2-D2は太平と又七をモデルにしたのだとか。
今から60年以上も前の映画だけど、
これは面白い!
逃避行というポピュラーな構図ではあるけど、
ストーリーのテンポのよさとキャラクターの濃さが、
時代を超越した面白さを感じさせてくれる。
設定が戦国時代ということもあるけど、
広大な大自然を駆けめぐるスケールの大きさに、
最近の邦画にはない"冒険感"を覚えるんだよね。
キャラクターもみんな記憶に残る存在感の強さがあってさ。
六郎太のおっかなくも人情味あふれる役どころは
"頼れるアニキ"って感じで憧れるし、
太平と又七のコミカルなコンビが笑えるんだよね。
2人ともこの上ないお調子者で、
金の延べ棒を見つけるや否や、
「これは俺のだ!」と取り合いになるも、
ピンチに陥ると「仲良くやっていこうな」
と肩を寄せ合うっていう(笑)
欲深いくせに弱っちいのに、
憎めないかわいらしさがあった。
六郎太が自分たちの逃避行のお供に
太平と又七を選んだのも、
彼ら自身ではなく、
彼らの持つ"強欲さ"に目をつけたからというのも、
とても人間を見ているなと思った。
そして、この映画のすごいところは三船敏郎のアクションだよ!
六郎太が馬で敵の騎馬武者を追いかけて斬り捨てるシーンは、
スタントマンなしで三船敏郎自身が演じたのだとか。
両手で刀を握って腕を上げていたから、
馬は脚のみで制御してるんだよね。
また、六郎太たちが鉄砲隊に狙撃されるシーンでは、
実弾を使っていたと。
火薬にすると煙が出てしまうので、
実弾を使うことにしたようだけど、
そのこだわりの強さがすごい。
さすがに、役者の身に危険が及ぶので、
役者たちが逃げるシーンと実弾が着弾するシーンは、
後からつなげたそうだけど。
今では安全上の理由からできないことが多いだろうけど、
やっぱり黒澤明と三船敏郎の作品は今観てもすごい。
特にアクションモノは、
今のどの邦画よりも面白く感じる。
そりゃ"世界のクロサワ"、"世界のミフネ"って呼ばれるよねって。
ハリウッドの大スターたちがこぞって尊敬する理由がわかる。
白黒映画や時代劇はこれまであまり観てこなかったけど、
「午前十時の映画祭」で観るようになってから、
時代を超える面白さに気づかされる。
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