【個人的な評価】
2021年日本公開映画で面白かった順位:41/159
ストーリー:★★★★★
キャラクター:★★★★★
映像:★★★☆☆
音楽:★★★☆☆
映画館で観るべき:★★★★☆
【以下の要素が気になれば観てもいいかも】
ヒューマンドラマ
SF
タイムトラベル
映画制作
映画愛
【あらすじ】
勝新太郎を敬愛する高校3年生のハダシ(伊藤万理華)。
キラキラ恋愛映画ばかりを作る映画部では、
自分の撮りたい時代劇を作れずにくすぶっていた。
そんなある日、
彼女の前に現れたのは武士役にぴったりな凛太郎(金子大地)。
すぐさま個性豊かな仲間を集め出したハダシは、
「打倒ラブコメ!」を掲げ、
文化祭でのゲリラ上映を目指すことに。
青春のすべてをかけた映画作りの中で、
ハダシは凛太郎へほのかな恋心を抱き始めるが、
彼には未来からやってきたタイムトラベラーだという秘密があった――。
【感想】
これはすごい。
これは驚き。
映画の未来を憂い、
いずれ訪れる悲しい運命に立ち向かう、
いつもとは一味も二味も違う青春映画だった。
『アルプススタンドのはしの方』
が好きな人は気に入ると思うんだよなー、
雰囲気的に。
舞台っぽさもある気がする。
とにかく、ストーリーが秀逸。
ハダシが自分で撮りたい時代劇の
主人公を探しているときに出会った凛太郎は、
まさかのタイムトラベラー。
この時点ですでに面白いんだけど、
セリフだけでその設定を語り、
未来との通信機以外でSF要素を感じる部分はゼロ!
なんという経済的な作りなんだろうか(笑)
出演を拒み続ける凛太郎を
「あなたじゃなきゃダメなんだ」と口説き落とし、
スタッフを集め、
引っ越しのバイトで資金を貯めて、
いよいよ高校生たちの青春をかけた映画作りが始まる!
ハダシの時代劇に対する熱の入れ込みようや、
映画作りにおけるこだわりの強さは、
女子高生らしからぬ様相で、
そのギャップもとても印象的だった。
そうこうしているうちに、
凛太郎の口から語られる未来の日本。
それは、映画好きからしたらまさに地獄のような状況で、
特にハダシのショックは計り知れない。
一時的に自暴自棄に陥る彼女だけど、
ハダシの作る作品に惚れ込んだ凛太郎から
「あなたが作らなきゃダメなんだ」と説得され、
再び闘志を燃やす。
何回も台本が書き換わる中で、
ようやくたどり着いたラストシーン。
ここで究極の一波乱があるんだけど、
ハダシがこれまでの映画制作の過程で感じたことを
すべてぶつけて下した決断はかっこよかった。
持っている気持ちは伝えること。
勝負に出ること。
それこそが、未来を変えうる力となる。
もはや青春映画を通り越して、
映画作りや来るべき未来との戦いだったよ、これは。
高校生らしく、
恋愛要素や友情もあり、
笑いと涙もあり、
とても面白い物語。
映画作りに青春をかける高校生たちの
若さあふれる勢いから得られる爽快感は、
夏の暑さの嫌悪感を拭い取ってくれるので、
ぜひ観て欲しいなあ。
個人的には、老けた同級生役の板橋駿谷が一番好きだった(笑)
調べたら僕と同い年で、
彼だけまわりと一回り年齢が違うことに笑った。
最近、ドラマや映画でよく見かけるのだけど、
ガタイ的に鈴木亮平みたいな感じで、
何やってもギャップになるのがおいしい(笑)
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