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だったけど、もはや自分の備忘録としての映画やドラマの感想しかないです。

いじめ問題をきっかけに生まれた孤独な優等生と不良少年との絆に今年最大級に泣いた『少年の君』

2021年08月08日 23時46分41秒 | 映画


【個人的な評価】
2021年日本公開映画で面白かった順位:5/160
   ストーリー:★★★★★★★★★★
  キャラクター:★★★★★★★★★★
      映像:★★★★☆
      音楽:★★★★☆
映画館で観るべき:★★★★★

【以下の要素が気になれば観てもいいかも】
ヒューマンドラマ
いじめ
受験戦争

【あらすじ】
進学校に通う成績優秀な高校3年生のチェン・ニェン(チョウ・ドンユイ)。
全国統一大学入試(=高考)を控え、
殺伐とする校内で、
ひたすら参考書に向かって息を潜め、
卒業までの日々をやり過ごしていた。

そんな中、同級生の女子生徒がクラスメイトのいじめを苦に、
校舎から飛び降り、
自らの命を絶ってしまう。
少女の死体に無遠慮に向けられる生徒たちのスマホのレンズ、
その異様な光景に耐えきれなくなったチェン・ニェンは、
遺体にそっと自分の上着をかけてやる。
しかし、そのことをきっかけに激しいいじめの矛先は
チェン・ニェンへと向かうことに。

彼女の学費のためと
犯罪スレスレの商売に手を出している母親以外に身寄りはなく、
頼る者もないチェン・ニェン。
同級生たちの悪意が日増しに激しくなる中、
下校途中の彼女は集団暴行を受けている少年を目撃し、
とっさの判断で彼シャオベイ(イー・ヤンチェンシー)を窮地から救う。

辛く孤独な日々を送る優等生の少女と、
ストリートに生きるしかなかった不良少年。
2人の孤独な魂は、
いつしか互いに引き合ってゆくのだが…。

【感想】
やってくれるぜ、中国映画。。。
まさか今年に入って一番泣くとは。。。。・゜・(ノД`)・゜・。
本当にアジア映画って、
たまにずば抜けて面白い感動作に当たる。

舞台は"高考"を控えた高校3年生のクラス。
高考とは中国の全国一斉に行われる大学入試のことで、
毎年1,000万人ぐらいが受けるとか(日本のセンター試験、今年は53万人ぐらい)。
もはや現代版"科挙"といっても過言ではないぐらいに、
熱の入れようがすごい。

なので、生徒たちにかかるプレッシャーはハンパなく、
劇中でもひたすら勉強勉強勉強。
そんな状況の中で、
ひとりの生徒がいじめを苦に飛び降り自殺。
まわりがスマホで写真を撮る中、
主人公のチェンはそっと自分の上着をかける優しさを見せるものの、
それがいじめの主犯格の気に障ったのか、
今度は彼女がいじめられることに。

椅子には血のような赤い水を撒かれるし、
階段からは突き落とされるし、
体育の授業ではボールをぶつけられるし、
詐欺師まがいのことをしている母親のことが
クラスのLINEに上がる始末。
いじめの内容そのものは、
日本でもありそうなことではあるんだけど、
まわりが受験勉強に忙しくて、
見て見ぬフリってのが残酷なんだよね。
本当は助けたいんだけど、、、みたいなそぶりすらなく、
他人にかまっている暇すら惜しいっていうのが伝わってくる。
頼れる友達も親もいない中でのチェンの孤独な日々は辛さしかない。

そんなときに、ひょんなことから出会った不良のシャオベイ。
素行は悪いけど、根は優しく、
チェンが助けるときに壊された彼女のスマホの修理を自ら請負うほど
(盗品を売り捌くために修理のスキルもあるw)。

優等生だけど孤独かつ受験勉強に捉われ自由のないチェンと、
自由気ままだけど何も持っていないシャオベイ。
決して交わることのなかった2人だからこそ、
お互いに欠けている部分を補え合えたんだろう。

だから、2人の距離は自然と縮まっていくよね。
チェンは常にいじめの標的にされているから、
やがてシャオベイがボディガードのように
彼女を離れたところから見守るようになるんだけど、
これがまたラストに大きな意味を持ってくるんよ。。。

いじめの主犯格はチェンの告発によって停学処分になるんだけど、
そこからの報復なんかもあったりして、
なかなかにバイオレンスな展開なのもスリルがある。

でも、それだけじゃないのがこの映画の面白いところ。
終盤に向かうにつれて、
チェンとシャオベイの関係性も熟成していって、
それであの展開だからね。。。
ネタバレになるから言えないけど、
いじめをきっかけとした話で、
まさかここまで感動ストーリーになるとは思わなかった。
お互いを想うがゆえの決断。
愛を超えて、
人としての尊い選択に涙が止まらなくて、
マスクびちょびちょ。

いじめ問題、受験戦争、優等生と不良の交流など、
情報量は多いものの、
それらがうまく嚙み合って、
とても素晴らしい作品になってた。

これはマジでオススメしたい。

映画『少年の君』公式サイト|7月16日公開

映画『少年の君』公式サイト|7月16日公開|第93回アカデミー賞国際長編映画賞ノミネート!

https://klockworx-asia.com/betterdays/

 


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2 コメント

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Unknown (franny0330)
2021-08-13 11:15:08
これ、よかったですけど、冒頭とラストの中国政府を讃える文言は興醒めでしたね?
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Unknown (ブログ主)
2021-09-11 15:01:54
コメントありがとうございます。
そうですね(笑)
ただ、中国映画なのでそういうこともあるだろうなと、
僕はやや冷めた目で観ていました(笑)
返信する

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