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子役にここまでさせるってのがすごいジェンダーとアイデンティティの模索映画『トムボーイ』

2021年09月21日 22時52分35秒 | 映画


【個人的な評価】
2021年日本公開映画で面白かった順位:69/193
   ストーリー:★★★★☆
  キャラクター:★★★★☆
      映像:★★★☆☆
      音楽:★★★☆☆
映画館で観るべき:★★★☆☆

【以下の要素が気になれば観てもいいかも】
ヒューマンドラマ
ラブストーリー
ジェンダー
アイデンティティ

【あらすじ】
夏休み、家族と共に新しい街に引っ越してきた10歳のロール(ゾエ・エラン)。
引っ越し先で「ミカエル」と名乗り、
新たに知り合ったリザ(ジャンヌ・ディソン)たちに、
自分を男の子だと思い込ませることに成功する。

やがて、リザとは2人きりでも遊ぶようになり、
ミカエルとしての自分に好意を抱かれていることに葛藤しつつも、
お互いに距離を縮めていく。

しかし、もうすぐ新学期。
夏の終わりはすぐそこまで近づいているのだった…。

【感想】
日本では今年公開だけど、
実際は2011年の映画。
『燃ゆる女の肖像』(2019)の
セリーヌ・シアマ監督が撮った2本目の長編映画。
その映画が個人的にはあまりハマらなかったんだけど、
今回の映画は面白かった。

本作は主人公のロールが「ミカエル」と名乗り、
男の子として夏休みを過ごす話。
なので、ポスターの子、女優さんです。
美しい顔立ちの人って男性にも女性にも見えるときがあるよね。
だから、美は(生物学的な意味での)性別を超越するって思ってる。
それが子供だと余計に。
このポスターを目にしたとき、
ずっと男の子だと思ってたから。
作中で女の子だと知ったときには衝撃だったよ。

で、この映画の何が面白かったかっていうと、
ミカエルの言動すべてだね。
これ、女の子が男の子に扮しているけど、
単にトランスジェンダーの話ってわけでもなさそうなんだよ。
体の性と自分の思う性が一致していなくて悩むとか、
そういうこともなかったし。
いや、幼いがゆえに、
そこまでの苦悩にまだ達していなかった可能性もなくはないけど。

ちょっと女の子の格好をしてみたいとか、
男の子っぽいことをやってみたいとか、
小さい頃にそういう願望があった人って意外といるかもしれないけど、
それに近しいものなのかなって個人的には感じた。
男とか女とかそういうの関係なく、
やりたいことをやってみようという肯定的な印象さえ受ける。

ミカエルはきっと男の子に憧れがあったのだろう。
サッカーで遊ぶときは、
まわりを真似して上裸になり、ツバを吐く。
水着を着るときは、
わざわざ上半身の部分をハサミで切ってパンツ状にし、
さらに股間部分には粘土で作った
棒状のものを入れ込む細かい工夫もするほど。
子供って異質なものに対する排除意識が激しいからね。
なるべくみんなと同じようにしなくちゃ
っていう心理もあったんだと思う。

そんな中で、急に距離が縮まり出すリザとの関係。
そして、実は女の子だとバレたときのまわりからの扱い。
いろいろ見どころがあるのもこの映画のいいところ。

よくあるトランスジェンダー系の映画だとね、
登場人物がある程度の年齢のために自分で責任を取れるけれど、
今回はまだ小学生。
ミカエルを含めた子供たちが
どういう人間関係を築いていくのかは、
とても興味深く観ることができる。

また、もし自分の子供が同じ状況になったら、
親としてどう接するべきかなど、
親の人はいろいろ考えるきっかけにもなりそう。
今作の母親はなかなかにナンセンスかなと個人的には感じたけれども。

それにしても、一番すごいなと思ったのは、
ミカエルを演じたゾエ・エラン。
微妙に体つきが女性っぽくなり始める年頃なのよ。
それなのに、体のすべてをカメラの前で露わにしているからね。
だから、彼女が女の子だったっていうのもわかるんだけど。
このぐらいの年頃だったら、
そういう体の変化って外には見られたくないと思うのだけど、、、
よくやったと思う。

あと、ミカエルの妹がかわいすぎなのよ。
6歳なのにもう顔が出来上がってるかわいさもあるんだけど、
素直に姉の言うことを聞いて、
兄として慕っているところが健気でね。
この健気さは自分の妹が小さかった頃のことを思い出す(笑)

この映画、もっと上映館増やしてもいいと思うんだよなー。

映画『トムボーイ』公式サイト

映画『トムボーイ』公式サイトです。2021 9.17 FRI 新宿シネマカリテ他ロードショー

映画『トムボーイ』公式サイト

 


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