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佐藤二朗に恐怖を覚える『はるヲうるひと』

2021年06月09日 00時19分21秒 | 映画


【個人的な評価】
2021年日本公開映画で面白かった順位:91/109
   ストーリー:★★☆☆☆
  キャラクター:★★★★☆
      映像:★★★☆☆
      音楽:★★☆☆☆
映画館で観るべき:★★☆☆☆

【以下の要素が気になれば観てもいいかも】
ヒューマンドラマ
家族
売春

【あらすじ】
その島は、至るところに「置屋」が点在する。
本土からは日に2度連絡船が出ており、
客の往来の足となっている。

住民たちはこの閉塞された島で一生を過ごす。
女は客から「外」の話を聞いて思いを馳せる。
男は、女たちのそんな「夢」を一笑に附して留まらせる。

ある置屋にその「三兄妹」はいた。
長男の哲雄(佐藤二朗)は、
店を仕切り、
その凶暴凶悪な性格で恐れられている。
次男の得太(山田孝之)は、
哲雄にこびへつらい、
子分のように従っている。
長女のいぶき(仲里依紗)は、
長年の持病を患い、
床に伏してる。

ここで働く4人の個性的な遊女たちは、
哲雄に支配され、
得太をバカにして、
いぶきに嫉妬していた。
女を売る家で唯一女を売らず、
それどころか優遇された箱入り娘。
しかも、いぶきは誰よりも美しかった。

なぜ哲雄は弟と妹に辛く当たるのか。
三兄妹にまつわる秘密とは。

【感想】
置屋を舞台にした三兄妹と遊女たちのヒューマンドラマ。
生きる場所が限られた中での息の詰まる人間関係。
観ているだけで窒息しそうになる。

特に、兄に怯えながら生活する得太と、
同じ女性なのに自分だけ特別扱いされ、
遊女たちに疎まれているいぶきの肩身の狭さは、
とてつもなくストレスフルだ。

その設定をさらに際立たせているのが、
役者の圧倒的な演技。
島に暮らす人々の淡々とした日常がメインなので、
正直物語そのものに動きは少ないけれど、
『女たち』同様、
役者の演技がすごかった。

中でも、普段コメディな役が多い佐藤二朗の、
冷酷かつ残忍なキャラクターは際立っていた。
それは、自分の両親にまつわる幼少期の体験に端を発するのだけど、
「この人こんな役もできるのか」と思うほど、
観ていて恐怖を感じた。

そんな兄に服従しつつも、
妹の身を案じ続ける得太を演じた山田孝之もすごい。。。
あの死んだような目つきからの、
感情が爆発してしまう演技は凄まじかった。。。

この2人のキャラクターと演技でもってるようなもんかと。

その分、遊女たちがちょっと地味だったかなー。
自分たちの置かれた状況を受け入れ、
今ある中に小さな幸せを見つけるような姿勢に逞しさを感じたけれど、
あらすじに書かれてるような、
得太をバカにして、
いぶきに嫉妬するっていうのが
あまり伝わって来なかった。

あと、4人いる遊女のうち、
体張ってたの実質2人だけだったから、
あんまり置屋って感じもせず。。。

ラスト20分の怒涛の展開は驚きだけど、
なんの前触れもつながりもないから、
唐突すぎてちょっとついていけなかった。

ただ、脚本を書かれたのが佐藤二朗本人ってこともあってか、
セリフの言い回しがものすごく彼っぽかったのは、
シリアスなシーンでもちょっと笑える(笑)

映画「はるヲうるひと」公式サイト

原作・脚本・監督:佐藤二朗 出演:山田孝之 仲里依紗 向井理 坂井真紀 佐藤二朗 他 “笑え、殺したいほど憎くても。”豪華キャスト陣による狂...

映画「はるヲうるひと」公式サイト

 


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