Blog of 俺 by 俺 for 俺

自分の自分による自分のためのブログ。
だったけど、もはや自分の備忘録としての映画やドラマの感想しかないです。

川合のかわいさと藤先輩の最高のメンター感に癒されまくりの『ハコヅメ~たたかう!交番女子~』

2021年09月16日 00時45分23秒 | ドラマ
【個人的な評価】
2021年夏ドラマで面白かった順位:2/6
 ストーリー:★★★★☆
キャラクター:★★★★★
    映像:★★★☆☆
    音楽:★★★☆☆

【以下の要素が気になれば観てもいいかも】
コメディ
ヒューマンドラマ
警察
交番
逮捕しちゃうぞ
ナースのお仕事

【あらすじ】
安定した生活のために警察官になった
新人・川合麻依(永野芽郁)は、
通称“ハコヅメ”こと交番勤務に配属されて2週間。
心身共にキツい警察の仕事に限界を感じ、
辞表を握りしめていた。

そんな矢先、
川合は新しく交番に配属されてきた
刑事課の元エース・藤聖子(戸田恵梨香)とペアを組むよう言い渡され、
辞職願を出し損ねてしまう。
自分は警察官に向いてないとうなだれる川合を、
「そんなアンタだからこそできることがある」と諭す藤。
その言葉を胸に、
もう少しがんばってみようと川合は思い直す。

長らく、藤が交番に来た理由は明言されてこなかったが、
実は過去に後輩がひき逃げに遭い、
その犯人を捕まえるため、
川合を利用しようとしたことが明かされる。

果たして、"守護天使"と呼ばれている犯人を
捕まえることができるのだろうか。

【感想】
コメディタッチのゆる~い警察モノ。
だと思ったんだけど、
いやはや、これはメチャクチャ面白かった!

基本はコメディで、
各キャラクターの掛け合いがおかしくて、
真面目にふざけてるのがツボだった(笑)
川合のドジっ子感が超絶かわいいのと、
源(三浦翔平)と山田(山田裕貴)の三枚目感は最高だったね。

でも、それだけで終わらなかったのがこのドラマのいいところ。

これは新人の川合の成長譚でもあるんだけど、
ペアでついてる藤先輩がものすんごくいいメンターで。
自分も若い頃にこういう先輩について欲しかったな~って心底思った。

藤先輩って、
警察官としての能力はもちろんのこと、
人を育てるのもうまい。
基本、愛情に満ちてるからなんだよね。
それでいて、視野を広く持ち、
正しい判断と迅速な行動力を持ち合わせている。
理不尽に怒らないし、
ああしろこうしろってとやかく言わない。
常に後輩のことを気にかけ、
親身になって相談に乗ってくれる。
間違っているところがあれば、
きちんと理由をつけて説明してくれる。
人使いが荒いところはあるんだけど、
それが嫌にならないぐらい、
普段の接し方が理想的だった。
ああいうかわいいのに男勝りみたいな
ギャップのあるキャラクターは好きだからよし(笑)

そんな藤先輩といっしょにいるから、
川合も清く正しく育つんだよねー。
あんなポンコツ感あった川合も、
ここぞというときには立派な警察官やってたし。
『TOKYO MER』もそうだったけど、
人間力のある上の人の背中を見て、
下は育つんだなって思った。

最終回はこれまでの流れから
キレイに感動エピソードへとつなげて、
思わず泣いちゃったよ。
あの川合が嫌われ役を買って出るってね。

で、その川合のかわいさと来たら。
おかっぱ頭でピーチクパーチクしているキャラがキュートすぎたよ。
まさに国民の後輩。
そりゃ藤先輩も目かけたくなるよねって。

シーズン2作って、
川合の「拝啓、お父ちゃん」の
お父ちゃんを出してくるのはアリだなー(笑)

https://www.ntv.co.jp/hakozume/

振り回していたはずが振り回されていた『うみべの女の子』

2021年09月15日 23時50分12秒 | 映画


【個人的な評価】
2021年日本公開映画で面白かった順位:110/191
   ストーリー:★★★☆☆
  キャラクター:★★★★☆
      映像:★★★☆☆
      音楽:★★★☆☆
映画館で観るべき:★★★☆☆

【以下の要素が気になれば観てもいいかも】
ヒューマンドラマ
ラブストーリー
閉塞感
思春期
中二病

【あらすじ】
海辺の田舎町に暮らす中学2年生の小梅(石川瑠華)は、
憧れの三崎先輩(倉悠貴)に手酷いフラれ方をしてヤケになり、
同級生の磯辺(青木柚)を誘って衝動的に初体験を済ませる。
なぜ相手が自分だったのかと問う磯辺に、
「一年のときあたしに告ったじゃん」と言い放つ小梅。
気持ちはまだ変わっていないと改めて告白する磯辺だったが、
小梅にその気はなかった。

しかしそこから、2人は体の関係を繰り返すようになる。
曖昧で奇妙な付き合いを続けるうちに、
セックスはいつしかお互いにとって日々の生活の一部になっていった。

ある日、磯辺のパソコンのデスクトップに
ビキニ姿の少女の写真を見つけた小梅。
嫉妬にも似た感情を覚えた彼女は、
勝手にそれを削除してしまう。
自分からフッたはずの磯辺の気持ちを今さら試す小梅に、
「生きてるだけで息が苦しいってやつらの気持ちなんてわかんねーだろ?」
と詰め寄る磯辺。
磯辺は実の兄を自殺で亡くしていた。

磯辺に拒絶されたやるせなさから、
三崎先輩に拠りどころを求める小梅。
性行為を強いられそうになり、
傷ついて押しかけてきた小梅を、
磯辺は「帰れ」と突き放す。
親友だからこそ、
家族だからこそ言えない焦りや苛立ちも、
磯辺にならぶつけられる。
それぞれにねじれた喪失を抱え、
心の穴を埋めるように激しく交わる2人。

文化祭を前にして、
会えないほど磯辺に執着していく小梅と、
死んだ兄の幻影にとらわれていく磯辺。
離れていく磯辺の心をつなぎとめようと
小梅は手紙に思いをしたためる。

しかしその頃、
磯辺はポケットの中にスタンガンを握りしめ、
夜道に足を踏み出していた……。

【感想】
原作漫画が2巻しかないので、
それを読んでからの鑑賞。
もともとが短いのでほぼまるっと映像化されている。

閉塞感ある青春映画って感じ。
田舎町という環境がそう感じさせるのかもなー。
中学2年生という心も体も大人へ近づいていく多感な年頃。
そこから芽生える性の目覚め。
頭や心よりも体が優先される。
興味と快感が、
曖昧な関係性への違和感を中和していく。

そもそものきっかけは些細なことなんだよ。
小梅が憧れの先輩にフラれたヤケクソでの磯部とのセックス。
相手に彼を選んだのは、
かつて自分に告白してくれたから。
自分を好きな人のことって、
自分も好きになりやすいよね。
磯部からしたら、
好意を利用された形にはなるけど、
結果オーライじゃんって(笑)

ただ、あれだけセックスを繰り返しながら、
小梅はなかなか磯部への好意を認めない。
ヤケクソでヤッてしまったこと。
一度フッた手前、
体を許したからといってホイホイついていく
安い女に見られたくなかったこと。
先に体を重ねてしまったことで、
心が追い付いていなかったこと。
理由はいろいろあるんだろう。

一方、磯部もあんまり強く付き合ってとは言わない。
きっとこの関係をなるべく維持したいっていう心理はあったと思う。
片想いの子とヤリまくれるなら、
わざわざ手放したくはないよね。
ただ、気持ちが届く前に、
そういうことになっちゃったせいか、
やや小梅に対する扱いが雑な気もする(笑)
そりゃ両想いになれて、付き合って、セックスする
という一応の順序がある中で、
いきなりゴールしちゃったから。
ありがたみは薄そう。

最後の最後で、
ようやく小梅は自分が抱いていた気持ちと向き合うけれども。
そこは切なかったなー。
タイミングが違えば、
もっと早く素直になっていれば、
違った未来が待っていたかもしれないから。

一方、ラストの磯部はよくやったと思う。
自分の尊厳を保ち、
相手のペースに巻き込まれずに済んだ。
ここが立場逆転が最も明確化されるところ。
小梅が振り回していた状況が、
逆に振り回される側になるから。

でも、この曖昧な関係性が、
お互い心の隙間を埋めるのに最適な形だったのかも。
家族や恋人、友達という決められた関係性だと、
言うに言えないこともある。
そのどれにも当てはまらないから、
居心地がよかったのかなって。
「セフレ」っていう見方をすれば、
上記のような決められた関係性の範疇に入ってしまうけれど、
セックスを楽しむことを目的としているわけではないから、
それとは違うかなと。

それにしても、小梅を演じた石川瑠華さんの体当たり演技はすごかった。

映画『うみべの女の子』公式サイト 8月20日(金)新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか公開

浅野いにおの傑作マンガ「うみべの女の子」を実写映画化!出演:石川瑠華 青木柚 前田旺志郎 中田青渚 倉悠貴 村上淳 監督・脚本・編集:ウエダ...

映画『うみべの女の子』公式サイト 8月20日(金)新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか公開

 

蛇女のメンヘラサイコパスっぷりが全部持って行った『プロミス・シンデレラ』

2021年09月14日 23時58分47秒 | ドラマ
【個人的な評価】
2021年夏ドラマで面白かった順位:4/5
 ストーリー:★★☆☆☆
キャラクター:★★★☆☆
    映像:★★★☆☆
    音楽:★★★☆☆

【以下の要素が気になれば観てもいいかも】
ラブコメ
サイコパス
メンヘラ

【あらすじ】
つつましく、専業主婦として幸せに平穏な暮らしをしていた桂木早梅(二階堂ふみ)。
しかし、結婚1年足らずのある日、
突如として夫の今井正弘(井之脇海)から
「他に幸せにしたい人ができた」
と一方的に離婚を切り出されてしまう。

早梅はそのショックから家を飛び出すものの、
スリに有り金をすべて奪われ、
バツイチの無一文、無職、宿無しになってしまう。

そんな早梅が公園で野宿生活を始めて数日後、
目の前に金持ちのイケメン高校生・片岡壱成(眞栄田郷敦)が現れる。
彼は高級老舗旅館「かたおか」の御曹司で、
後継ぎで副社長の兄・成吾(岩田剛典)とは対照的に、
性格も素行も極めて悪い。
崖っぷち状態の早梅に興味をもった壱成は、
彼女で暇つぶしをしようと自分の屋敷に連れて行く。

壱成から、ただで泊めてやる代わりに
“リアル人生ゲーム”をやろうと持ち掛けられる早梅。
サイコロを振って、
出た目のミッションをクリアすれば
賞金をゲットできるというものだ。
悪趣味なゲームに早梅は腹を立てるが、
とある事情で背負ってしまった借金返済のため、
参加せざるを得ない状況に。

そんな状況の中、
ひょんなことから旅館で働くことになった早梅。
同僚からの嫌がらせや成吾との再会、
出入りしている芸者の菊乃(松井玲奈)との交流など、
早梅を取り巻く環境が大きく変わっていく。

【感想】
第1話はけっこう好きだった!
御曹司のイケメン高校生に、
自分の意見を主張しまくるヒロインってところに
『花より男子』っぽさを感じて(笑)

が、しかし。。。
個人的には第2話からちょーっと失速してしまったかなという印象だった。
途中から罰ゲームの要素は一切なくなり、
自己承認欲求の強い男子高校生と、
行き場のない崖っぷちアラサー女子の普通のラブコメへ。
さらに、このドラマでも三角関係が2つ。
成吾と壱成で兄弟に寄る早梅の取り合い。
で、菊乃は成吾がずっと好き。

ただ、ここの関係性にあまり惹かれなかったのは事実。
理由としては、成吾のキャラクターが弱かったかなって。
もっと気持ちを全面に出してなりふり構わないところを見たかった。
そうすることで、もっと面白い人間ドラマになったんじゃないかと。

それか、彼が菊乃と"そういう関係"であったことを
もっと明示したらよかったかも。
そうすれば、「あー、ここはオトナなアレなんですね、土俵が違うんですね」
ってことで、もっとキャラが立ったかもしれない。
結局、菊乃がセリフでサラッと
「あら、もうあたしとはそういうことできない?」
って言ってるだけだったし。

その菊乃自身はね、
目立つキャラでよかった。
壱成に「蛇女!」って言われるぐらい、
虎視眈々と早梅を陥れようと狙っている悪女。
でも、その動機自体は早梅に対するただの逆恨み。
それで、壱成は拉致するわ、
最後に自殺しようとするわで、
メンヘラサイコパスだったのよ。
ちょっと扱いが雑だったかなー(笑)
しかも、それが最終回で出てくるから。
かなり唐突感が強い。
松井玲奈の演技はすごくよかったけど。

つまるところ、早梅が壱成に惹かれたポイントは、
粗削りだけど素直でまっすぐに気持ちを伝えてくるところ、、、かな。
早梅はよく「あたしの方が10個も年上だし、、、」
って口にしてたけど、
ここではあんまり関係ないと思うんだよ。
だって、壱成と早梅との絡みって家か旅館でしかなく、
彼が高校生であることを意識する瞬間ってそんなにない気がする。
これが学校とかだったら、
より一層お互いの立場を意識するだろうけどさ。
ひとつ屋根の下で暮らしている状況を踏まえると、
年齢は意味を持たず、
より相手の人間性で判断すると思う。

大人になると、
頭でいろいろ考えて、
気持ちだけを素直にぶつけてくる人っていなくなる。
さらに、旦那に捨てられ(これは仕組まれたものだったけど)、
住む場所もなくなったという踏んだり蹴ったりの状況。
そこに、もともとの「なるようになるさ」的な性格も踏まえると、
早梅が元気いっぱいの高校生に惹かれるのもうなずけるかも。
まあ、男っていうより、
もう少し弟とか家族的なポジションで見ている気もするけど(笑)

あとね、金子ノブアキの声が凄まじくよかった。
イケボ。

火曜ドラマ『プロミス・シンデレラ』|TBSテレビ

TBSテレビ:火曜ドラマ『プロミス・シンデレラ』の公式サイトです。

TBSテレビ

 

小学生の頃の恋愛が続いちゃうのは美男美女だけに生じる限定イベントなんじゃないかっていう『彼女はキレイだった』

2021年09月14日 23時54分21秒 | ドラマ
【個人的な評価】
2021年夏ドラマで面白かった順位:3/4
 ストーリー:★★★☆☆
キャラクター:★★★☆☆
    映像:★★★☆☆
    音楽:★★★★☆

【以下の要素が気になれば観てもいいかも】
ラブコメ
同級生
出版社
ファッション雑誌

【あらすじ】
子供の頃、美少女でクラスの人気者だった佐藤愛(小芝風花)は、
親友の桐山梨沙(佐久間由衣)と2人暮らし。
28歳の誕生日にバイトをクビになり、
今やすっかりダサくなった自分の容姿や、
何もかもうまくいかない人生に激しく落ち込む。

そんなある日、
アメリカへ引っ越した初恋の相手・長谷部宗介(中島健人)から、
「帰国するので会いたい」とメールが届く。
気弱で太っていたことから、
いじめられっ子だった宗介。
しかし、愛は彼の優しい一面が大好きで、
2人は両想いだった。

久しぶりの再会に胸を躍らせる愛だったが、
待ち合わせ場所にいた宗介は、
昔の面影などまったくない洗練されたクールな男に成長していた。
それに比べて自分は——。
幻滅され、嫌われることを恐れた愛は、
急遽、代役として梨沙を宗介の元へ向かわせる。

相手がニセモノの愛だとは知らず、
再会を喜ぶ宗介。
懐かしい思い出がよみがえり、
またあの頃のようにいっしょにいたいと願う宗介に、
愛は明日からイギリスに留学すると告げる。
それは、楽しかった思い出を残したまま、
もう会わないと決めた愛の悲しいウソだった。

しばらくして、
大手出版社に採用された愛は、
ファッション誌『ザ・モスト』の編集部で働くことになる。
しかし、売上は低迷しており、
雑誌存続の危機に。
その立て直しのためにやってきた
クリエイティブディレクター兼副編集長が、
なんと宗介で…。

【感想】
何だかんだで今季一番のトレンディドラマ感あったかなー。
身近なところで恋のベクトルがあちこち向かう。
そうして出来上がる佐藤愛を中心とした2つの三角関係。

愛は宗介が好きだけど、
樋口拓也(赤楚衛二)はそんな愛が好き。
梨沙も宗介が好きだけど、
宗介は愛が好き。
もうね、微笑ましく観ていたよ。
若いっていいなって。

でも、今どきの三角関係って穏やかなんだね。
一昔前のドラマなら、
けっこうガチで奪い取るみたいな、
ずるがしこいことしてでも振り向かせるみたいな、
そういうのあったけど。
特に脇役の方がね、
いろいろけしかけたりしてた気がする。

樋口は「負けませんから」みたいに、
宗介に宣戦布告してたけど、
恋愛においては何か大胆な行動するかっていうとそうでもなかったし。
なんか、大人しくていい子たちだった、みんな。
まあ、ドロドロしたのは、
今は深夜ドラマでやるんかね(笑)
韓国ドラマの方観てないけど、
なんとなく韓国ドラマの方が面白そうな気がした。

あと、こういうドラマっていろいろツッコミどころがあって、
それを楽しむのも一興だと思ってる。
このドラマで一番感じたのは
「小学校のときの恋愛を引きずりすぎじゃない?」ってこと(笑)
高校生ならまだわかるけどねー。
これはもはや美男美女だからこそできる芸当で、
凡人からしたらSFやファンタジーと同等の世界観じゃなかろうか(笑)

それにしても、途中からキャラ変しすぎた宗介の様子のおかしさときたら。
きっかけは第4話だったね。
愛と宗介がいっしょに出張行ってから、
2人の間に何かが芽生えちゃった。

第8話では、
宗介から「いっしょに出社しよう」って誘ってて。
新卒かよって。
そんな浮かれポンチ全開なもんだから、
樋口に「バカなんですか?」って言われる始末。
ここは笑った。
上司に何の躊躇もなく言い放つ樋口の正直さ(笑)

まあ、中島健人は"副編集長"ってガラじゃなかったよね。
その若々しい見た目は、
むしろ"エース"っていう方がしっくりきたかもしれない。

それにしても、最終回はちょっとこれまでの話と比べると浮いてたかな(笑)
恋愛がひと段落して、
いきなり「人生は楽しむべし!」っていう話に変わってて。
しかも、後半でものすんごいキスきたから。
これまでプラトニックな感じだったのに、
いきなりお互いの顔を食べるかのような熱いキス。
あまりにも行動が違ってて、
思わず吹いてしまった(笑)

そういえば、最後は一部生放送になってたけど、
ほんの数十秒だけ。
短すぎてもはや収録との差がわからなかった(笑)
前に日テレでやってた
『THE LAST COP/ラストコップ』(2016)の方が、
視聴者がその後の展開を選べる点で手法として面白かったなー。

個人的には、
絵本作家役に日髙のり子さんをキャスティングしてくれたのがツボだった。
声だけで癒される。

彼女はキレイだった | 関西テレビ放送 カンテレ

中島健人と小芝風花が初共演で、フジテレビ系連ドラにW主演! イケメンエリートと残念女子の“初恋すれ違い”ラブストーリー!

彼女はキレイだった

 

医療モノという枠に捉われないヒューマンドラマ、キャリアアップドラマって印象だった『ナイト・ドクター』

2021年09月13日 23時16分17秒 | ドラマ
【個人的な評価】
2021年夏ドラマで面白かった順位:2/3
 ストーリー:★★★☆☆
キャラクター:★★★★☆
    映像:★★★☆☆
    音楽:★★★★☆

【以下の要素が気になれば観てもいいかも】
医療モノ
救急医療
コード・ブルー
ジャニーズ
キンプリ

【あらすじ】
柏桜会あさひ海浜病院では、
病院スタッフの働き方改革を目指し、
夜間救急専門のチーム「ナイト・ドクター」を設立することに。

夜間救急は慢性的な医師不足、
救急車難民、コンビニ受診など問題は山積みだが、
救うべき命があることに変わりはない。

そこで"夜の病院を守る"という重要な使命を果たすため、
5人の若き医師たちが集められた。

強い志を持つ者、
自分の意志とは裏腹にやってきた者など、
思惑は様々だが、
訳ありの5人の医師たちが時にぶつかり、
時に励まし合いながら、
命に真摯に向き合っていく。

とはいえ、彼らも仕事を終えればひとりの人間。
家族や恋人、
そして自分自身の悩みや問題に直面することも。

果たして、ナイト・ドクターたちは、
崩壊寸前の現代の救急医療を救う一筋の光となるのか。

【感想】
日曜日の『TOKYO MER~走る緊急救命室~』からのこれ。
しかもこっちも救命救急寄り。
医療大国ニッポンかなって(笑)

『TOKYO MER』は圧倒的なキャラクター性を持っていた喜多見チーフの下、
「患者の命を救うこと」に特化していた。
『ナイト・ドクター』はちょっと方向性が違って、
5人の若者の群像劇と成長譚に焦点が当たっていたかな。
だから、『コード・ブルー』っぽさをやや感じる(笑)

もちろん、こちらも運ばれてきた患者は全員助けるという
(特に朝倉美月(波瑠)の)想いはある。
でもそれ以上に、
医者である前の「ひとりの人間として」
どうあるべきかを伝えていた気がする。

母親を亡くした朝倉だからこそ、
助けられる命は何だって救いたいと主張する朝倉。
生まれつき心臓が悪いからこそ、
不公平という状況に敏感で、
自ら運命を切り開くことを望む桜庭(北村匠海)。
美容クリニックをやっていた両親から整形を勧められ、
あるがままの自分に自信が持てずに着飾ってばかりいた高岡(岡崎紗絵)。
患者への配慮が足りず、
起訴されてしまったことで、
患者に寄り添うことを身をもって痛感した成瀬(田中圭)。
技術も知識も十分にあるのに、
一歩踏み出す勇気が足りなかっただけで、
いつもみんなから出遅れていた深澤(岸優太)。

5人とも育った環境や過去の経験、
自分の性格によって生じている問題や壁と向き合い、
乗り越えていく過程は、
青春モノに近い雰囲気も感じた。

さらに、昨今の働き方改革の影響を受けたかのようなメッセージも印象的で。
それは、長い人生の中でやりたいことをひとつに絞る必要はないというもの。
だから、ナイト・ドクターと並行して、
成瀬は脳外科の勉強をするし、
桜庭はビジネススクールに通うし、
キャリアの築き方も現代っぽいなと感じる部分はあった。
だいぶ意識高いなって気もするけど(笑)

なので、舞台は病院だけど、
中身としては医療モノというより、
もっと広い意味でのヒューマンドラマや
キャリアアップドラマとも捉えられるかなー。
けっこう自分と向き合う話が中心だったので、
医療モノに多い緊迫感やスリル、
わかりやすい対立構造やチームワークって要素は薄かったかも。
あと、毎回ポエムで始まり、
ポエムで終わるってのは、
個人的にはなんかちょっと苦手だった(笑)

そして、全話観て思ったのが、
岸優太の演技がとてもよかったということ。

NightDoctor/ - フジテレビ

Night Doctor - オフィシャルサイト。毎週月曜よる9時放送。波瑠、田中 圭、岸 優太、岡崎紗絵、北村匠海

フジテレビ

 

要素がとっ散らかってる印象だった『ボクの殺意が恋をした』

2021年09月12日 23時51分47秒 | ドラマ
【個人的な評価】
2021年夏ドラマで面白かった順位:2/2
 ストーリー:★★☆☆☆
キャラクター:★★☆☆☆
    映像:★★★☆☆
    音楽:★★★☆☆

【以下の要素が気になれば観てもいいかも】
アクション
ラブコメ
暗殺者

【あらすじ】
男虎柊(中川大志)は、
幼い頃に両親を亡くし、
両親の友人・男虎丈一郎(藤木直人)に育てられた。
ある日、丈一郎は何者かに撃たれて亡くなってしまう。

突然の出来事に柊は悲しみ、混乱するが、
丈一郎と知り合いの刑事・綿谷詩織(水野美紀)から
驚くべき事実を聞かされる。

それは、警察にはSecret Operation Service・通称SOSという
極秘の殺し屋組織があり、
丈一郎はSOSに所属する殺し屋だったというのだ。
そして、彼を殺したのは人気漫画家の鳴宮美月(新木優子)だと告げる。
事件現場付近の監視カメラには、
美月が丈一郎を撃ち、
海に落とすまでの一部始終が映っていたからだ。

しかし、それはフェイクだった。
ある事情で美月に扮していたのは、
実は柊の初恋の相手、葉山葵。
さらに、丈一郎を殺した真犯人は別にいて、
その人物は葵と絡む重大な過去と密接な関係があった。

真犯人の正体とは。
そして、柊や葵を巻き込んだ事件の結末とは。

【感想】
要素がミックスされすぎて、
ちょっとついていけなかった。。。
殺すべきターゲットをいつも結果的に救ってしまい、
しかもボディガードまで依頼されるという
コメディのままでいて欲しかった(笑)

結局、最初からそうなんだけど、
葵を助けしまうのは柊の意志なので、
そもそも大して復讐する気なかったんじゃないかって。
それなのに復讐にフォーカスするから、
ガチなのか冗談なのかわからなくて。。。

しかも、真犯人は別にいて?
死んだ人は死んでなくて?
っていう、後からどんどん要素が足されていくから、
ちょっとお腹いっぱい。
しかも、葵は柊の初恋の相手って、
小学校のときの気持ちを
いつまで引きずってるんだっていう違和感。

サスペンス路線に持っていきながら、
コメディ要素もありーの、
ラブストーリーも入れーので、
途中からよくわからなくなっちゃった。
最終回とかもう無理矢理風呂敷を畳んだ感(笑)

あと、キャラクターも謎めいていたのが、
この物語に入り込めなかった一因ではあるかな。。。
まずは、デスプリンス(鈴木伸之)の意味不明さ(笑)
『ルパンの娘』の円城寺さんを彷彿とさせるキャラだけど、
葵を狙っていたのが、
いつの間にやら恋心に変わっていたのが謎。

途中から出てきた莉奈(松本穂香)も、
キャラ自体は不思議ちゃんだけど、
物語上必要だったかなっていう。
もはや中川大志といっしょにいるのを見ると、
「auのCMでは?」って思うほど(笑)

他にも、『キングスマン』や『ベスト・キッド』などの
洋画の要素もあったけど、
"形だけ"だったからあまり見映えせず。。。

第9話で、
柊と葵はいっしょにいると、
お互いに「殺そうとしたこと」と
「殺されそうになったこと」を思い出すから
離れ離れになる選択をしたはずなのに、、、
結局くっついたな。。。
そんな割り切れるものだろうか。

総じて、いろんなものを入れ込みすぎて
よくわからなくなってしまったというのが
正直なところでした。。。

ボクの殺意が恋をした|読売テレビ・日本テレビ系

中川大志 主演!身体能力100点 ルックス100点 でも、殺しの才能0点。最高に“間が悪い”殺し屋が、標的を殺すどころか恋しちゃう⁉殺意と恋...

ボクの殺意が恋をした|読売テレビ・日本テレビ系

 

喜多見チーフのキャラクターが圧倒的かつ医療従事者たちへの最大限の賛辞ドラマだった『TOKYO MER~走る緊急救命室~』

2021年09月12日 23時48分35秒 | ドラマ
【個人的な評価】
2021年夏ドラマで面白かった順位:1/1👑
 ストーリー:★★★★★
キャラクター:★★★★★
    映像:★★★★★
    音楽:★★★★★

【以下の要素が気になれば観てもいいかも】
医療モノ
救急医療
型破りの医者
恩を仇で返す

【あらすじ】
事故・災害・事件の現場へと駆けつけて、患者を救うために発足した救命救急チーム“TOKYO MER”。

チームメンバーは7人。
チーフドクターの喜多見幸太(鈴木亮平)、
研修医・弦巻比奈(中条あやみ)、
看護師・蔵前夏梅(菜々緒)と
ベトナム人看護師・ホアン・ラン・ミン(フォンチー)、
麻酔科医・冬木治朗(小手伸也)、
臨床工学技士・徳丸元一(佐野勇斗)。
そして、厚生労働省の官僚であり医師の音羽尚(賀来賢人)。
その誰もが救命医療のスペシャリストたちだ。

大規模な事故や災害が起きると、
チームは現場へと急行する。
自分たちの危険は顧みず、
常に被害者の命を最優先するメンバーたち。
時には、複数の患者を危険極まりない事故現場で
オペをするという前代未聞な行為も。

特に喜多見はその意識が顕著で、
過去にはテロリストを救ったこともある。
それがやがて大きな悲劇につながるとことも知らずに。。。

TOKYO MERの解体を目論む勢力もある中、
果たして彼らの運命は。。。

【感想】
今季最初の最終回。
そして、個人的には今季一番面白いドラマだった。

緊急性の高い大規模な事故や災害。
現場に急行し、
多くの患者の治療に当たるTOKYO MERのメンバー。
その緊迫感あるストーリーは、
それだけでスリリングな体験ができた!

しかも、キャラクターの描かれ方も秀逸で。
決めゼリフじゃないけど、
「医師の喜多見です〜」ってのは、
聞くだけで安心する力があったよね。
彼の真っ直ぐかつ情熱にあふれたリーダー像は、
上司に欲しいと思った人も少なくないのでは。

喜多見チーフのよかったところは、
大胆な行動力と的確な判断力、迅速な決断力。
敵でも救うことを厭わない明確な医師としての役割を貫く姿勢。
それ以上に、弱音、悪口、愚痴、不満などの
ネガティブ発言を一切しなかったこと。
どんなに嫌な人がいて、
途中までいがみ合っていたとしても、
「あなたが協力してくれたおかげです」
とポジティブに相手を褒める姿勢は素敵だなと思った。
そんな背中を見ているから、
チームのメンバーも育つんだよなあ。

それだけに、妹の鈴香(佐藤栞里)が
爆発の犠牲になったときは涙なしには観れなかったね。。。
あれだけポジティブの塊だった喜多見チーフが
絶望のどん底に陥ってしまって。

そこがこのドラマの一番の見どころだったと思う。
これ、毎週「死者は……ゼロです」
と清川標(工藤美桜)が報告するのがお決まり。
毎週数字を報告するから、
勘のいい人は「これ絶対どこかで死者1名ありうるだろ」って思ったはず。
僕はTOKYO MERのメンバーの誰かかなって予想してたんだけど、、、
まさかの最終回直前にて、
しかも喜多見チーフの妹っていう。。。
"0"以外の意味がない状況が、
ついに"1"になってしまう衝撃は大きい。
ここまで数字を意識したドラマもそうはないんじゃないかな。

『ワンピース』や『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』もそうなんだけど、
"完全敗北"がある物語って面白い。
どん底からの復活劇が映えるから。
あんまり日本のドラマでそこまで大きな敗北ってないんだけど、
このドラマはそれをやってのけた。
だからこそ、ここまで印象深い作品に仕上がったのかなと。

音羽先生のキャラクターも好きだったなー。
最初はTOKYO MERの解体を目論む勢力からの差し金だったからね。
常にみんなから一歩引いたところにいて。
『鳥人戦隊ジェットマン』(1992)の
ブラックコンドルを彷彿とさせる役どころがハマる要素だった。
でも、彼は彼で目指すべき医療の形があって、
実はメチャクチャ日本の未来を考えているっていうギャップに萌えたよ。
第1話の最後に、
喜多見チーフと握手しなかったから、
最終回ではするかなと思ったけど、しなかったね(笑)

世界は今コロナ禍真っ只中。
医療従事者の方々の働きには感謝してもしきれない。
このドラマは、
そんな医療従事者を主軸にして、
彼らの苦悩と葛藤、あるべき姿、果たすべき役割をかっこよく描き、
それらに対する最大の賛辞を贈っていた。
濃厚かつテンポのよいストーリーに、
個性的なキャラクターが加わって、
本当にハリウッド映画並みの感動と興奮があるドラマだった。
やっぱりエンタメには、
現実を応援する力があるということを改めて感じたよ。

TBSテレビ「日曜劇場『TOKYO MER~走る緊急救命室~』」

TBSテレビ 日曜劇場『TOKYO MER〜走る緊急救命室〜』の公式サイトです。毎週日曜よる9時放送。主演・鈴木亮平。共演は賀来賢人、中条あ...

TBSテレビ

 

バレていないと思っていることは大体バレている『先生、私の隣に座っていただけませんか?』

2021年09月11日 21時07分28秒 | 映画


【個人的な評価】
2021年日本公開映画で面白かった順位:131/190
   ストーリー:★★★★☆
  キャラクター:★★★☆☆
      映像:★★★☆☆
      音楽:★★★☆☆
映画館で観るべき:★★★☆☆

【以下の要素が気になれば観てもいいかも】
ヒューマンドラマ
ラブストーリー
不倫
漫画家

【あらすじ】
漫画家・佐和子(黒木華)の新作漫画のテーマは…「不倫」。
そこには、自分たちとよく似た夫婦の姿が描かれている。
佐和子の担当編集者・千佳(奈緒)と不倫をしていた夫である俊夫(柄本佑)は、
「もしかしたらバレたかもしれない!」と精神的に追い詰められていく。

さらに物語は、佐和子と自動車教習所の若い先生(金子大地)との淡い恋へ急展開。
この漫画は、完全な創作?ただの妄想?
それとも俊夫の不貞に対する、
佐和子流の復讐なのか!?

恐怖と嫉妬に震える俊夫は、
やがて現実と漫画の境界が曖昧になっていく…。

【感想】
不倫がテーマのヒューマンドラマ?ラブストーリー?な映画。
最後まで観て、初めてタイトルの意味がわかります。

特徴的なのは、
決して「不倫ダメ絶対」みたいな方向性にしていないこと。
不倫そのものの是非や、
それを責め立てるといったこともない。
夫の不倫を知った後、
妻がどう出るかに焦点を当てた人間ドラマだね。
淡々と漫画にしたためていくのが
無言のプレッシャーになってるのが秀逸。
また、不倫がバレそうになった夫の
ドギマギしている姿を楽しむ映画でもあったと思う(笑)

佐和子の描く漫画に出てくる登場人物や設定が、
現実世界の自分たちにそっくりすぎてビビりまくる俊夫。
現実なのか創作なのか見分けがつかず、
観ているこちらもどこまでが本当で
どこからがフィクションなのか最後までわからない。
そのちょっとサスペンス感ある雰囲気は面白い。

個人的には、佐和子のお母さんがよかった。
すべてを悟っていたかのような。
なお、お父さんについては触れられていなかったけど、
もしかしたら過去に今回と同様のことが、、、?
なんて妄想してみるのも楽しいかも。
ある意味、このお母さんの存在が一番大きかったかもしれない。

映画『先生、私の隣に座っていただけませんか?』公式サイト | 9月10日(金)公開

黒木華×柄本佑W主演! ウソとホンネが交錯する、漫画家夫婦の心理戦『先生、隣に座っていただけませんか?』

映画『先生、私の隣に座っていただけませんか?』公式サイト

 

スプラッター少なめ、刑事サスペンス多めで、「あー、そういう感じ?」だった『スパイラル:ソウ オールリセット』

2021年09月10日 22時44分17秒 | 映画


【個人的な評価】
2021年日本公開映画で面白かった順位:134/189
   ストーリー:★★★☆☆
  キャラクター:★★★☆☆
      映像:★★★☆☆
      音楽:★★★☆☆
映画館で観るべき:★★★☆☆

【以下の要素が気になれば観てもいいかも】
サスペンス
ホラー
スプラッター
刑事モノ
人肉

【あらすじ】
地下鉄の線路上。
舌を固定され、宙吊りの男。
舌を引き抜いて生きるか、
ぶら下がったまま死ぬか?

猛スピードの電車が轟音を立てて迫り、
やがて無残にも男の体は四散する。
それはジグソウを凌駕する猟奇犯が仕掛けた、
新たなゲームの始まりだった――。

ターゲットは《全て警察官》。
不気味な渦巻模様と青い箱が、
捜査にあたるジーク(クリス・ロック)と
相棒ウィリアム(マックス・ミンゲラ)を挑発する。
やがて、伝説的刑事であるジークの父・マーカス(サミュエル・L・ジャクソン)までもが姿を消し、
追い詰められていくジーク。

ゲームは追うほどに過激さを増し、
戦慄のクライマックスが待ち受ける。

【感想】
『ソウ』シリーズ最新作。
この映画のために過去作すべて観たので、
この1週間はソウ漬け。
もはや人生の半分ぐらいの
スプラッターを吸収したかもしれない(笑)

予告はだいぶ煽ってはいるけど、、、
正直インパクトは薄かったかなー。
巷では「ジグソウを凌駕する猟奇犯」やら
「凄惨で新しいゲーム」やら言われているけどね。
個人的には「いや、ジグソウの方がヤバかったでしょ」って思う。

このシリーズに何を求めるかによるけど、
スプラッターを期待していると、
だいぶ物足りないかも。
その分、サスペンス要素が強くなっていて、
これは前作に引き続きって感じ。

このシリーズ、『1』は秀逸な設定で面白かった。
続く『2』~『7』がただのスプラッターなんだよね。
よくもまあそんな装置作るよねってぐらいの殺人装置に囚われる人々。
体の一部を犠牲にないと抜け出せない構造。
で、ほとんどの人がグッチャグチャになって死ぬ。
「そんなんなる?」ってぐらいに腸は出るし、
骨は出るしのB級感(笑)

8作目の『ジグソウ:ソウ・レガシー』(2017)から方向性が変わったかな。
スプラッターシーンは控えめになり、
推理要素が強くなった。
真犯人が誰かを追っていく展開で、
ラストに驚きの結末っていう。

今作はその流れを引き継いでいる。
相変わらず死に方はエグいけど、
そこはもはや見せ場ではない。
警察官が次々と殺されていく中で、
真犯人を追う刑事モノを主軸にしたサスペンス映画だ。
その点、緊迫感とスピード感はあったと思う。

とはいえ、ラストのオチを観ても特に驚きはないぐらい普通(笑)
というか、1週間ずっとこのシリーズを観ていた身からしたら、
もうそのオチしかないよねって思っちゃう。
多分、勘のいい人ならすぐにわかるかと。。。

あと、特に印象的な部分としては、
人が殺される背景が過去作と一線を画すかなってこと。
シリーズを観てきた人にしか違いがわからないかもしれないけど。

これまではジグソウの思想が色濃く出ていたんだよね。
「命のありがたみを知って生きる」
「過去に犯した罪を償う」
囚われた人々はジグソウとは何の関係もなく、
その生き方を改めるためにゲームに参加させられていた。

ところが、今作はそうではない。
ジグソウの模倣犯である"真犯人"は、
ある強い目的のために行動しているわだ。
それが何なのかは、
ぜひその目で確かめて欲しい。。。

全体的にそこまで衝撃的ではないけど、
内容からして観るなら映画館がいいかな。
ちなみに、続きはありそうな予感。
この映画のヒット次第だとは思うけど(笑)

映画『スパイラル:ソウ オールリセット』公式サイト 9.10(fri)

映画『スパイラル:ソウ オールリセット』公式サイト 9.10(fri)

 

暗殺者からの逃亡劇×山火事という前代未聞なミックスジャンル『モンタナの目撃者』

2021年09月09日 20時58分53秒 | 映画


【個人的な評価】
2021年日本公開映画で面白かった順位:153/188
   ストーリー:★★★☆☆
  キャラクター:★★★☆☆
      映像:★★★☆☆
      音楽:★★★☆☆
映画館で観るべき:★★☆☆☆

【以下の要素が気になれば観てもいいかも】
アクション
銃撃戦
山火事
レスキュー

【あらすじ】
過去に山火事における任務失敗から大きなトラウマを抱える
森林消防隊員のハンナ(アンジェリーナ・ジョリー)。
彼女はある日の勤務中、
暗殺者による父の死を間近で目撃し、
暗殺者に追われる少年コナー(フィン・リトル)に出会う。

彼は父親が命がけで守り抜いた
"秘密"を握るたった一人の生存者だった。
ハンナは自分と同じく、
大切な人を亡くしたコナーを
暗殺者から守るために戦うと心に決める。

秘密を求めてコナーの命を執拗に狙う暗殺者たちが刻一刻と迫る中、
目前に広がるモンタナの大自然で未曾有の山火事が立ちはだかる。

2つの脅威に行く手を阻まれる極限状態で、
ハンナはコナーを守り戦い抜くことはできるのか。

【感想】
暗殺者から逃げてたら目の前には山火事が!
というまさかのミックスジャンル映画。
その謎な組み合わせを映画にしちゃうのは、
さすがハリウッドだと思う。
ただ、正直、どちらも中途半端になっちゃったかなという印象。。。(笑)

まず、この暗殺者たちが何者なのかが劇中で一切語られないのよ(泣)
コナーの父親は地方検事に雇われていた会計士。
その地方検事の家が暗殺者たちによって爆破されて、
会計士だった彼も狙われるハメに。
何か秘密があったっぽいのだけど、
詳細はわからないまま。
執拗に追いかけてくるので、
とりあえず逃げるしかない。

そして、ハンナ。
森林消防隊という設定ではあるんだけど、
劇中でそれらしい活動は一切なし(泣)
過去に風の動きを読み誤り、
山火事で仲間を失ったという過去はあるんだよ。
でも、現在において彼女を含む森林消防隊が活躍するシーンはない。
そうなると、そもそも森林消防隊である意味が。。。(笑)

なかなか見どころを紹介しづらいのだけど。。。
暗殺者から追われる緊迫感。
そして、物語後半で襲ってくる山火事の脅威。
あとは、モンタナ州の広大な自然。
それぐらいかなあ。
人物背景が語られなさすぎて、
薄い映画になってしまった気がする。

ただ、僕はマーベルの『エターナルズ』を観る前に、
アンジェリーナ・ジョリーを観たかったので、
その点では満足。
相変わらずパワフルでエネルギッシュな彼女の姿はやはりかっこいい。

それにしても、舞台がモンタナで、主人公の名前がハンナって。
ハンナ・モンタナっていうキャラクターいるんだけどな(笑)

映画『モンタナの目撃者』| 大ヒット上映中!

映画『モンタナの目撃者』公式サイト。アンジェリーナ・ジョリー主演。モンタナの大自然で出会った2人の”目撃者” 太刀打ちできない2つの脅威 予...

映画『モンタナの目撃者』| 大ヒット上映中!

 

ファッションよりむしろ熟年恋愛が気になる『テーラー 人生の仕立て屋』

2021年09月08日 23時14分26秒 | 映画


【個人的な評価】
2021年日本公開映画で面白かった順位:152/187
   ストーリー:★★★☆☆
  キャラクター:★★★☆☆
      映像:★★★☆☆
      音楽:★★★☆☆
映画館で観るべき:★★☆☆☆

【以下の要素が気になれば観てもいいかも】
ヒューマンドラマ
ファッション
仕立て屋
スーツ
ウェディングドレス

【あらすじ】
アテネで36年間、
高級スーツの仕立て屋店を父と営んできた
寡黙なニコス(ディミトリス・イメロス)。
だが、不況で店は銀行に差し押さえられ、
そのショックで父は倒れてしまう。

崖っぷちのニコスは店を飛び出し、
あることを思いつく。
病院で見たキャスター付きの台をヒントに、
手作りの移動式屋台で仕立て屋を始めたのだ。

しかし、道端で高級スーツは全く売れず、
商売は傾く一方。
そんなとき、思いがけないオファーがくる。
「ウェディングドレスは作れる?」
これまで紳士服一筋だったニコス。
思い切ってオーダーメイドのドレス作りを始めるが──。

【感想】
移動式仕立て屋という面白い設定の映画。
服、特にスーツ好きの人は観てもいいかも。
ニコスとその父親の着こなしがとてもかっこいいから。

ライトグレーにブルーの線が入った
チェック柄のスーツ。
絶妙なストライプの入った
ダークグレーやワインレッドのスーツ。
外人さんにしか着こなせないんじゃないか
っていうデザインがかっこいい。
ネクタイとチーフの色を合わせるセンスもよかった。

ただ、主人公のニコスがほとんどしゃべらないし
表情も変わらないんだよね(笑)
もともと寡黙な性格という設定ではあるんだけど。
にしても、セリフらしいセリフもないから、
なかなか気持ちが読み取りづらいのよ。
客の無茶ぶりにイラついているのかどうか。
隣人のオルガ(タミラ・クリエヴァ)と
距離が縮まることにトキめいているのかどうか。
まあ、オルガって夫と子供いるんだけどね!
こんな無口で仏頂面なおっさんだけど、
なんか2人いい感じだからね!
なお、本流と関係ないこのエピソードが、
個人的にはこの映画で一番面白いところだったっていう(笑)

全体的にみなまで語らない映画だから、
観客側でちょっと推測しなくちゃいけないところはある。
そのシーンではすべてを語らず、
その後のシーンを観て、
「ああ、結局こうだったんだな」って。
特に、ニコスとオルガの夫との関係なんかはまさにそれ。

他に気になる点としては、
ニコスの仕立て屋としてのスキル。
スーツは当然作れるのだけど、
ウェディングドレスは初めてのはず。
なのに、しょっぱなからトントン拍子で
うまく作れちゃうっていう。
もっと試行錯誤するもんだと思ってたけど、
そこは意外とあっさり。

なので、設定自体はとても面白い映画ではあるんだけど。。。
展開自体も淡々としているということもあり、
予告から得られる期待は超えられなかった印象だったかなー。

映画『テーラー 人生の仕立て屋』公式サイト|2021年9月3日(金)全国公開

世界に1着のオーダーメイドが幸せを運ぶ、極上の感動作。アテネで36年、高級スーツの仕立屋として働いてきた寡黙なニコス。手作り屋台ひとつで店を...

映画『テーラー 人生の仕立て屋』公式サイト|2021年9月3日(金)全国公開

 

榊マリコが茶目っ気たっぷりにしれっと無茶ぶりするのがかわいい『科捜研の女 -劇場版-』

2021年09月07日 23時53分31秒 | 映画


【個人的な評価】
2021年日本公開映画で面白かった順位:117/186
   ストーリー:★★★☆☆
  キャラクター:★★★★☆
      映像:★★★☆☆
      音楽:★★★☆☆
映画館で観るべき:★★★☆☆

【以下の要素が気になれば観てもいいかも】
サスペンス
科捜研

【あらすじ】
榊マリコ(沢口靖子)をはじめとする“科捜研”のスペシャリストたち。
捜査一課の土門刑事(内藤剛志)、
解剖医の風丘教授(若村麻由美)らが
スクリーンを舞台に挑むのは<世界同時多発不審死事件>。

京都を皮切りに世界中に拡がる死の連鎖。
シリーズ史上最難関の事件、
現代最新科学では絶対に解き明かせないトリックを操る<史上最強の敵>。
スクリーンに散りばめられた謎を解かなければ、
死の連鎖は止められない。

究極の決断を迫られた榊マリコが最後にとった行動とは――。

【感想】
人生初の『科捜研の女』。
シリーズモノは全部観てからって決めてるけど、
これはさすがにあきらめた。
シーズン20もあるから(笑)

これ、20年以上も続いてるんだよね。
主演の沢口靖子もシーズン1のときはまだ34歳。
自分とそう変わらない歳から、
20年以上も同じ役をやり続けるってすごい。

テレ朝は戦隊モノや仮面ライダーを始め、
『相棒』や『ドクターX』など、
シリーズを長く続けるのがうまいよねー。
その分、途中から入りづらいってのはあるけど(笑)

でも、この映画、
過去シリーズを観てなくてもまったく問題ない。
そりゃ登場人物はメチャクチャ多いからね。
『アベンジャーズ』のように、
過去シリーズを観ていた方がキャラに対する愛着はわくと思う。

ただ、ストーリー自体は至ってシンプル。
世界同時多発不審死事件を
科学的に捜査していくというオーソドックスな流れ。
中心は"科捜研"なので、
現場検証や聞き込みというシーンはほぼない。
遺体の解剖や遺留品の付着物などを細かく分析し、
真相に近づいていくのだ。

この映画の面白いところは、
まさにチームワーク。
各登場人物が自分の専門知識を駆使して分析を行う。
その結果を持ち寄り、
真実を解明していく過程だ。
その細かく丁寧な作り込みは見ごたえある。
また、クスッと笑えるシーンもちょいちょいあって、
いいスパイスになってるんだよね。

そんな中で、やっぱり榊マリコのキャラクターが一番の魅力だろうなー。
この映画、基本シリアスなんだけど、
マリコだけ茶目っ気たっぷり。
大企業のように意思決定に時間がかかる警察組織において、
「今日中にお願いしますね~♪」などと、
かわいい笑顔でしれっと無茶ぶりするところなんか、
メチャクチャキュートだから。

1999年シーズン1の一部をYou Tubeなんかで観ると、
マリコってこの映画とは比べ物にならないほど
元気いっぱいのコメディガールなんだけど、
そのキャラクターはまだ残ってるなって感じる。
意外と体当たりなところもあるので(笑)

これだけ長いシリーズの映画化だとね、
正直、映画っていうよりは
2時間のスペシャルドラマを観ている印象ではある。
だけど、シンプルかつ観やすいサスペンスモノを求めているなら
うってつけかなって思った。

映画『科捜研の女 -劇場版-』公式サイト

映画『科捜研の女 -劇場版-』公式サイト

 

ガチでリアルなモンスターハンターのドキュメンタリー『くじらびと』

2021年09月05日 22時22分31秒 | 映画


【個人的な評価】
2021年日本公開映画で面白かった順位:24/185
   ストーリー:★★★★★
  キャラクター:★★★★★
      映像:★★★★★
      音楽:★★★☆☆
映画館で観るべき:★★★★★

【以下の要素が気になれば観てもいいかも】
ドキュメンタリー
インドネシア

捕鯨

【あらすじ】
インドネシア・ラマレラ村。
人口1500人の小さな村。
住民は互いの和を最も大切なものとし、
自然の恵みに感謝の祈りを捧げ、
言い伝えを守りながら生活をしている。

中でもラマファと呼ばれる
鯨のモリ打ち漁師たちは最も尊敬される存在だ。
鯨は年間10頭獲れれば、
村人全員が暮らしていけるほどの貴重な食糧。
村人を食べさせるために、
命をかけて鯨に挑む男たちとそれを支える女たち。
ラマファを夢見る少年エーメン。

おとぎ話のような平和な村に、
ある日大事件が起こった。
2018年、ラマファのひとり、
ベンジャミンが漁の最中に命を落とした。
家族も村民も深い悲しみに暮れた。

【感想】
これはメチャクチャ面白いドキュメンタリーだった!
いやだって、生身の人間たちが鯨に立ち向かうんだよ?
しかも、シンプルな木製の船に乗って、
武器はモリのみという古来の手法で。
あおーいそら、しろーいくも、ひろーいうみで
繰り広げられる命がけのバトルは、
まさにモンスターハンターそのものだった。
ちなみに、海外の作品かと思いきや、
作られたのは日本の方々です。

漁師たちが乗る船はテナと呼ばれてるんだけど、
“生きている”という考えから、
鉄の釘は一切使わない。
木や植物など、森で採れる素材しか使わないんだ。
しかも計測や設計図もない。
専門の人たちの経験と勘だけで作られる。

その船10隻ほどを使い、
鯨を狩りに行く。
1隻あたり10人も乗ってなかったかな。
鯨って海の奥深くにいるイメージしかないんだけど、
潮吹きで海面に来たところを狙い撃ち。

このモリを撃つタイミングが難しいらしい。
頃合いを見計らって、
ジャンプして鯨の体にグサリ。
大量の出血により、
青い海が一気にスイカジュースのごとく真っ赤に。
1本じゃ死なないから、
2本3本と撃つことも。
意外なのが、
それで死ぬんだよ、鯨。
そんなモリじゃ大したダメージなさそうなんだけど、
のたうちまわった後に力尽きる。

人間たちは当然、常に死と隣り合わせ。
鯨が暴れて尾ビレで叩きつけられて亡くなる人もいる。
海中に逃げ込むときに網が絡まって
いっしょに引きずり込まれる人もいる。

そんな危険なことを何百年もの間、
ずっとこの村の人たちは続けているんだ。
鯨以外の魚を獲ることもあるけど、
それでも実際は1ヶ月間収穫なしのときもザラにあるらしい。
彼らにとっての鯨漁は、
まさに死活問題なわけだ。

驚くべきなのはやっぱり鯨の大きさ。
浜辺までは船で運ぶけど、
そこからは大人40〜50人で陸に引っ張り上げる。
そこで、ゲームに出てくる武器かと思うぐらい
大きな包丁で細かく切り分けるんだ。
ダンボールみたいな直方体の肉塊を各家庭に渡すんだよ。
肉だけじゃなく、
皮や脂も含めて余すことなく活用するのもラマレラ村ならでは。

この村、貨幣はあるんだろうけど、
この映画では使われている様子はなかったな。
週1で開かれるバザーで、
海で採れたものと森で採れたものとで物々交換。
鯨の肉は人気らしく、
1切れでバナナ12本と交換できるらしい。
その基準はちょっとわからなかったけど(笑)

村人の中には、
かつてバリ島で働いて稼いでいた人もいたけど、
お金に追われる生活に嫌気がさし、
この村に戻ってきたのだとか。
社会生活の仕組みが、
先進国の都会とはまるで違うんだよね。
かといって、ラマレラ村の人たちが、
未開の地に住む先住民とかではない。
ただ、最新技術や効率化というよりも、
伝統や習わしを重んじる文化なんだと思う。

都会に住むと、
こういう自然に囲まれ、
自然と共に生きることに憧れを持つこともあるだろう。
そんなとき、この映画を観ると、
そこに憧れを持つことと、
そこで暮らすことの間には埋められない差があることがわかる。
村人たちはお互い協力し合って、
笑いながらたくましく生活している。
その一方で、不慮の事故で大切な人を亡くすこともめずらしくはない。

生きるために命がけで
鯨と対峙するラマレラ村の人々の勇姿と、
広大な海、強大な鯨は、
映画館の大きなスクリーンでその目に焼きつけて欲しい。

映画「くじらびと」公式ページ|Lamafa(The last whale hunters) Official

写真家石川梵の映画監督二作目。命を賭けてモリ一本で巨大なマッコウクジラに挑む、インドネシア・ラマレラ村の人々その壮絶な狩りと人間の魂の物語。

映画「くじらびと」公式ページ|Lamafa(The last whale hunters) Official

 

現実と虚構を行き来する先の読めないサスペンス映画『鳩の撃退法』

2021年09月05日 17時29分32秒 | 映画


【個人的な評価】
2021年日本公開映画で面白かった順位:85184
   ストーリー:★★★★☆
  キャラクター:★★★★☆
      映像:★★★☆☆
      音楽:★★★☆☆
映画館で観るべき:★★★☆☆

【以下の要素が気になれば観てもいいかも】
サスペンス
現実と虚構

【あらすじ】
1年前、閏年の2月29日。
雪の降る夜。
かつては直木賞も受賞したが、
今は富山の小さな街でドライバーとして働いている津田伸一(藤原竜也)は、
行きつけのコーヒーショップで偶然、
幸地秀吉(風間俊介)と出会う。
「今度会ったらピーターパンの本を貸そう」
そう言って2人は別れた。
しかし、その夜を境に幸地秀吉は愛する家族と共に突然、
姿を消してしまう。

それから1ヶ月後、
津田の元に3,000万円を超える大金が転がりこむ。
ところが喜びも束の間、
思いもよらない事実が判明した。
「あんたが使ったのは偽の1万円札だったんだよ」
ニセ札の動向には、家族3人が失踪した事件を始め、
この街で起きる騒ぎに必ず関わっている
裏社会のドン・倉田健次郎(豊川悦司)も目を光らせているという。
倉田はすでにニセ札の行方と共に、
津田の居場所を捜し始めていた……。

神隠しにあったとされる幸地秀吉一家、
津田の元に舞い込んだ大量のニセ札、
囲いを出た鳩の行方、
津田の命を狙う裏社会のドン、
そして多くの人の運命を狂わせたあの雪の一夜の邂逅……。

富山の小さな街で経験した出来事を元に書かれた
津田の新作に心を躍らせる編集者の鳥飼(土屋太鳳)だったが、
読めば読むほど、
どうにも小説の中だけの話とは思えない。
過去の暗い記憶がよぎる鳥飼。
小説と現実、そして過去と現在が交差しながら進む物語。
彼の話は嘘?本当?

鳥飼は津田の話を頼りに、
コーヒーショップ店員・沼本(西野七瀬)の協力も得て、
小説が本当にフィクションなのか【検証】を始めるが、
そこには【驚愕の真実】が待ち受けていた―。

【感想】
原作の小説は未読だけど、
想像していたよりもよかった。
この映画は津田の創作自体と、
鳥飼がそれを事実かフィクションかを検証する2つの面白さがある。

予告で言われている
「津田の書いたことが現実になる」という言葉。
これはちょっとミスリード(笑)
それだとかなりファンタジー感あるけど、
実際は現実的なサスペンス映画。
「過去に起こり得たこと」
を津田の推論と想像で書いているので。

だから、どこまでが事実で、
どこからが架空なのかはややわかりづらい。
現実と虚構を行ったり来たりするから。
まあ、現実パートの舞台は高円寺のバーなので、
そこで見分けはつけられるけど。

とはいえ、登場人物が多い中、
点と点が線になっていく過程は予想できないスリルを味わえる。
また、「3万円」が巡り巡っていろんな人の手に渡っていく展開は、
今年2月に公開された『藁にもすがる獣たち』という
韓国映画の10億ウォンの行く末を彷彿とさせて面白い!

ただ、人によってはハマりづらいかもしれないな。
残された謎もあるし、
「解釈は観た人に任せる」的な感じもあるから。
でも、藤原竜也と風間俊介の演技はいいし、
全体的な雰囲気や世界観を味わうっていう点では楽しめる映画かと!

映画『鳩の撃退法』公式サイト | 大ヒット上映中!

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あんなゴミみたいに酔っ払っても神々しさを保つマッツ様が崇高だった『アナザーラウンド』

2021年09月04日 19時57分56秒 | 映画


【個人的な評価】
2021年日本公開映画で面白かった順位:61/183
   ストーリー:★★★★☆
  キャラクター:★★★★★
      映像:★★★☆☆
      音楽:★★★☆☆
映画館で観るべき:★★★☆☆

【以下の要素が気になれば観てもいいかも】
ヒューマンドラマ
飲酒
酔っ払い

【あらすじ】
冴えない高校教師のマーティン(マッツ・ミケルセン)と3人の同僚は、
ノルウェー人の哲学者が提唱した
「血中アルコール濃度を一定に保つと仕事の効率がよくなり想像力がみなぎる」
という理論を証明するため、
実験をすることに。

朝から酒を飲み続け、
常に酔った状態を保つと授業も楽しくなり、
生き生きとするマーティンたち。
生徒たちとの関係も良好になり、
人生は良い方向に向かっていくと思われた。

しかし、実験が進むにつれて次第に制御がきかなくなり……。

【感想】
てっきり、酔って暴れるコメディかと思いきや。
意外にも真面目なヒューマンドラマ。
もちろん、笑えるシーンもあるんだけど。
ここは予告詐欺感は否めないかな(笑)
ただ、酒飲みや酔っ払うのが好きな人には向いてる映画かも。

血中アルコール濃度を0.05%に保つことで、
仕事や日常生活にどう影響が出るかを実験する4人のおっさんたち。
飲酒は勤務中のみと決めたため、
水筒にお酒を入れて、
職場である高校でも常に飲み続ける。
理性がゆるみ、
気も大きくなり、
人とコミュニケーションも取りやすくなる。
その結果、保護者からも歴史の授業のつまらなさを指摘されていた
マーティンのやり方は大きく変わり、
生徒の評判もうなぎ登り。

そこでマーティンたちは次なるステージへと進む。
0.05%とはいえ、反応は人によってまちまち。
ならば、「本人が適量と思う濃度」まで引き上げようと。
そこからがこの映画の本番。

以前にも増して、
酒の量やアルコール度数が増える。
すると、どうなるか。
バーで騒ぎ、
街を走りまわり、
もはや酩酊である。
マーティンなんか、
気がつけば道端で頭から血を出して寝ているからね(笑)

そこまでいくと家族に迷惑がかかる。
思わず本音が出てしまう。
せっかくよくなりかけていた家庭内不和が再発する。

「ええい、ままよ!」
と最後には濃度の上限を撤廃し、
限界に挑戦。
もう歩行すらままならない。
お店では商品にぶつかり、
釣りをしても海に落ちる。

そんな酔っ払いあるあるは、
個人的には共感度が高くて笑えるシーンだった。
しかし、そんなおふざけでは終わらない。
家族や生徒と向き合う真面目なシーンもある。
酔っ払うことで生じる
メリットとデメリットをうまく取り入れた映画だなと思った。

この映画、やはり注目すべきは
マーティンを演じたマッツ・ミケルセンだろう。
あんなに酔って、
ゴミのようになりながらも、
美しすぎる出で立ち。
こんなに綺麗に酔う男がいるのかと。
ラストで彼が踊り狂うシーンは最高だった。
元ダンサーというだけあて、
55歳とは思えぬキレのある動き。

ちなみに、僕はこの映画の冒頭とラストのシーンが一番好き。
デンマークって16歳からお酒買えるんだよね。
高校生たちの騒ぎっぷりがメチャクチャ楽しそうで。

湖レースっていう秀逸なゲームがあって。
詳しいルールはわからないんだけど、
チームの誰かが湖を1周する間に、
他のメンバーはビールケースを空けるんだよ。
とにかくハイペースに飲みまくるから、
みんなゲロ吐きまくり。
吐くとタイムに影響出るんだけど(笑)
ラストも卒業式だかなんだかで、
街中でビールかけみたいなの始めちゃって。

なんか、生まれて初めて酔っ払った夜のことを思い出した。
はるか昔、渋谷のセンター街を、、、(略)

いやー、久しぶりに酒飲みたくなる映画だわ、これ。

映画『アナザーラウンド』オフィシャルサイト

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