闇の中から、時折声がする。
ギャッと一声鳴くと、
ばたつく羽音でそれが、鷺だとわかる。
鷺は不思議な鳥だ。
夜闇の中を動き回る。
彼らは俗にいう鳥目ではないのだろう。
動物は人間と違う感覚を持っている。
犬や猫は人間に見えないものが見えると聞く。
鷺も鳥でありながら、闇夜がみえる梟のような鳥なのかもしれない。
ギャッ
また、鷺がわめく。
闇夜でも目が見えるばかりに
小心者の鷺は驚きの悲鳴を上げなきゃならない。
そんなびくびくしながら、
闇夜を透かしみるくらいなら
よほど、見えない小鳥のほうが安気だと思うんだけど、
どうだろう?
「そうだね」
私の隣に座った者は今日はどうやら、水の怪のようだ。
緑の藻のぬめりがすこし乾いてきてる。
それが、この部屋に長い間、居座っていることを現している。
「あんたは、怖くないかね」
水の怪はにたりとひきっつった笑いになる。
乾いた藻が彼の顔をパックのように覆っているせいだ。
「怖くは無いけど・・」
「なんだね・・」
「別に・・・」
「ふ~~ん」
悟っているのか察っせないのかわからないけど
この部屋に居たいものだから、
彼はそれ以上を口に出さない。
『怖くは無いけど・・・その生臭い匂いはどうにかならないものだろうか・・・』
見えることなんか、まだまだ、たいしたことじゃない。
そう思わす匂いに辟易している私の耳に
ギャッ。
また、鷺のわめき声がきこえた。
何におびえてるのかしらないけど、
疑心暗鬼と遊んで居られる鷺がちょっと、うらやましく思えてきた。
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