ぶらつくらずべりい

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真弓「紫雲膏」斎藤典子

2011-01-09 04:09:23 | 平成23年短歌人誌より
雨の日に児のうち鳴らす太鼓ありわれはつきあふ飽きて倦むまで

雨の日には雨粒の音が聞こえる。その音とセッションをするように児は太鼓を叩く。それだけだと楽しい歌になるが、この一首は物悲しい。「飽きて倦むまで」がそうさせるのだ。何故か。親としての疲れを感じるからではないか。まだ叩く行為は終わっていないのだ。始まってもいないかも知れない。雨が降っているだけで。