短歌人1月号「会員1」神足弘子 2011-01-13 06:10:50 | 平成23年短歌人誌より 花束をつつみたる古き新聞の短歌一つにくぎづけになる 短歌との出会いは恋に似ている。その一首に出会う運命だったと感じる。理屈ではなく動かされる。花束は誰に捧げるために持っていたのか。大切な人だろう。相聞歌だと思う。多分、この一首は自分の心境に近かったのだ。
西東三鬼 2011-01-13 06:09:54 | クンストカンマー(美術収集室)詩・俳句 水枕ガバリと寒い海がある 西東三鬼 水枕と寒い海を「ガバリ」が繋ぐ。水枕からガバリと起きたら寒い海が見えた(実景ではなく幻だと思う)ということだろう。この句、身近なものから大きな自然への飛躍に快感を感じる。水枕と寒い海の繋がりも自然だ。 しかし、何故、俳句は気持ち良いのか。短歌より言い切り感が強いからだろう。短剣で相手を刺し殺す感触だ。短歌は下句の分、剣は長くなり刺した感触が鈍くなる。しばらくは俳句を楽しんで読んでみたい。
真弓「しやうじやうとんぼ」斎藤典子 2011-01-13 06:09:25 | クンストカンマー(美術収集室)短歌 抵抗する人々幾万歌うたふニュース見てしよりわれは黙せり 作者にとってデモには特別な意味がある。学生時代はまさに政治の季節であっただろうから。私(昭和49年生)にはこの時代を資料から想像するしかないが。この「黙せり」には、あらゆる感情が渦巻いているだろう。