ぶらつくらずべりい

短歌と詩のサイト

一転するイメージ

2022-02-08 20:26:00 | クンストカンマー(美術収集室)短歌
木がらしや目刺(めざし)に残る海のいろ(芥川龍之介)

木枯らしは晩秋から初冬に吹く風。
それはこれから訪れる冬の厳しさをイメージする。

「目刺し」からも漂う死のイメージ。

けれど、目刺しには「海のいろ」が見える。
海のいろは何色なのか。
木枯らしが吹く海だから、とても暗い色だ。
濃厚に漂う死のイメージ。
けれど、もしも、海の色が美しい青であったなら、どうだろうか。

一転する。
死が濃厚であれば生もまた濃厚に漂う。