午後の曳航 2022-02-26 16:47:00 | クンストカンマー(美術収集室)短歌 午後の海に曳航されてゆくごとしおだやかな死をははは賜いて(川田由布子) 一読、神の存在を感じる。それは「賜う」の存在だ。神が「午後の海に」「はは」を「曳航」して行った。それくらい穏やかな「死」。死は本来、どこか残された者にすれば暴力。けれど、死を迎える側にすれば最後の暴力なのだ。それが穏やかなものであれば、それは「賜う」もの。「ははは」は漢字で「母は」ではどうだっただろう。