抱いた後苦虫を見るような眼で見られることが快感となる
降るるべき駅名見えて立ち上がるわが身一瞬風となりたる
降りるべき駅を降りれば作者を待っている人や仕事がある。その場所に向かうため立ち上がった時、自分の身が一瞬風になった。どこかに消えてしまいたかったからか。それとも、本当の自分を消してその場所で待つ役割に成り切るためなのか。短歌はまさに一瞬を捕らえる。
降りるべき駅を降りれば作者を待っている人や仕事がある。その場所に向かうため立ち上がった時、自分の身が一瞬風になった。どこかに消えてしまいたかったからか。それとも、本当の自分を消してその場所で待つ役割に成り切るためなのか。短歌はまさに一瞬を捕らえる。
若者よ今こそ決起せよといふ声を呑み込みしまま街は雪まみれ
下句の「ま」の連呼と結句の「雪まみれ」が余韻を残す。若者よ今こそ決起せよと言う声も、結果的には呑む込まれてしまった。この歌は過去を回想して今の景色を見ているように思う。
下句の「ま」の連呼と結句の「雪まみれ」が余韻を残す。若者よ今こそ決起せよと言う声も、結果的には呑む込まれてしまった。この歌は過去を回想して今の景色を見ているように思う。