ぶらつくらずべりい

短歌と詩のサイト

サイレントピアノ 斎藤典子

2010-06-25 04:58:58 | クンストカンマー(美術収集室)
降るるべき駅名見えて立ち上がるわが身一瞬風となりたる

降りるべき駅を降りれば作者を待っている人や仕事がある。その場所に向かうため立ち上がった時、自分の身が一瞬風になった。どこかに消えてしまいたかったからか。それとも、本当の自分を消してその場所で待つ役割に成り切るためなのか。短歌はまさに一瞬を捕らえる。