そわそわと背中を撫でる手のような嘘でも僕は信じたかった
いつぽんの鍵あるかぎりこの家に帰りくるべし夕雲を閉ぢ
言葉とは不思議だ。言葉次第で世界の捉え方が変わる。鍵があるから帰る。逆に言えば鍵が無ければ帰らない。結句は夕雲をどこまでも広げたいがそれを閉じて帰らないといけない、帰るべきだと言い聞かせているのだと思う。鍵は作者自身の世界を閉じて母や妻の顔に変えるアイテムなのだろう。
言葉とは不思議だ。言葉次第で世界の捉え方が変わる。鍵があるから帰る。逆に言えば鍵が無ければ帰らない。結句は夕雲をどこまでも広げたいがそれを閉じて帰らないといけない、帰るべきだと言い聞かせているのだと思う。鍵は作者自身の世界を閉じて母や妻の顔に変えるアイテムなのだろう。
雨上がり少年の嘘のかがやきてわれの言葉をさらひて逃げぬ
雨上がりの景色は輝いて見える。それは少年の嘘であっても同じだろう。その嘘の輝きに言葉を失ってしまった。そうしているうちに少年は逃げる。雨が上がったのだから外に遊びに行ったのだろうか。作者は息子を少年と呼ぶことで客観的な視線を保っている。その絶妙な距離が歌を輝かせている。
雨上がりの景色は輝いて見える。それは少年の嘘であっても同じだろう。その嘘の輝きに言葉を失ってしまった。そうしているうちに少年は逃げる。雨が上がったのだから外に遊びに行ったのだろうか。作者は息子を少年と呼ぶことで客観的な視線を保っている。その絶妙な距離が歌を輝かせている。