元ライターの小説家への道

僕もまだ本気を出していません。

大地震~東陽町から日本橋へ~

2011年03月14日 22時00分06秒 | 日々雑感
「福島2号機の海水注入ポンプ、職員パトロール中に燃料切れで停止」

 頑張ってくれているとは思うが、情けない…

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 定時のチャイムが鳴ったが、席を立つものはほとんどいなかった。僕の見た限り、一人だけ足早に帰って行った。他の人は電車が動くのを待つのか、すで諦めているのか、大したことないだろうと高をくくっているのか…。

 会社を出る。東陽町の駅に着くまでに、すでに細工模様の道路などがひび割れていたり、液状化現象で砂と水が溢れている場所が目に付いた。地下鉄駅へと降りる階段はすでに人が溢れていた。東西線の状況は分かっているので、気にすることなく日本橋方面へ。すでにそちらの方向に人の流れができており、人ごみの中を歩くような形になる。

 突然ですが、汚い店構えのラーメン屋は美味い!という昭和期に青春を過ごした人たちの過ちを踏襲するが如く、今日は長丁場になることが予想されたので、長距離を歩く前に腹ごしらえをしようと、小汚いつけ麺屋に入った。

 しかし、そこは小汚い店構え。いまだ余震が続く17時台。地震が来るとガッサガッサとゆれる店内。汚い店の癖に対して美味しくないつけ麺。これが最後の晩餐になったら嫌だなぁと思いつつも完食。本格的に出発。

 日本橋に行く途中に隅田川が流れている。隅田川にかかる橋の上で北の方角を見るとスカイツリーが見えた。人ごみの中、良い景色だなぁなんて思う。橋の上にはひとりの素人カメラマンがいた。その人物はスカイツリーとは真逆の南側、隅田川自体を撮影していた。

 それで気がついたのだが、隅田川が逆流している。津波の影響だ。隅田川の両岸は歩行者が歩けるように遊歩道があるが、水位と高さが変わらない。しばらくすると溢れるのではなかろうか。

 道中、何台ものパトカーや救急車が行き来するのを見た。道行く人々の中には、ヘルメットをかぶっている人もいた。こんな状況にもかかわらず、僕ならヘルメットをかぶるのは恥ずかしいなんて思ってしまう。恐らく、ヘルメットは会社でかぶるように言われた人たちなのだろう。なんて考えながら歩く。

 日本橋へと向かう途中にスターバックスがあったが、すでに閉店をしていた。自動ドアの前に大地震が発生したため…と張り紙がしてあったが、本当の理由は不明。本社からの通達か、すでに商品が品切れを起こしたか。

 日本橋に到着したころ、辺りは真っ暗になっていた。時間は18時か19時か…。電車が動くのを諦めた人が徒歩での帰宅を始めた時間かもしれない。

つづく


コメント (2)
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