<以下の文を復刻します。>
いろいろの映像があるうちで私が最も感動するのは、1964年10月10日の先の東京オリンピック開会式の映像である。
当時、私は“社会人”になりたての若造だったが、この開会式の模様は今でも忘れられない。その当時の状況を描いた拙小説『啓太がゆく』の一部を引用させていただくとともに、選手たちの入場行進の映像をぜひご覧いただきたい。(2021年3月1日)
『・・・東京オリンピックの開幕が近づき、日本中が浮き立つような気分になってきた。聖火リレーが国中を回り、高速道路やモノレールが開通する。そして、10月1日には東海道新幹線も開通した。
これは超ビッグイベントで、国内外の注目を浴びた。テレビは中継に大わらわで、外国メディアももちろん絶賛する。こんなに速く走る列車は世界中どこにもないのだ! 日本中がなにか偉くなったような感じがした。そういう精神的興奮状態の中で、10月10日、ついに東京オリンピックの開会式を迎えたのだ。
その日は快晴に恵まれ、さわやかな秋らしい一日となった。啓太はむろん開会式の模様をテレビで見たが、正直言って感動した。古関裕而(こせきゆうじ)作曲の「オリンピックマーチ」が奏でられ選手団が入場すると、スポーツと平和の祭典がついに東京で開かれたと実感したのだ・・・』 (注・You Tubeで見てください)
東京オリンピック 選手入場