こうして、晶子が安珍を出迎えに行くことで話が付き、みんなはこれで一安心といった様子を見せたのです。しかし、この頃、安珍らの一行に微妙な“変化”が現われました。熊野三山のお参りが終わると、ドン・キホーテとハムレットは、せっかく熊野へ来たのだから、もっと他の場所も見て回りたいと言い出しました。那智の滝などをゆっくりと見たいと言うのです。もっともな話ですが、安珍とメフィストフェレ . . . 本文を読む
<2008年11月に行った北海道の摩周湖が忘れられないので、以下に写真と当時の記事を掲載します。>
☆ 先月後半、格安ツアーで北海道各地を周ってきたが、最も印象に残った所に摩周湖(ましゅうこ)がある。“霧の摩周湖”として有名だが、30数年前の真夏に訪れた時も湖全体に霧が立ち込めて全く見えなかった。夏は特に霧に覆われるというので、初冬の季節なら湖が見られるのではと淡い期待を . . . 本文を読む
<昭和の人気作家・太宰治と三島由紀夫について、思いつくままに自由に論じていきたいと思う。ただし、私は文芸評論家でもないし、両氏の著作を全て詳しく読んだわけでもない。したがって、素人の論評ということでお許し願いたい。2021年9月12日>
最近、2年前の映画『人間失格・太宰治と3人の女たち』をDVDで見た。この中でけっこう面白かったのが、若い作家の三島由紀夫(高良健吾役)が太宰(小栗旬役)を激しく . . . 本文を読む
ここは 君と僕との 愛の巣だよ3DKと 小さな家だけど 二人にとっては 広い巣だだけど 赤ちゃんが次々に生まれたら どうしよう 狭くなるかな でも 今は広い愛の巣だ 今は僕らにとって 充分な家だ
35年払いのローン それが何だと言うのだ 僕らには愛がある朝はいつも 君に見送られて 僕は家を出る仕事で どんなに遅く帰っても 君は待っていてくれる暖かい食事と 素敵な音楽が 僕らを満たしてくれるのだ
. . . 本文を読む
<2012年8月29日に書いた記事を原文のまま復刻します。>
サハリン・樺太へ旅行したのは(2012年8月)、第2次大戦の終戦時に、集団自決した9人の乙女を弔うことが最大の目的だった。つまり、慰霊の旅である。 1945年8月、旧ソ連は日本との中立条約を一方的に破棄し、樺太などに侵攻してきた。そして、日本人は至る所で殺された。樺太南部の西海岸に真岡(まおか)という町があったが、今はロシア領・サハリ . . . 本文を読む
「ご両親はなぜ隣り村へ行ったのですか」安珍は疑問に思っていたことを尋ねました。清姫はしばらく返事をしませんでしたが、やがてはっきりと答えました。「両親は私たちを2人だけにしておきたかったのです。私からもそうするようお願いしました。安珍様、どうぞ私の気持を察してください。今夜という今夜 あなた様のお心を聞いて、私の身の振り方を決めたいと思います。一生、私を連れ添っていくとおっしゃってください!」清姫 . . . 本文を読む
<またも、またも、またも銃乱射事件! 2011年1月13日に書いた記事を、一部修正して復刻します。>
アメリカのラスベガスで10月1日、高層ホテルから男が銃を乱射し58人が死亡、500人以上が負傷するというアメリカ史上最悪の事件が起きた。アメリカではこうした銃乱射事件がいつも起きており、不思議でも何でもないが、こういう悲劇が一向に無くならないのは何故なのか。 よく言われることだが、アメ . . . 本文を読む
向田邦子の古いテレビドラマ(TBS)を見ていると、大戦前によく歌われた『リンゴの木の下で』が頻繁に出てくる。ダンスホールなどでずいぶん演奏されたそうだが、ジャズが昭和15年に“敵性音楽”として禁止されると、ほとんど歌われなくなったという。 清楚な白い花の木に実ってくる赤いリンゴ・・・ 伊東ゆかりのなつかしい歌声(元の歌手はディック・ミネ)とともに、もう一度 聞きたくなった。 . . . 本文を読む
<2012年8月8日に書いた以下の記事を復刻します。>
(1)哲学も信念もない
このところブロガーのご意見を聞いているうちに、野田佳彦(首相)という男の人間性に興味を持つようになった。まず思ったのが、この男は“人間失格”ではないかということだ。彼の有名な演説である「書いてあることは命がけで実行する。書いてないことはやらないんです」という言葉は、全く逆の結果になった。政治 . . . 本文を読む
<2012年6月17日に書いた以下の記事を復刻します。>
大飯原発の再稼動について野田首相はゴーサインを出したが、消費増税に狂奔する姿と共に、彼はつくづく保守反動の“使い走り”になった感じがする。原発や消費税の問題をここで詳しく論じるつもりはない。すでに出尽くしている。要は、日本が「脱原発」へ進むのか、また国民に負担を強いる消費増税を止めるのかといった基本的な問題なのであ . . . 本文を読む
清姫はしばらく考えていましたが、やがて口を開きました。「ヒュパティアやベアトリーチェの言うことは分かるわ。近いうちに両親にも話そうと思うの。安珍様は私をお嫁さんにもらいたいと言っているので、きっと両親も分かってくれると思う。もし、婿養子でなければならないとしたら、その時は安珍様とじっくりと相談するわ。みんなも私を助けて」清姫は自分の気持を正直に明かしました。でも、婿養子と言っても安珍が快く還俗(げ . . . 本文を読む
<空想、夢想、幻想、妄想の物語・2013年10月19日スタート>
むかしむかし、今から1000年以上もむかしのことですが、奥州の白河という所に安珍(あんちん)という若い僧がいました。安珍は年のころ23~4歳ぐらいでしょうか、毎年、紀州の熊野権現(くまのごんげん)に山伏姿で参詣していました。そして、この年もお参りする時期がやってきたのです。安珍にはハムレットとドン・キホーテという親友がいましたが、 . . . 本文を読む
<以下の文を復刻します。>
昔、地政学に関する本を読んだことがあるが、日本とイギリスを比較する箇所がずいぶんあった。両国とも「島国」だから著者は比較したかったのだろう。内容はあまり覚えていないが、日本もイギリスも“海洋国家”として進む運命にあると書いてあったように思う。その時は、西洋のイギリスに対する東洋の日本という位置づけは、何か自尊心をくすぐられるようで悪い気がしなか . . . 本文を読む
<以下の記事は2021年1月17日に書いたものです。阪神・淡路大震災から満26年がたっていました。>
6434人の犠牲者を出した阪神・淡路大震災から、今日で丸26年を迎えた。テレビなどでいろいろ報道しているが、いつも思い出すのが、犠牲になったある大学生から母親に宛てた手紙である。この手紙に接したある音楽家が感動して、バラード曲をつくったことを新聞で知り私も忘れられなくなった。手紙の主は当時 神戸 . . . 本文を読む