本日2022年8月27日の沖縄タイムスにこうある。「佐喜眞候補に薬莢ー那覇署 投げた女性を任意同行」と。事は昨日(2022年8月26日)18時30分頃のこと。佐喜眞淳候補の演説中に投げたようだ。陣営の関係者に取り押さえられ、警察に引き渡された。今、ご本人のツイッターを見たら、釈放されていた。
佐喜眞陣営は、昨夜「多数の聴衆が見守る中での威迫行為は、民主主義の根幹である選挙活動の公正を汚す暴挙だ」と抗議声明文を公表したようだ。おっしゃるとおり、本件は、公衆の面前で行われるべき選挙活動を乱し妨げたことは否めず、私も適切な抗議だとは考えない。
しかし佐喜眞候補は自民党を代表する県知事候補だ。防衛省・自民党は、日米地位協定第4条をもって、施設返還時の「原状回復義務を負わず」規定のまま、北部訓練場約半分の返還に際して、廃棄物・危険物が放置されていることを実質、黙殺してきた。佐喜眞候補もこのいきさつをご存じだろう。宮城秋乃さんが、2016年12月の北部訓練場の約半分(約4000ヘクタール)の返還に際し、再三調査し、抗議してきたことを。その概要は「これが民主主義か?ー辺野古新基地にNOの理由」(影書房2021年1月刊)に彼女が書いた「汚された世界遺産候補地 北部訓練場返還地」をご覧いただきたい。またその度に沖縄では報道されてきたのだ。
で、改めて私は「世界遺産の登録基準」を見た。日本ユネスコ協会連盟のHPから。世界遺産の登録基準は1から10まである。自然遺産については「⑦最上級の自然現象、または、たぐいまれな自然美・美的価値を有する地域を包含する。⑧、⑨(略)、⑩学術上又は保全上顕著な普遍的価値を有する絶滅の恐れのある種の生息地など、生物多様性の生息域内保全にとって最も重要な自然の生息地を包含する」とある。
ユネスコは「人類が2度と戦争を繰り返してはならない」という誓いを基礎に成立したらしい。だとすれば、当然、軍事演習場だった場所・自然環境の返還状況は厳しく問われるべきだろう。ここを怠りながら「平和な世界の構築」や「持続可能な社会の推進」はありえまい。米軍の演習場からやんばるの亜熱帯林をとりもどすためには、相当な時間と努力が必要だろう。経過観察や、重点地域の選定なども必要となるだろう。
このためには、国頭村や東村の協力も問われてこよう。無論、環境省の適切なリーダーシップが、林野庁の協力が問われているはずだ。無論、防衛省のイエスマンでは不可能な役割だ。
沖縄県は「さぁ、世界へ」(沖縄県HP2021年7月22日更新)と、やんばるの森を世界遺産に据える意気込みを示しているのであり、今後誰が県知事になっても、この問題をクリアーすべきなのは言うまでもない。
くれぐれも私が申し上げたいことは「世界遺産」という形ではない。保全するに値する自然環境であり、生物相だ。そこに軍事演習場という過去(1957-2016年)が刻まれており、きちんと除去されていない事が大問題なのだ。
自然環境を守りたいの一心では私も宮城秋乃さんと同じ立場(ナチュラリスト)だ。すべての候補者が、沖縄県民がこうあっていただけないものだろうか。