本日、2021年第46回「視点」の入選のお知らせが届きました。ありがとうございました。昨年は、初めて落選してしまい、今年もコロナ禍の中で思うように撮れず、こんなのをだしてもダメかなと思いながら作品化したのでした。
タイトルは「オキナワ『ブルービーチ』演習場」です。青い海に軍隊が蠢いている姿を撮ったものです。あの米日共同演習の13日間(2021年1月28日~2月9日)に撮ったものから選んだ6枚です。主催は日本リアリズム写真集団と2021年「視点」編集委員会であり、ただの軍事写真ではとうてい入選できない事は分かっていますので、米軍が牛耳っているオキナワに対する怒りをモチーフに、自然の美しさと対比させました。
今回の作品はコロナ禍で辺野古テント村が中断している間の撮影でした。この意味で、間接的ながら、テント村の皆様方の日頃のご協力、またあの現場で巡り合わせた方々のご協力、早朝の現場に連れて行っていただいた方のご協力など、皆様方のご協力のたまものです。感謝です。
この中で、はっきりと人間が写っているのは銃を持った米兵が近づいてくる写真のみであり、敢えて言えば、抗議に来た人達の陰影をいれたものがあるだけです。ただ制作意図は撮影時からかなり意識していました。
こうした写真が沖縄の現実の一端なのだと、ご理解戴ければ、幸いです。本展は6月6日~13日の東京都美術館、全国巡回展が高知展(6月24日~29日)、名古屋展(9月7日~12日)、大阪展(10月6日~11日)、仙台展(10月19日~24日)、三重展(11月23日~28日)となります。詳細は改めてお知らせします。
私がこの視点展に出し始めたのは、2011年からであり、2014年まで入選。15年から17年は沖縄でわさわさしており、応募できませんでした。18年から19年と入選。そして今回です。7回目。
これまでの中で最大の賞賛を受けたのが、2013年の時の一枚でした。普天間基地から車で出てくる米兵の姿を正面から撮ったものです。反対側に抗議している人や警官、通学する中学生も複数写っており、それらしいものでした。2013年視点の作品集の表紙に使って戴きました。このときは1時間余りギリギリと撮ったものでしたから、緊張感が凝縮していました。
今年の視点賞は、野呂彰さんの「パンデミックー不安な町」でした。入選作は、予想通り、コロナ禍を反映した作品が多そうです。また戦争・基地をウツ写真も減っているようです。こうした中で、現場にこだわる意味が益々高まっているのでしょう。
今回の入選を励みに、私は気を引き締めて頑張ります。ご支援・ご声援をお願いいたします。