ヤマヒデの沖縄便りⅣ 歩き続けて 歩き続ける 再び

「基地の島」沖縄を歩き、琉球諸島を巡る基地・戦争への道を問いかけ、自然を語る。●無断転載、お断り。
 

【補正】石垣島⑤ー前勢岳・リゾート施設建設の動きがある森・名蔵湾へ(20220225-②)

2022年03月25日 | 八重山

2022年2月25日(木)② 晴れ 今回石垣島に来たひとつの目的は、ここだ。

 石垣市長は3期前から保守の中山義隆氏だ。彼は11年前からここに「石垣リゾート・コミュニテイー計画」をもくろんでいたそうだ。私が知ったのは昨年だった。当事者は(株)ユニマットプレシャス(東京都南青山2-12-14)だ。同計画は前勢岳(197m)北側斜面110ha余りの場所に約360戸のホテルと18h(ホール)のゴルフ場を造ると言っている。110haといえば単純に言えば、1000m×1100m=110haだ。これが曲線×斜面でだから、余計に周囲の環境にも影響を与える。この斜面の下に水田が広がり、アンパルと言われているマングローブ林が広がる湿地が名蔵湾に面して広がっている。石垣島の中では最大規模を誇るマングローブ林だ。このリゾート施設に1日あたり約1000トンの水が必要とのことだが、市水道から100tしか供給できず、残余の900トンを地下水から取水すると言う。

 問題は、①対象地の物理的な自然破壊、②伐採や整地に伴う残土捨て場となる場所の自然破壊、③現状の森や牧草地が破壊されることによる土壌の保水能力の減少は赤土等の流出をもたらし、水田、アンパル、名蔵湾への水質汚染をもたらすだろう。④ゴルフ場等の管理には除草剤等の化学物質が大量に散布される。水質汚染。⑤大量の地下水の取水は、思わぬ影響が出るかも知れない。水位が下がれば、地下水の塩水化が危惧される。石垣島では地下水マップも作成されていないようだ。

 もうひとつ私が危惧していることは、この地域は山(前勢岳)と山(バンナ岳-230m)に囲まれており、外から見えないので、知る人にしか開発の動向が伝わらないことだ。住民も少なく、いつのまにか汚染が広がりかねない。

 ということで前勢岳に登った訳だ。

新緑がまぶしい。12:40

天文台から約500m引き返す。尾根の北側。豊かな亜熱帯林が広がっている。12:49

12:59 ここいらは主尾根(といっても小さい)北側に小さな谷が幾つも入っており、森の保水力が豊かなのだろう。この主尾根から名蔵湾まで直線距離で約2km。

尾根上の林道沿いの木々。13:03

これだけの大木が根を張っている。今度、巻き尺や紐をもってきて測ってみたい。

13:18 こちらは北側。林道沿いに5m以上の根が伸びている。土壌を縛っているのだ。

林道は北側山腹をまわっているが、展望台なる場所に右折。左の海は名蔵湾。入り江がアンパル。その手前が予定地だろう。写真中央部。13:24

右(東)側。右奥の高いところが於茂登岳。525m。左の水色部分は下流域に当たる水田。中央の集落は名蔵だ。13:25

展望台からみた於茂登岳(左)と手前右が嵩田山(たけだやまー202m)。自衛隊基地建設現場はこの右奥だ。ここから直線距離で5500mほどだ。13:33

ちょっと下ると水田がはっきり見えた。あの車道まで直線距離で約1600mだ。13:39

林道はくねくね回りながら山腹を行く。頭上を見れば気持ちいい。13:50

林道に座り込んでトベラを写していたら、アオスジアゲハがきた。

青筋がお見事。14:00

トベラの蜜を吸うアオスジアゲハ。やけにボリュームがあるな。14:02

この子は後翅左側が欠けている。元気に飛び回っている。

予定地とおぼしきところが見えてきた。14:03

大木だ。私のレンズが余り広角でないので、幹の下側は溢れてしまうので、地上5mぐらいのところを撮影。圧倒的なボリュームだ。14:30

標高100mを切っただろう。伐採されたようで疎林となっている。建物が見えるのは、名蔵ヘの道沿いだろう。こちらはその西側の道へ左折。14:43

巨木のオンパレードに圧倒される。14:51

下側から澤の音が微かに聞こえる。

14:55 こんなところを潰してはいけない。ここは予定地の東側だろうが、周囲を伐採し、整地すれば、少なからぬ影響が出る。こうした森が守られるとは思われない。

14:57 森に木々に圧倒されて私の歩きが遅くなっている。時間が足りなくなってきた。

森は深いが、緩斜面。森が深い場所は、光が入らず、密すぎて撮りにくい。たっぷり時間をかけて森の中に入って撮らなければ無理だ。15:05

やっと展望が開けた。左から於茂登岳、嵩田山、バンナ岳北側中腹。予定地はこの左側だろうが森に覆われていて見えない。15:19

ややアップで。橋は出あい橋。15:20

15:22 この森と、切れている左側が予定地だろう。確かに緩斜面であり、ゴルフコースの造成は簡単そうだ。造成は簡単でも、一度壊したら戻せない。だからこそ守るべき森であり、木々であり、牧草地であり、湿地であり、海なのだ。

大分視界が開けてきた。超巨大なリュウキュウマツ。これでひとかたまりです。15:33

何でこんなところを壊すのか気が知れない。一帯を守るしかないだろう。ここは標高50mぐらいか。

牧場跡を越えて、森を抜けた。牧草地、名蔵湾が見える。一息入れる。15:47

左に農道がある。前勢岳北側に行く道(山頂には行かない)。予定地はこの奥が中心部に当たるだろう。15:49

バンナ岳北側、出あい橋を振り返る。15:49

水田に下りてきた。正面は於茂登岳。16:03

16:09 田植えしたばかりのようだ。日が傾いてきた。

南西の予定地周辺を振り返る。16:14

北東を振り返る。大きな建物があるのは名蔵集落。右の山が嵩田山、この右奥に自衛隊基地建設現場が広がっている。左は於茂登岳。16:19

車道に出る直前で農民に出会った。リゾートの事を聞いた。彼は真っ先に水田への悪影響を口にした。絶対反対だと。

私も1日歩いて、絶対反対が固まった。もっともっと歩いて調べたい。またきます。とりあえず、明日アンパルへ行こう。



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