ヤマヒデの沖縄便りⅣ 歩き続けて 歩き続ける 再び

「基地の島」沖縄を歩き続け34年、気ままに綴ります。自然観察大好き。琉球諸島を戦場に据える「島嶼防衛」は愚の骨頂。
 

バス酔いして散々だった昨日から一夜明けて(20210126)

2021年01月26日 | 暮らしと政治

 おはようございます。昨日は朝の新聞で、新基地への陸自の共同使用の報道がやっとでたと、安堵したり、心を奮い立たせたり。簡単な記事を書き、予定通り取材に出かけた。そしたらバス酔いしてしまい、目的地の手前で下りる羽目に陥った。撮影のメインターゲットは来ないし、撮影の頭脳は集中できないし、もうさんざん。二人の友人から関連の連絡が入り、注目しているのだと嬉しくなった。また、近くの大木の枝にキジバトが何度も止まり、「デデ・ポーポー」を繰返していた。ラブコールだ。近くにメスがいて、時々掠めるように飛んでいるのだが、まだペアが成立するに至っていないようだった。こちらは至近距離から画面一杯に何枚もシャッターを押すことができた。この場所からそのキジバト君の位置は、角度と斜面に阻まれて遠ざかると画面から外れてしまうという贅沢な位置撮りだった。

 帰りのバスでも気分が悪く、無事に帰れるか心配だったが、暗闇での野宿にならずに済んだ。さて今朝の沖縄タイムス1面に「新基地『理想の環境』ー水面下交渉県民置き去り」と大々的な続報が出ている。「自衛隊沖縄基地50年」でもあるようだ。沖縄に自衛隊が公然と移駐したのは1972年だが、先遣隊が71年から入っている。

 当時の自衛隊はまだ「専守防衛」の建前の中でもがいていた時期で、まだ憲法9条が生きていた。沖縄では、戦時中の沖縄戦のイメージが「皇軍」を喚起しており、自衛隊反対の声が強かった。しかしあれから50年の自衛隊は憲法9条の縛りから実質的に抜けだし、文字通りの殺戮・戦闘部隊に成長中だ。そのさいたるものが、沖縄に、キャンプ・シュワブに、新基地に来るというのだ。

 これは沖縄を震わす新たな起爆剤になるだろう。76年前の沖縄戦。76年前の「集団自決」(強制死)、76年前の正規軍戦後のゲリラ戦(「沖縄スパイ戦史」三上智恵著参照)の時代に逆行しかねないのが現代だ。

 私が2010年末の防衛計画大綱を見てピンときたのは、こういうことだ。中国と事(戦争)を構える、琉球諸島(与那国・石垣・宮古・奄美大島)に自衛隊の基地を並べる、それは島嶼奪還作戦。万が一島々が占領されたら、自衛隊は一旦撤退し、態勢を整え、日本全国からの部隊をもって奪還する。こうなると島民はどうなる? 島民は逃げられない。それどころか島民を盾にして闘う。再び島民は、「自決」を強いられかねない。

 全国からの部隊と書いたが、これは既に特定されている。北海道、東北、関東、中国・四国、九州に編成した(する)即応機動連隊だ。その中核部隊となるのが佐世保に2018年にできた水陸機動旅団・2個連隊だ。オスプレイも使う。第3連隊めがここ新基地の主役となる予定だった。これが、軟弱地盤によって、当分不可能となり、防衛省は唸っているところに、今度の報道が出た。そりゃ怒るわ!

 「島嶼防衛」という対中戦争の仕掛けは無茶苦茶だ。米中が経済権益・軍事権益を張り合っているが、もしも両国がドツキアイになったら、核戦争になりかねない。お互いにこれはヤバイ。経済基盤そのものをぶっこわすことになるのだから。それどころか人類の終わりに至りかねない。だから米国は考えた。日本にやらそう。非核の日本であれば、そこまでならんだろう。琉球諸島地域限定戦争構想だ。それにハシャイで乗ったのが安倍晋三。無責任男のやることだ。2013年防衛計画大綱改訂、2015年の米日軍事ガイドライン、2015の解釈改憲による戦争法の制定だ。

 しかしトランプ大統領になり、2015年のガイドラインによる日本に先陣を担わせる案が後退したのではなかろうか。米国が再びしゃしゃり出てきた。これがまた火の粉になりかねなくなってきた。今度の大統領選でバイデンに変わったから、どうなるか不透明だが、微妙な変化が起きるかも知れない。

 いずれにしても沖縄は、米国にも、中国にも覇権争いはやめていただきたいと主張するしかないのだ。この意味で、私は抗米・抗中の立場を鮮明にしておきたい。こんなことで争っていたら、徒に地球環境は破滅にむかうだけだろう。核兵器禁止条約の批准を日本・米国・中国等も速やかに行い、恒久平和の道に踏み出してこそ、この地球で我々人類が生き延びる条件を開くことができるだろう。沖縄の闘いの可能性は、幸か不幸か大きく開かれてきたのだ。

 



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