本日の沖縄タイムス(20220412)が報じたところによれば、米国海兵隊の大型ヘリCH-53、4機が宮古島空港に2022年4月10日15:45と16:47に着陸したという。フィリピンから普天間基地に帰還する航路上でのこと。米国海兵隊は11日、取材に答えて「通常よりも強い向かい風が吹き、燃料が少なくなったため」と答えたという。
また4機が4機足並みを揃えてよくも宮古島空港に下りたものだ。そこで私は当日の風力と風向を調べてみた。宮古島では4月10日の平均風速は東の風5.6m/sだ。最大瞬間風速も8.7m/s。また強風注意報、同警報も出ていない(宮古島気象台発表)。途上の海上でだと言うのかもしれないので、米国海兵隊にはどこいらで強風が吹いたのか明らかにしていただきたい。なおヘリコプターはジェト機でもあるまいに、高空を飛ぶことは考えられない。地上に吹いた風と異なり、上空では若干風が強かったとしても、宮古島に緊急着陸するほど燃料を消耗したとは、考えにくい。
それよりもフィリピンといっても広いのだ。例えばマニラから宮古島は約1200km。マニラから那覇は約1500kmだ。これがミンダナオからだと、約800km長くなる。ミンダナオー宮古島は2000km。ミンダナオー那覇は2300kmとなる。CH-53の航続距離は1800kmだ。ミンダナオからだと那覇にも宮古島にも届かない。
当然、空中給油しなければならないことになる。さもなければ、例えばマニラで一旦下りて、給油して飛ぶことが必要だろう。フィリピンのどこから飛んだかが分からないと宮古島空港に下りたことがやむおえなかったのか、判然としない。米軍はそんなことは軍事機密だというのかも知れないが、米国ではない他国の民間空港を使わせてと言う以上、説明責任が問われるはずだ。
私は、今回の4機の宮古空港への着陸は、恣意的だったのではないかと疑っている。米国は、日本国と米日同盟の関係にあるのだから、民間空港だとしても黙って従えというのだろうか。日本政府もそうだねというのだろうか。
台湾有事となれば、フィリピンはルソン海峡を挟んだ南側に位置するお隣さんだ。当然、フィリピンとの米比共同防衛が急がれることになるだろう。だとすると沖縄からフィリピンへの共同演習を重ねている軍事的な意味合いのきな臭さを私たちは、嗅ぎ分けていかなければなるまい。単なる緊急着陸の問題に矮小化してはならないだろう。