おはようございます。ご承知の通り、石垣島に3月16日、日本国陸上自衛隊石垣島駐屯地が開設され、18日12式対艦ミサイル等の弾薬類が運び込まれた。少数の人々が抗議の声をあげたようだが、警察権力に押しきられた。
無念である。これで、与那国島のレーダー基地、石垣島の対艦ミサイルと対空ミサイル基地、宮古島の同基地、奄美大島の同基地が繋がってしまった。そして来年3月、沖縄島勝連半島にも同様な基地建設(ここは対空ミサイル基地に対艦ミサイルの増設)が現在進められている。こうなると琉球諸島そのものが中国艦船を射程にした陣地となり、東京・市ヶ谷/米国・ペンタゴンを結ぶ指揮系統が接続されていく。
私は2011年からこれらの島々に渡り、現地を見てきた。しかしどこの島でも反基地の声は少数派に留まり、大きな基地反対の声になってこなかった。島が孤立し、分断を超えられなかったことが、敗因でもあるだろう。島のごく一部の基地だから、島全体に危機感が広がらない。それよりも自衛隊が来れば島の経済が潤うかの幻想がまきちらされてきた。
しかし、島に軍事力の拠点ができれば、島の政治は軍事力中心で動くようになる。それを先取りしたのが与那国島だろう。軍事力と同居した経済の空しさを知るべきだろう。これは沖縄島の歴史を顧みればわかることだ。ベトナム戦争下の米兵の銭をむしりとるようなあぶく銭に湧いた時代。そもそも大日本帝国時代の「ほしがりません勝つまでは」などもこの典型事例だろう。戦争国家は、全てを戦争のために仕向けてくるのだ。
時間差があるからなかな実感できないが、後の祭りになりかねない。この国は有事を見越して、全国から多くの軍事力を琉球諸島に振り向ける態勢の整備も推し進めている。それが水陸機動団(佐世保等に駐屯)であり、各地にできつつある即応機動連隊だ。海上自衛隊も航空自衛隊もこうした整備を強めている。そして戦時に重要になるのが民間空港・港湾だ。大量の軍事物資と人員が戦場に運び出されていく。こうして民間地が軍事化されれば、そこが攻撃を受けることも常識だ。
現代のミサイル戦争において、そんなことで勝てるとでも思っているのだろうか? また、スタンドオフミサイルとは、敵ミサイルが届かないところから撃つということだが、海上に逃れて撃つしかあるまい。太平洋を越えて米国まで逃れるつもりなのだろうか? 漫画以下の俗論を嗤う。そしてシマンチュ無視、日本国民無視のありかたを許さない。このどこが「国益」なのか!
軍事力で覇権を争う暇があれば、気候危機で死に絶えていく人類の生存を第一に考えるべきだろう。人間が自然を略奪し、犯してきた罪深さを知るべきだ。戦争をやって儲かるのはごく一部に過ぎない。私は、少数の利益を追求する独裁政治を覆し、市民が生きうる政治を求めたい。
悔しくてならないが、軍事力の先にあるのは、殺戮と憎悪だけだ。私たちの希望は不戦。不戦を貫く対話の路を追求したい。それにしても、今回も石垣島に行けなかった。ひとえにお金がないから。現地にかけつけられず、申し訳ない。ごめんなさい。