ヤマヒデの沖縄便りⅣ 歩き続けて 歩き続ける 再び

「基地の島」沖縄を歩き続け35年、気ままに綴ります。自然観察大好き。琉球諸島を戦場に据える「島嶼防衛」は愚の骨頂。
 

【拡散願います】沖縄県敗訴=これが今の「日本国」の現状を示しているようだ(20231221)

2023年12月21日 | 自治・自律

2023年12月20日午後、福岡高裁那覇支部(三浦隆志裁判長)は、国の主張を認め、沖縄県知事に変更申請を承認するよう命じた。

判決主文「1 被告(玉城デニー知事)は、沖縄防衛局がした2020年4月21日付け沖防第2056号による普天間代替施設建設事業に関わる埋め立て地用途変更・設計概要変更承認申請につき、被告がこの判決の正本の送達を受けた日の翌日から起算して3日以内(ただし行政機関の休日に関する法律第1条1項の規定による休日は、上記3日の期間から除く)に承認せよ。

2 訴訟費用は被告の負担とする。」だ。

「事実及び理由」は一連の訴訟の経緯をまとめており、経緯を辿るために読むべき内容だ。

「当裁判所の判断」が争点を1から3とした上で、上記の判示を出している。

その内容について、私たちも考えていかなければならない。

 だが、「辺野古が唯一」と妄信しながら、大浦湾の自然環境の多様性や軟弱地盤による工事の著しい困難性、あるいは、飛行場として機能しないだろう結果予測等や「普天間基地の危険性除去」の内容を全く検討せず、形式論理のみで国の主張を是とする司法の態度は、到底容認できないものだ。そして何よりも被告沖縄県知事が掲げた公益「住民の民意」の尊重を一顧だにしないやり方が繰り返されたのだ。沖縄県が掲げている地方自治を押しつぶすものだ。日本政府・沖縄防衛局は、粛々と、琉球列島の島々を軍事基地と化し、戦場にしていく作業をあちこちですすめているが、この判決文も、そうした国の態度を裏打ちするものになっている。

 私は、これが今の「日本国」の現状を示していると、断じざるを得ないのだ。私たちは如何にしたらこの最大の難局を突破できるのか、熟慮が求められている。判決文が何を言っているのかを、検討しなければならないが、米国の対中戦争擬(もど)きの軍事展開にのせられていくことは、余りにも危険すぎる。だがこの判決は、沖縄は自治など考えずに国の言うことを聞けと言うに等しいものであり、私は全く認められない。

 私が指摘するまでもなく、1947年に施行された日本国憲法の第8章「地方自治」は、大日本帝国憲法下の「皇国」の名の下に、中央集権体制を築き、陸軍・海軍に過剰な力を持たせ、あの戦争を推進し、被害・加害をもたらしたが故の反省から制定されたものだということを忘れてはならない。しかしこの事実は、殆ど顧みられないまま、1999年の周辺事態法の制定後、「安全保障」の上位が公然化してきた。私たち『日本人』の反省が足りていなかったのだ。それは沖縄が歩まされてきた歴史と重ねれば、もっとわかりやすかったはずだが、これを無視してきたのが、私たち「日本人」だ。沖縄に対する加害の歴史を、地方自治や人権を考えながら、改めていかない限り、何も変えることはできない。このことはアジア・太平洋の島々への侵略の歴史と合せて捉え返すほかに、ないだろう。

 沖縄県知事玉城デニーさんは、20日朝から肺炎で加療中と聞く。この難局に、心身共に身をよじるようであろうと、私は想像する。そんなときに、キツいことだろうが、最高裁への上告と併せて、埋立承認の再撤回(論拠をあらたにしなければならない)などを行なっていただきたい。

 私たちは、これからも新基地建設反対と、沖縄を、アジアを戦場にしないの意思を明確にして闘い抜こう。平和と離れた人々の生はないだろう。ここを肝に銘じていきたいものだ。



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