『 作家と戦争 城山三郎と吉村 昭 』
森 史郎(もりしろう)著
新潮社
先日、読了しました。
昭和二年生まれの二人の作家、
城山三郎(しろやまさぶろう)と、吉村 昭(よしむらあきら)。
この本は、
二人の作家の生い立ちや作品を解説しながら
戦争とは何だったのか、
作家たちは何を伝えたかったのか、を
一冊にまとめている本です。
著者である森 史郎氏は一時期
城山三郎、吉村 昭の担当編集者でもありました。
作家たちの苦悩する姿も目の当たりにしています。
読み進めると
軍国少年だった城山三郎が、敗戦後に180度
教えられることが変わった当時を振り返り
根強い人間不信になったことや
4度にわたって芥川賞受賞候補に選ばれながら
あと一歩というところで受賞を逃した吉村昭の
『戦艦武蔵』というノンフィクションに挑んでいく
姿などが書かれています。
と同時に、二人の作家がどちらも
現場に足を運ぶ、直接当事者から話を聞く、
という徹底した取材を通して
作品を書いている、ということにも触れています。
特に、私が印象に残った作品は
・ 城山三郎 『指揮官たちの特攻 幸福は花びらのごとく』
・ 吉村 昭 『総員起(おこ)シ』
どちらの作品にも森 史郎氏は自身の資料や情報を渡し
協力しています。作家にとって心強い編集者だった
のではないか、と思います。
あとがきで著者は
昭和二年生まれの作家、藤沢周平氏も合わせて
3人が集まればどんな話題が展開されただろうか。
と書いています。
実現することはありませんでしたが
昭和二年生まれというのは、
一年上の学年は出征兵士の世代で
一年下の学年は学童疎開という世代だったそうで
常に死を意識していた、と。
激動の時代を生きた二人の作家の小説を
これからも読んでいきたいと思います。
森 史郎(もりしろう)著
新潮社
先日、読了しました。
昭和二年生まれの二人の作家、
城山三郎(しろやまさぶろう)と、吉村 昭(よしむらあきら)。
この本は、
二人の作家の生い立ちや作品を解説しながら
戦争とは何だったのか、
作家たちは何を伝えたかったのか、を
一冊にまとめている本です。
著者である森 史郎氏は一時期
城山三郎、吉村 昭の担当編集者でもありました。
作家たちの苦悩する姿も目の当たりにしています。
読み進めると
軍国少年だった城山三郎が、敗戦後に180度
教えられることが変わった当時を振り返り
根強い人間不信になったことや
4度にわたって芥川賞受賞候補に選ばれながら
あと一歩というところで受賞を逃した吉村昭の
『戦艦武蔵』というノンフィクションに挑んでいく
姿などが書かれています。
と同時に、二人の作家がどちらも
現場に足を運ぶ、直接当事者から話を聞く、
という徹底した取材を通して
作品を書いている、ということにも触れています。
特に、私が印象に残った作品は
・ 城山三郎 『指揮官たちの特攻 幸福は花びらのごとく』
・ 吉村 昭 『総員起(おこ)シ』
どちらの作品にも森 史郎氏は自身の資料や情報を渡し
協力しています。作家にとって心強い編集者だった
のではないか、と思います。
あとがきで著者は
昭和二年生まれの作家、藤沢周平氏も合わせて
3人が集まればどんな話題が展開されただろうか。
と書いています。
実現することはありませんでしたが
昭和二年生まれというのは、
一年上の学年は出征兵士の世代で
一年下の学年は学童疎開という世代だったそうで
常に死を意識していた、と。
激動の時代を生きた二人の作家の小説を
これからも読んでいきたいと思います。