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メンタルチャットでおこるさまざまな非日常

知ってはいけない 隠された日本支配の構造 (講談社現代新書 2439)

2024-10-05 15:52:42 | メンタルヘルス
矢部 宏治 (著) 講談社刊 2017/8初版 264P 990円
著者は1960年生まれの作家・実業家。博報堂マーケティング部を経て、1987年より書籍情報社の代表だそうだが あたしはお恥ずかしながら全く知らなかった。本書はどっかの書評で紹介されてたので 何の気なしに図書館検索したらあったので 本書とこの続編2と併せて借り出してきたが この手の本で ここ何十年読んだ中ではベストだろう。それくらい良書だ。第一章の日本の空はすべて米軍に支配されている から始まるのだが 首都圏の上空 横田空域と呼ばれてる部分は 日本の航空機は飛行禁止である。ごくわずかに空いた細いルートを旅客機は飛んでる。沖縄の嘉手納空域にしても岩国空域にしても同じ。米軍の許可が無い限りこの空域は飛べない。横田は福生だが 中野くらいまで横田空域なので中野から西は飛べない。日本海側までこの空域は続いている。この空域に限らず日本の領空は航空法によって低空飛行禁止とか色々制約があるのだが米軍の行動は全て除外規定になってるので 住宅地上空でよく落ちるV22オスプレイが超低空飛行しても問題ないそうだ。米軍機は米軍関係者の住宅上空では本国の規定が適用されるので低空飛行は禁止なのだが日本の住宅地の上はその縛りはないので高度150mで飛行しても問題は無い。フルに稼働すると4日でどこか壊れるというオスプレイが日本の住宅地の上を低空で飛び回ってるわけだ。で 故障して落ちて民間人に死人が出ようが 米軍の公務中であれば 日本の警察には逮捕権はあるが裁判権は無いので要求されたら引き渡さないといけない。つまり米軍関係者が大酒呑んで日本人を殺そうがレイプしようが逮捕はできるが裁判権が無いわけで とんでもない話。うちらの上の世代が ベトナム戦争に反対してデモで機動隊と衝突してたのは理解できるが 日米安保や地位協定やら砂川裁判で 機動隊と殴り合いしてたのはなんで?と長い間謎だったのだが本書を読んで謎が解けたというかすっきりしたという意味では本書は素晴らしいが・・まあ昭和の人でも ああいう騒乱に興味するら無いと思うし そもそも知らないと思うが。日米安保て日本が大陸の怪しい専制主義の国から攻撃を受けた場合に米軍が守ってくれる条約と思ってる人がほとんどだと思うが まああたしもなんとなくそう思ってたんだが 要は朝鮮戦争で出撃基地として日本を使うために結ばれた条約なんで 日本が攻撃されたとしても米軍は日本を守る・・とはどこにも書いてない。在日米軍基地や米軍関係者は守るだろうけどねぇ・・そういう裏の話が満載で みんな疑問に思ってたことが ああそういうことか・・と理解できる。敗戦後70年たっても国全体が事実上米軍に対して治外法権・・てあんたねぇ。ちなみに日本国憲法は草案を米軍が書いたそうで 戦争放棄をうたった憲法9条の上に米軍があるので 米軍は憲法の縛りを受けない一番上に位置するわけで とても独立国とは思えない状態が続いている。こういうのって昔は情報共有も公開もされたなかったので 非常に見えにくかったのだが 著者が機密解除されたアメリカの公文書を探し出して検証してるのですっきりとわかる。日本はいまだにアメリカというか米軍の支配下にあるが 表に出てる誰もが納得できる条約+政府高官と米軍の間で結ばれた密約で動いてる。政治の裏ってこんなに汚いのか 上の世代はこれを知ってたから全力で権力と闘ってたのか・・と。日本国憲法を書いたのが米軍て・・あんたねぇなのだ。確かに今の若い世代 政治に無関心な人には知ってはいけない・・というような内容。あーちなみに親父は元自衛隊の佐官だが 自衛隊って元警察予備隊といえば聞こえがいいが 要は朝鮮戦争で米軍が出撃した後に在日米軍の基地を守る目的で作られた組織で 軍隊ではないがいつのまにか軍隊だが軍隊ではない・・というおかしな位置づけのまま認知されちゃったそしきである。親父は空自の左官だったが 空自ってJASDFの略称だが 最後のFはフォースだから軍。憲法9条で軍も戦争も放棄してるように見えるのだが 実は有事の際は自衛隊は米軍の指揮下に入るという取り決めがあって まー裏って恐ろしい。いろんな世代に読んで欲しいが 今の平和ボケしてる方々には そんなホラ本信じてどうすんの?と言われそうで怖い。累計17万部売れたらしいが amazonのマケプレでもメルカリでも古本が極端に高い。買った人が手放さない本ということだ。新本とほぼ200円くらいしか違わないので 本書は新本を買う。ぜひとも本棚に収めたい本。
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「モディ化」するインド―大国幻想が生み出した権威主義 (中公選書 151)

2024-10-05 15:51:26 | メンタルヘルス
湊 一樹 (著) 中央公論新社刊 2024/5初版 296Pだが234P以降は引用や注釈。1980円
日経の書評から拾った本だが 数人しか待ちが無くてすぐ来た。お堅い本なので 芥川賞作家の新作ほど需要は無いのだが すさまじく面白い。著者は日本貿易振興機構 要はジェトロのアジア経済研究センターの研究員。最近中国が怪しいというか 隠れ反日だけでなく欧米や日本の民主主義圏の駐在員が逮捕されたり保護主義みたくなってきて これまでは大きな市場とみられていたのが段々ビジネスがやりにくくなってきて 中国から足を洗い始めているわけで 次は世界最大の民主主義国のインドというわけで インドを読み解く上での本書だ。あたしなんかは インド=仏教が生まれた国 神秘の国 カレー発祥の地くらいのいーかげんな認識だったのでお恥ずかしいのだが IT技術者を世界に送り出してる国だし貧富の差が大きい国だし14億の人口の大国だし世界最大の民主主義国家だし やっぱり不思議の国であることには変わりはない。本書を読むとわかるのだが 民主主義の顔をした権威主義と言われてるわけで お隣は共産主義の顔をした権威主義だし その隣は社会主義の顔をした権威主義なので 色々あるな・・という感じだ。明らかな独裁国家も張り付いてるし 大陸は混沌としてる。RSSてヒンドゥー至上主義団体の民族奉仕団だが そこから始まってBJPインド人民党を経て首相なわけだが 国民のほぼ80%がヒンドゥー教で17%がイスラム キリスト教が2.3%、 シーク教が 1.7%、仏教が 0.7%、ジャイナ教が 0.4%だそうだが あれ100%超えてるwがまあそういう比率らしい。 ヒンドゥー至上主義なので 徹底的にイスラムを排除するとか相当えぐいことをしてるらしい。モディ政権て 「モディ首相」という架空のキャラクターをモディという実在の人物が演じるワンマンショーと言われてるそうで 一言で言えば「恵まれない境遇を自らの力で乗り越えていった主人公が、強い指導者として人々から絶大な支持と信頼を得ながら、インドを偉大な国へと導いていくというストーリーだそうで お隣の毛おじさんと同じようなもん。個人崇拝なわけ。貧困層に対する政策的無関心とかWHO調査だが新型コロナで死者は474万人(政府発表は48万)とか どちらが正しいのか知らんが火の無いところに煙は立たぬ・・である。日本は他国の民主主義や人権をめぐる状況に概して無関心なんて書かれてるのでもう笑うしかない。芥川賞作家のカード詐欺のベストセラーもいいだろうが 一見こういう堅い・・実は見た目が適度に硬いだけで何倍も面白い。図書館にあれば是非読んでいただきたい。他に欲しい本がでてきたので図書館にあるから・・というわけで一時保留だ。
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