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なぎら健壱 町のうしろ姿

2006-12-03 20:22:41 | 
町のうしろ姿。

いいタイトルだ。かなりグっと来る。

町はいつでも動いている。
道路が変わり、建物が変わり、人が動く。

なぎら氏の目線の元には東京の下町風景への思い入れがあるようで、
「都会ナイズ、東京ナイズされてしまった地方都市に失望」し
「特徴を失い、平らになってしまう日本に歯止めをかけないと、
 みんながみんな故郷探しを始めなくてはならなくなってしまうだろう」
                      ~『東京のこっちがわ』
と書いているが、
地方都市で問題なのは、無個性なビルが建ち並ぶことよりも
人がいなくなっていることだと思う。

同じような風景は、日本中どこにでもある(あった)。
矛盾するようだが東京という極端に無機的な町だからこそ
余計に人間くささを感じさせるのではないだろうか。
北海道の田舎では、古いものは自然に帰っていく。

人がいれば、町は動き、新しいものができる。
古い風景は自然に帰るかわりに、人の中に帰ることができる。
帰るべき自然も人もいなくなってしまえば、消えていくしかない。

町にうしろ姿が見えるのは
人があふれる東京だからなのではないだろうか。


撮った瞬間から風景は消えていく、という点では
写真は音楽に似ている。
なぎら氏は下町の人々や風景に目を細めながら
流しのギターを弾いているようだ。

写真は趣味という彼の歌を、残念ながら私は聴いたことがないのだが。


なぎら健壱『町のうしろ姿』   岳陽舎刊 1,900円+税
なぎら健壱『東京のこっちがわ』 岳陽舎刊 1,900円+税



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