万葉短歌-悠山人編

万葉短歌…万葉集全4516歌(長短)のうち、短歌をすべてJPG&TXTで紹介する。→日本初!

万葉短歌2072 渡り守1905

2016年04月15日 | 万葉短歌

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万葉短歌2072 渡り守1905

渡り守 舟渡せをと 呼ぶ声の
至らねばかも 楫の音のせぬ  

1905     万葉短歌2072 ShuE487 2016-0415-man2072

わたりもり ふねわたせをと よぶこゑの
 いたらねばかも かぢのおとのせぬ
=未詳。
【編者注】「七夕」(しちせき、1996~2093、98首)の第77首。秋雑歌(10-1996~2238、二百四十三首)の第77首。
【訓注】渡り守(わたりもり=渡守)。舟渡せを(ふねわたせを=船度世乎)。呼ぶ声(よぶこゑ=呼音)。楫の音(かぢのおと=梶之声)。


万葉短歌2071 天の川1904

2016年04月14日 | 万葉短歌

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万葉短歌2071 天の川1904

天の川 なづさひ渡る 君が手も
いまだまかねば 夜の更けぬらく  

1904     万葉短歌2071 ShuE487 2016-0414-man2071

あまのがは なづさひわたる きみがても
 いまだまかねば よのふけぬらく
=未詳。
【編者注】「七夕」(しちせき、1996~2093、98首)の第76首。秋雑歌(10-1996~2238、二百四十三首)の第76首。
【訓注】天の川(あまのがは=天河)。なづさひ渡る(なづさひわたる=足沾渡)[下記注]。いまだまかねば(未枕者)。夜の更けぬ(よのふけぬ=夜之深去)。
【依拠本注-なづさひ】「なづさふ」は徒渉にあたり、水の流れに逆らって進むのに苦労すること。
【編者注-なづさひ】対応する原文とその出現個所は次のとおり。(短)は短歌、それ以外は長歌。03-0443名津匝、04-0509魚津左比、06-1016莫津左比(短)、09-1750魚津柴比(短)、10-2071足沾(短)、11-2492足沾(短)、12-2859奈川柴避(短)、-2947奈津柴比、15-3627奈豆左比、-3691奈豆佐比、17-4011奈豆左比、19-4156奈頭佐比、-4189奈頭左比。


万葉短歌2070 ひさかたの1903

2016年04月13日 | 万葉短歌

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万葉短歌2070 ひさかたの1903

ひさかたの 天の川津に 舟浮けて
君待つ夜らは 明けずもあらぬか  

1903     万葉短歌2070 ShuE487 2016-0413-man2070

ひさかたの あまのかはづに ふねうけて
 きみまつよらは あけずもあらぬか
=未詳。
【編者注】「七夕」(しちせき、1996~2093、98首)の第75首。秋雑歌(10-1996~2238、二百四十三首)の第75首。
【訓注】ひさかたの(久方之)。天の川津(あまのかはづ=天河津)。舟浮けて(ふねうけて=舟泛而)。


万葉短歌2069 天の川1902

2016年04月12日 | 万葉短歌

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万葉短歌2069 天の川1902

天の川 瀬ごとに幣を たてまつる
心は君を 幸く来ませと  

1902     万葉短歌2069 ShuE487 2016-0412-man2069

あまのがは せごとにぬさを たてまつる
 こころはきみを さきくきませと
=未詳。
【編者注】「七夕」(しちせき、1996~2093、98首)の第74首。秋雑歌(10-1996~2238、二百四十三首)の第74首。
【訓注】天の川(あまのがは=天漢)。幣(ぬさ)。心は君を(こころはきみを=情者君乎)。幸く(さきく=幸)。


万葉短歌2068 天の原1901

2016年04月11日 | 万葉短歌

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万葉短歌2068 天の原1901

天の原 振り放け見れば 天の川
霧立ち渡る 君は来ぬらし  

1901     万葉短歌2068 ShuE486 2016-0411-man2068

あまのはら ふりさけみれば あまのがは
 きりたちわたる きみはきぬらし
=未詳。
【編者注】「七夕」(しちせき、1996~2093、98首)の第73首。秋雑歌(10-1996~2238、二百四十三首)の第73首。
【訓注】天の原(あまのはら=天原)。振り放け見れば(ふりさけみれば=振放見者)。天の川(あまのがは=天漢)。君は来ぬ(きみはきぬ=公者来)。


万葉短歌2067 天の川1900

2016年04月10日 | 万葉短歌

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万葉短歌2067 天の川1900

天の川 渡り瀬深み 舟浮けて
漕ぎ来る君が 楫の音聞こゆ  

1900     万葉短歌2067 ShuE486 2016-0410-man2067

あまのがは わたりぜふかみ ふねうけて
 こぎくるきみが かぢのおときこゆ
=未詳。
【編者注】「七夕」(しちせき、1996~2093、98首)の第72首。秋雑歌(10-1996~2238、二百四十三首)の第72首。
【訓注】天の川(あまのがは=天漢)。渡り瀬(わたりぜ=渡瀬)。舟浮けて(ふねうけて=泛船而)。漕ぎ来る(こぎくる=掉来)。楫の音(かぢのおと=檝之音)。


万葉短歌2066 月日おき1899

2016年04月09日 | 万葉短歌

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万葉短歌2066 月日おき1899

月日おき 逢ひてしあれば 別れまく
惜しくある君は 明日さへもがも  

1899     万葉短歌2066 ShuE481 2016-0409-man2066

つきひおき あひてしあれば わかれまく
 をしくあるきみは あすさへもがも
=未詳。
【編者注】「七夕」(しちせき、1996~2093、98首)の第71首。秋雑歌(10-1996~2238、二百四十三首)の第71首。
【訓注】月日おき(つきひおき=択月日)。逢ひてしあれば(あひてしあれば=逢義之有者)。別れまく(わかれまく=別久)。君(きみ)。


万葉短歌2065 足玉も1898

2016年04月08日 | 万葉短歌

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万葉短歌2065 足玉も1898

足玉も 手玉もゆらに 織る服を
君が御衣に 縫ひもあへむかも  

1898     万葉短歌2065 ShuE481 2016-0408-man2065

あしだまも ただまもゆらに おるはたを
 きみがみけしに ぬひもあへむかも
=未詳。
【編者注】「七夕」(しちせき、1996~2093、98首)の第70首。秋雑歌(10-1996~2238、二百四十三首)の第70首。
【訓注】足玉(あしだま)。手玉(ただま=手球)。ゆらに(由良尓)。服(はた=旗)。君(きみ=公)。御衣(みけし)[<「着(け)す」の敬語動詞>]。
【依拠本注-足玉も手玉もゆらに】記紀神話に類似の表現がしばしば見える。一心にせわしく織るさまを表わす。「ゆらに」は玉が触れ合う音の形容。


万葉短歌2064 いにしへゆ1897

2016年04月07日 | 万葉短歌

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万葉短歌2064 いにしへゆ1897

いにしへゆ 織りてし服を この夕
衣に縫ひて 君待つ我れを  

1897     万葉短歌2064 ShuE481 2016-0407-man2064

いにしへゆ おりてしはたを このゆふへ
 ころもにぬひて きみまつわれを
=未詳。
【編者注】「七夕」(しちせき、1996~2093、98首)の第69首。秋雑歌(10-1996~2238、二百四十三首)の第69首。
【訓注】いにしへゆ(古)。服(はた=八多)。夕(ゆふへ=暮)。我れ(われ=吾)。


万葉短歌2063 天の川1896

2016年04月06日 | 万葉短歌

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万葉短歌2063 天の川1896

天の川 霧立ち上る 織女の
雲の衣の かへる袖かも  

1896     万葉短歌2063 ShuE480 2016-0406-man2063

あまのがは きりたちのぼる たなばたの
 くものころもの かへるそでかも
=未詳。
【編者注】「七夕」(しちせき、1996~2093、98首)の第68首。秋雑歌(10-1996~2238、二百四十三首)の第68首。
【訓注】天の川(あまのがは=天漢)。織女(たなばた=棚幡)[下記注]。かへる袖(かへるそで=飄袖)。
【編者注-たなばた】原文「棚幡」の訓としては集中ここだけ。次の「飄-かへる」対応も同じ。


万葉短歌2062 機物の1895

2016年04月05日 | 万葉短歌

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万葉短歌2062 機物の1895

機物の 蹋木持ち行きて 天の川
打橋渡す 君が来むため  

1895     万葉短歌2062 ShuE480 2016-0405-man2062

はたものの ふみきもちゆきて あまのがは
 うちはしわたす きみがこむため
=未詳。
【編者注】「七夕」(しちせき、1996~2093、98首)の第67首。秋雑歌(10-1996~2238、二百四十三首)の第67首。
【訓注】機物の(はたものの=機)。蹋木(ふみき)[下記注]。天の川(あまのがは=天河)。君が来むため(きみがこむため=公之来為)。
【依拠本注-蹋木】織機の踏み板。二つから成る。これを左右の足の指先で踏み、縦糸を交互に上下させて横糸を通す。原文「蹋」は「踏」の意。[以下編者補]「蹋」訓は「ふむ/トウ」、現代中国音は ta4。集中使用は他に次の一例だけ。06-0926(長歌)十里蹋立(とりふみたて)。


万葉短歌2061 天の川1894

2016年04月04日 | 万葉短歌

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万葉短歌2061 天の川1894

天の川 白波高し 我が恋ふる
君が舟出は 今しすらしも  

1894     万葉短歌2061 ShuE480 2016-0404-man2061

あまのがは しらなみたかし あがこふる
 きみがふなでは いましすらしも
=未詳。
【編者注】「七夕」(しちせき、1996~2093、98首)の第66首。秋雑歌(10-1996~2238、二百四十三首)の第66首。
【訓注】天の川(あまのがは=天河)。白波(しらなみ=白浪)。我が恋ふる(あがこふる=吾恋)。君が舟出(きみがふなで=公之舟出)。


万葉短歌2060 ただ今夜1893

2016年04月03日 | 万葉短歌

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万葉短歌2060 ただ今夜1893

ただ今夜 逢ひたる子らに 言どひも
いまだせずして さ夜ぞ明けにける  

1893     万葉短歌2060 ShuE478 2016-0403-man2060

ただこよひ あひたるこらに ことどひも
 いまだせずして さよぞあけにける
=未詳。
【編者注】「七夕」(しちせき、1996~2093、98首)の第65首。秋雑歌(10-1996~2238、二百四十三首)の第65首。
【訓注】ただ今夜(ただこよひ=直今夜)。逢ひたる(あひたる=逢有)。言どひ(ことどひ=事問)。さ夜(さよ=左夜)。


万葉短歌2059 天の川1892

2016年04月02日 | 万葉短歌

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万葉短歌2059 天の川1892

天の川 波は立つとも 我が舟は
いざわ漕ぎ出む 夜の更けぬ間に  

1892     万葉短歌2059 ShuE478 2016-0402-man2059

あまのがわ なみはたつとも わがふねは
 いざわこぎでむ よのふけぬまに
=未詳。
【編者注】「七夕」(しちせき、1996~2093、98首)の第64首。秋雑歌(10-1996~2238、二百四十三首)の第64首。
【訓注】天の川(あまのがは=天河)。我が舟(わがふね=吾舟)。いざわ(率)[13-3346率和]。漕ぎ出む(こぎでむ=滂出)[「舟を漕ぎ出す場合にはコギイヅといわずコギヅというのが習い」]。夜の更けぬ間に(よのふけぬまに=夜之不深間尓)。


万葉短歌2058 年に装ふ1891

2016年04月01日 | 万葉短歌

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万葉短歌2058 年に装ふ1891

年に装ふ 我が舟漕がむ 天の川
風は吹くとも 波立つなゆめ  

1891     万葉短歌2058 ShuE478 2016-0401-man2058

としによそふ わがふねこがむ あまのがわ
 かぜはふくとも なみたつなゆめ
=未詳。
【編者注】「七夕」(しちせき、1996~2093、98首)の第63首。秋雑歌(10-1996~2238、二百四十三首)の第63首。
【訓注】装ふ(よそふ=装)。我が舟(わがふね=吾舟)。天の川(あまのがは=天河)。波立つなゆめ(なみたつなゆめ=浪立勿忌)。
2016年03月31日現在(2010年11月01日開設)
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