さけはくちより入り Wine comes in at the mouth
こひはまなこよりす And love comes in at the eye;
老い果て死なむ前に That's all we know for truth
得さとらむ事是而巳 Before we grow old and die.
さかずきをくちにかつ触れ I lift the glass to my mouth,
君を見て嘆かふ我ぞ I look at you, and I sigh.
ウィリアム・バトラー・イェイツ(1865~1939)の「酒ほがひ(A Drinking Song)」という詩です。
アイルランドの方なので、ここでは「Wine」となっていますが、
『渋い年配の男性が、ワインを右手でゆったりと正面に掲げ、潤んだ瞳とともに人生を回顧している」、
正にそんな姿を映画のワンシーンのようにイメージする事が出来ます。
日本では代わりに日本酒になるのでしょうが、
ともあれ、
人生の辛苦と楽、双方を噛み締めた方とお酒のセットというのは得も言われぬ魅力を漂わせるもの。いつかはそういう人になりたいものであります。
話は少し逸れますが、
私は上戸です。
下戸の人とは逆の苦悩があります。
お酒に酔えないという苦悩です。
確かにお酒に呑まれるような呑み方をすれば記憶を失う酔いは体験できます。かもすぞーーーー
しかし日本酒は世界でも類を見ない難しい作業工程を経るお酒です。
蔵人と杜氏の研鑽を讃え、旨いお酒には敬意を評した呑み方をする必要があるとも思うのです。
個人的には、穏やかなお酒を好みたい質です。かもすぞーーーー
思えば京都で仕事をしていた頃、深夜の鴨川沿いで一升瓶片手に独りお花見・月見をしていた事もありました。
金沢の原酒で琥珀色が実に煌めいていたのを覚えています。
あれは心が浮き上がったものであります。ふわぁぁぁぁああっとね。
あれはようござんした。お警察はんに職務質問をされる事もありましたが。
お酒への興味はつきませぬ。 かもすぞーーーー
「もやしもん」に【龍神丸】というお酒が出てきます。芳醇な香り漂う、吟醸の生原酒。
このフレーズだけで涎が泳ぎ回ります。むぅ、飲みたい。
「蟲師」には光酒(こうき)というお酒が登場します。
正確にはこれはお酒ではなく、生命の誕生したときから在り続け、命ある物を潤しもし枯渇させもする「生命の原始水」なのですが、本のなかでは「なんて馨しい ひと口飲むほどに ものを考える力を失わせる」とあります。
むぅっぅぅう、飲みたい。
ほかにも「夏子の酒」、「ソムリエ」、「神の雫」でも美味しそうなお酒は紹介されていますね。
うまぁぁいお酒と、それに寄り添う美女。
この二つが揃えば、世界から戦争なんかなくなるんだ!それがたとえいっときでも!
と、本気で思う愚か者です。